音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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【楽曲解説・和声分析】ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》〈第1楽章〉

2020年08月20日 | ベートーヴェン Beethoven

2019年発売のベーレンライター版(全集)を使用しての

ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番》より〈第1楽章〉の

楽曲解説・和声解析の動画となっております。

 

今まで使っていた楽譜とは違う最新版による

細かな差に(特に展開部にて) 一緒に驚いて!?いただけたら嬉しいです♪

 

 

【楽曲解説・和声分析】

ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》〈第1楽章〉

 

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0:00~ ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》〈第1楽章〉楽曲解説・和声解析

0:27~ 使用楽譜は2019年発売『ベーレンライター版(全集)』

1:45~ チェルニー著『ベートーヴェン 全ピアノ作品の正しい奏法』より助言を尊重(師匠K.シルデ先生の教えより)

4:16~ 【II,IV,VI和声解析法】により〔II,IV,VI〕の音に盛り上がりを見つける研究

4:26~ 1小節③拍目、Reは第II音、④拍目にFa第IV音とRe第II音をちょっと歌い込む

4:53~ 2小節、スタッカートをベートーヴェンは「線」で書いた(ヘンレ版等の丸スタッカートは古い楽譜の表記)

5:56~ スタッカートの弾き方、鍵盤から手を離す

6:15~ 第V音で終わる〔半終止〕、③拍目の休符で無音状態の緊迫感(ゲネラルパウゼ)

7:01~ 3小節、〔D7属七〕の和音の中にはRe第II音、Fa第IV音が入っている

7:12~ 4小節、〔全終止〕

 

7:54~ 5小節③拍目、内声にFa第IV音、BassにRe第II音があり〔半終止〕

8:34~ 7~8小節〔トニカT〕→〔サブドミナントS6〕→〔ドミナントD〕→〔トニカT〕、典型的な〔カデンツ〕

9:25~ 8小節①拍目、ここ〔提示部〕においては四分音符、〔再現部〕においては二分音符

10:41~ 9小節~、左手メロディ「sf」が沢山、11小節~、ズレズレの音楽はベートーヴェンの悪戯!?《ピアノソナタ第17番 op.31-1》参照

 

12:30~ 13小節①拍目、濃いBassの音(第4, 5, 6, 8倍音)、「ff」だからペダルを沢山使用(踏みっぱなし)

14:05~ 15小節~右手、オクターヴばかりではなく〔9度〕が間に入っていることを知ると弾きやすい

14:38~ 17小節~、左手のII,IV,VI、 16:03~ 22小節②拍目裏、64分音符はほとんど一緒に弾いてしまうつもりで速く

16:24~ 24小節、ここ〔提示部〕では「ff」、〔再現部〕には作曲者は書いていない

17:09~ 26小節、Solの音は第V音=g-moll短調の第I音に転調(C-Durの音楽がg-mollに行くのは非常識、ベートーヴェンの挑戦の心の表れ!?)

 

19:10~ 27小節~、チェルニー曰く「タッチAnschlagで貴方の心の内を十分に表現する」

19:50~ 27~、転調ばかりに見える「調性の不安定さ」ゆえに、ここは〔第2テーマ〕では無い

21:38~ 転調と思いきや、更に高度な和声解析によると、g-mollの中の28小節は〔ドッペルドミナント〕

23:19~ 30小節は〔トニカ〕へ戻らず〔IV度調のV度〕で〔代理終止〕 

24:11~ 31小節、不協和音〔倚音〕と〔掛留音〕の甘美な音楽性

25:12~ 31小節①拍目〔s〕も③拍目の〔D46〕も大事、32小節でd-mollニ短調に転調

28:01~ 37小節④拍目、Faはd-mollの第III音=a-mollの第VI音、34小節④拍目も同様

 

29:19~ 40小節③拍目、またいきなりg-mollト短調に転調して戻る

30:00~ 43小節、Si♮があることでG-Durト長調の音が見えてくる、G-Durはこの曲の主調C-Durハ長調の属調(←第2テーマの予感、ソナタ形式の常識にベートーヴェンはやはり則っている)

31:23~ 42小節③拍目、Mi♭第IV音とDo♯第VI音で〔増6度(ジャーマン・シックス)〕という特別に力の強い和声

32:41~ 47小節、ほっとするG-Durト長調の〔第2テーマ〕

33:04~ 45小節、装飾音の問題、Peters版(クラウディオ・アラウ校訂)より弾き方を参照、伝統的解釈と習慣について丁寧に言及されている

 

35:56~ 47小節~、dolceの〔第2テーマ〕、チェルニー曰く「タッチAnschlagで貴方の心の内を十分に表現する」、【II,IV,VI和声解析】

38:16~ 53小節、〔ドッペルドミナント〕の中には〔II,IV,↑VI〕の音が入っている

40:05~ 56小節、装飾音の問題〔プララ―〕と〔トリラー〕

42:00~ 60小節、〔IV度調のV度〕をベートーヴェンは長いクレッシェンドで61小節〔S〕へ盛り上がるよう書いている

 

42:34~ 61小節〔提示部〕には「f(有り・有り・有り)」、195小節〔再現部〕には「f(無し・有り・無し)」

45:06~ 67小節~、「sf」4回、②④拍目には第VI・IV音のサブドミナント系の音でキラキラ

46:03~ 69小節~、左手は「5-4-5-4・・・」の指使いでオクターヴ・レガートが可能、右手は71小節①拍目が第IV音、72小節①拍目は第V音、73小節①拍目で〔T〕で〔全終止〕

 

47:32~ 76小節~、三つの「f〔IV〕〔V〕〔I〕」はpomposo(豪奢、偉そう、虚飾!?)

48:14~ 73小節②拍目~、左手にスタッカート「有り」、207小節〔再現部〕では「無し」という違いあり

 

49:17~ 77小節③拍目から、78小節の〔アウフタクト〕と数える(95小節を参考)

50:33~ 77小節~、スタッカート無し?、

52:48~ Doは第IV音、ちょっと大事に

53:18~ 86小節、第VI音、③拍目に第II音、④拍目に第IV音で折返し

 

54:14~ 【展開部】90小節③拍目~、転調

55:18~ 91小節はC-Durハ長調、92小節はc-mollから93小節はf-mollへ、短調の不安さゆえに「pp」のまま?

58:04~ 94小節~、嵐のようなベートーヴェンらしい展開部、Es-Dur変ホ長調、♭3つの神聖な調性《第3交響曲》

59:40~ 99小節~、チェルニー曰く「分散和音は音を揃えて力強く、更に親指を特別に力強く強調」

1:01:22~ 99小節、〔減七〕はf-mollの〔ドッペルドミナント〕で転調、101小節は大事な〔D46〕

1:02:32~ 102小節のMi♯→103小節のFa♮に異名同音でfis-mollへ転調

1:03:50~ 「calando」は沈みゆく(例としては太陽が沈むイメージ)

 

1:04:25~ 110小節のテーマは「3度の重音」、111小節は初めて「単旋律のメロディ」の特別感

1:05:32~ 112小節、ベーレンライター版のみ★スタッカート無し ★113小節~、細かなスタッカート有り無しの問題、音楽的な有意義性やいかに?

1:08:26~ 119~120(2回目)123~124(3回目)小節はスタッカート有り、115~116(1回目)小節は無し!?

1:09:51~ 113小節④拍目(1回目)と121小節④拍目(3回目)はスタッカート無し!?、117小節④拍目は有り

1:10:11~ 136小節②拍目(4回目)はスタッカート無し!? 〔再現部〕の予兆!?

 

1:11:21~ 112小節、D-Durの〔T〕が113小節g-mollの〔D7〕に転調(エンハーモニック)

1:13:01~ 113小節、〔属9〕の中には第II,IV,VI音が含まれている(117~・121~・135~小節も同様)

1:13:43~ 117小節、g-mollなのに長調で終わる〔ピカルディ終止〕すぐさまc-mollの〔D7〕に転調(125小節も同様)

1:16:07~ 110小節~は「展開部・後半」、91小節~は「展開部・前半」

1:16:55~ 115小節(等)、伸ばしている音にぶつかる不協和音の魅力〔掛留音〕に注意すべし

 

1:18:20~ 127小節②拍目のみスタッカート無し、c-mollの〔サブドミナント〕第II, IV音だから?

1:20:09~ 129小節~、G-Dur?、130小節左手〔半終止〕、131小節右手〔全終止〕

1:21:08~ 135小節は、C-Durの〔D7〕、134小節にスラーとスタッカートは無し?転調の予感?

 

1:22:39~ 【再現部】、143小節にスタッカート無し。143小節④拍目等、今までとは音も違うことを表現

1:24:13~ 146小節④拍目に休符。〔提示部〕9小節~では左利き!?ベートーヴェンの巧みさアピール、〔再現部〕では違う音楽で聴く人を「けむに巻く」

1:26:17~ 147小節の左手は、145小節の右手を真似している

1:26:41~ 149小節はF-Durに、151小節はG-Durに、153小節はF-Durに転調、154小節でC-Durに戻る

1:28:39~ 159小節、ff無しで、そのままc-moll(C-Durの同主調)へ。〔提示部〕27小節ではg-mollへ転調だった

1:30:22~ 174小節、Reはc-mollの第II音と考えると「sf」が書いてある意味と繋がる。〔提示部〕40小節では「sf無し」で〔全終止〕だった

1:32:57~ 第2テーマがC-Durこの曲の主調で帰ってくるのは完全に〔ソナタ形式〕

1:33:32~ 186小節は〔VI7〕の和音、ここでは③拍目メロディの下行からディミヌエンド、〔提示部〕53小節ではその後の〔ドッペルドミナント〕からと微妙に違う、【ベートーヴェンの場所による微妙な書き変え】

1:36:08~ 195小節に「f」無し。曲の終わりが近いゆえに収めようとしている落ち着いた音量

1:38:33~ 211小節~、アウフタクトにスタッカート有り(ここ再現部にだけ)

 

1:39:04~ 218小節~、C-Dur→As-Dur長3度下に転調は、《第9交響曲》の「Vor Gott(神の前に)」と同じ

1:41:25~ チェルニー曰く「和音に従ってペダルを使い」

1:43:06~ 228小節~、cresc.の階段(p)(mp)(mv)(mf)fp

1:44:01~ 232小節~、協奏曲的〔Cadenzaカデンツァ〕へと入る〔D46〕の和音、チェルニー曰く「カデンツァはプレストで」

1:45:41~ ★フェルマータの際、左手に二分音符、右手に全音符はベーレンライター版のみ

 

1:48:07~ 235小節、タイの音符〔掛留音〕のぶつかりを大事に

1:49:08~ 243小節、スタッカート有り、裏拍は無し

1:49:22~ 247小節は〔半終止〕、246小節は終止形は無く

1:50:08~ 248小節は〔偽終止〕、上の音達は終わろうとしているけど、下のBassに第VI音がある終止

 

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▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...

 

▼ブルグミュラー【楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...

 

☆ 瀬川玄 Gen Segawa (@pianistGS) · Twitter▼ https://twitter.com/pianistGS

 

☆ ブログ 、音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」~▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa


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