音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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B.《ハンマークラヴィア》IV楽章のフーガは「ノアの箱舟の建造」!?

2006年04月23日 | 《29番op.106》ハンマークラ
この日記の表題は、ピアノの巨匠リヒテルの言葉です。
ノアの箱舟の建造・・・・一体、それはなんなんでしょう!?

神の怒りで世界が水に沈む・・・しかし、一隻の箱舟に乗るものが
次なる世界の繁栄につとめる・・・・ようなことでしょうか。
(曖昧な知識で申し訳ありません・・・間違っていたら、
どなたかおっしゃってください・・・)

ここで考えましたのは、
この箱舟の建造とは、いわば全世界の生命にとっての
命を懸けた大事業であったということ・・・!!
この巨大な箱舟が完成しなかったら、この世界から全ての生命が消える、
そんな極限状態のなか、人々が必死になって働く・・・



ベートーヴェン最大にして最長のピアノソナタ
《ソナタ29番 op.106 B-Dur(変ロ長調)“ハンマークラヴィア”》
この最終楽章・4楽章は、巨大なフーガでできています。

幻想的な序奏に始まり(《第九》4楽章冒頭のアイディアに似ていなくも無い!?)
「Allegro risoluto」のフーガが始まる。
・・・・むっちゃくちゃ、難しいのです・・・!!!!
とどまることを知らない16分音符の連なりは、時に通常のピアノ奏法を
超越したような書かれ方をしている・・・ようするに弾きにくい・・・!!
一回聴いただけでは、何がなんだか・・・判りません。
ある時、楽譜を見ながら聴いていたあるピアノの先生が
「わけわからない!!」とおっしゃったこともある・・・
これは、先生の力量不足ではなく、それほどにこの音楽は難解なのだと・・・

しかし、
ゆっくり、じっくり、時間をかけて(何年も!?)
このフーガを紐解いてみると・・・・
見事に描かれているようですね~~!ノアの箱舟の建造過程が!!!

あらゆるフーガの技法を駆使して、楽器に挑む、音楽に挑む!!
すなわち、人生に挑む!?
それは、個人の人生であってもいいかもしれませんし、
あるいは、全人類にとっての挑戦と考えてもいいかもしれません・・・

演奏時間およそ45分はかかるこの《ハンマークラヴィア》、
自分にとってのライフワークのようにも考えているほど、
今ではすっかり、この作品のとりことなっております。
機会があったら、この曲について、
それこそ隅から隅まで!?書いてみたい!!とも思うのですが・・・

・・・3楽章は・・・
・・・生と死の狭間・・・神との対話・・・人生に疲れ果てて・・・
・・・死を望み・・・しかしそれでも人は生きていかなければならない・・・・

ん・・・やっぱり、いつか書きたい。



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