
ヘンデル作曲《メサイア》
そのクライマックスのひとつである超有名曲
《ハレルヤ》
その有名な逸話として、
イギリスにて公演されたこの《メサイア》を
当時の国王ジョージ2世が聴きながら、
《ハレルヤ》の途中で感動のあまり起立した
というものがあります。
真偽のほどは、今日不確かであるという話もあります。
でも、本日、自分が
《メサイア》全曲をコンサートで聴きながら、
あぁ、やっぱり「王」であったら、しかも
立派な「王」であるならなおさら、
この音楽を、このテクストを聴きながら
思わず立ち上がりたくなったという気持ちになるのは
不自然なことではないと思えたのです。
大切なことは、
事実関係がどうあれ、この音楽には、
そのような人を動かす強い力がある名作なんだという
強い手応えを得た気がしたのです。
44. Chorus
Hallelujah! For the Lord God Omnipotent reigneth.
The kingdom of this world is become the Kingdom of our Lord and of His Christ.
And He shall reign forr ever and ever.
King of Kings and Lord of Lords.
ハレルヤ! 全知全能なる主なる神のために。
この世の王国は、われらの主と彼のキリストの王国となった。
そして主は永遠に統治する。
王なる王、主なる主。
この音楽を聴き、このテクストを聴き、
まさに、
「身の引き締まる思い」がしたのではないかと、
想像が膨らみ、王の気持ちが垣間見られたような気がしたのでした。

神の御前に、
一国の責任を負う国王という立場に今一度震撼した
いてもたってもいられず「起立」してしまったのではないかと・・・
ひとつの「国」に「個人」が関わる常人の理解を超える重みは、
自分は、現日本国皇后陛下であられる美智子様に直接お会いできた際に
公の場でダイアのように光り輝く不可思議な眼差しを見て、
そして彼女の演奏するモーツァルトを聴く機会があって、
その細いお肩にかかった巨大な運命を垣間見た気がして
強い感動を抑えられず、わが身のちっぽけさ(=ありがたさ!?)を
感じたことがあります。
あの人達の人生における
常軌を逸する猛烈な重み・・・があるとするならば、
せめて周囲で、その一端でも分かろうと心することは
大事なこととも思えるのです。
「王」という大事な仕事。
おりしも今日は天皇誕生日!!

もちろん、今日の天皇陛下は「王」ではなく、
日本国の象徴としておられ、政治的権限や責任は負っておられないのですが、
とはいえ、日本というひとつの国のために、
全生涯を通してお勤めなさるという人生・・・
あらためて、すごいことだと、重いことだと思われませんでしょうか。
天皇陛下76歳のお誕生日を心からお祝い申し上げたく、
そして陛下ならびに皇族家皆様のご健康・ご健勝を願います。

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