メンデルスゾーン作曲の名作〈春の歌〉《無言歌 op.62-6》について
楽曲解説・和声解析をしてみました。
面白いのは・・・
冒頭からしばらく〔再現部〕まで
ペダルを使わない、
という解釈をとっているところでしょうか!?
昔ながらの古めかしいような演奏に聞こえるかも・・・しかし、
クラシック音楽の伝統に則ったものと
考えた次第です。
ご覧いただけましたら幸いです♪
【楽曲解説・和声分析】メンデルスゾーン《無言歌 op.62-6「春の歌」》
ご視聴いただきありがとうございます。こちらの動画は、お手元に楽譜をご用意されて、一緒に書き込みながら勉強していただけたら有意義かと思われます。お楽しみ下さいませ!
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0:00~ メンデルスゾーン作曲《無言歌op.62-6「春の歌」》
0:39~ 曲名《春の歌》は、作曲者が付けたものではない(無言歌集ほとんど全て) ベートーヴェン《月光》《熱情》、ショパン《別れの曲》《革命》《大洋》、ラフマニノフ《鐘》なども同様 だけど悪いネーミングでもない。一応「作曲者が付けたものではない(=違う解釈の可能性もあるかも)」と知っておくこと
4:00~ 《op.62(全6曲)》はClara Schumannクララ・シューマンに寄贈されている(1844年)
9:52~ 1⃣ペダルについて、2⃣装飾音について、3⃣和声について
10:12~ ペダルは、冒頭はずっと書いてない。〔再現部〕50小節からPed.の記載あり
11:25~ 54小節、「sempre simile(ずっと同じように)」すなわち、ずっとペダルを曲の最後まで使用 (曲の前半ペダル無しと、後半ペダル有りで、異なる世界観が表現される。軽やかな前半、ペダルの響き豊かな和音に満ちる後半)
12:50~ 87小節、最後に長いPed.の記載あり
13:19~ 前半(49小節まで)、ペダルは書いていない
13:38~ 前の時代のドイツ人の名匠がペダル無しで演奏していた
14:03~ 【実演】ペダル無しで演奏可能
14:33~ メロディ、ペダル無しでレガート演奏可能(指の置き換えや、3→5指へのくぐりのテクニック使用)
15:51~ 2⃣装飾音について、「3つの音」と「4つの音」の違いにより、音数によるほんの僅かなRubato(時間の揺れ)が生じるかも
17:33~ 13小節~など、「4つ、4つ」と続く時など、ちょっとした音楽的なブレーキ
18:01~ 52小節など、「3つ、3つ」の場合などは、スッキリ進むのかも
18:49~ 装飾音の差によって、大事さを感じ分ける メトロノームに合わせて機械的に弾くのではない、 かといって根拠の無い勝手なルバートも美しくない
19:38~ 心地よい流れに乗りつつも、音の意味がちょっとずつ違っている
19:51~ 自然界に、ひとつとして同じものが無いように(同じ種類であっても個体差がある)
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20:48~ 3⃣ハーモニー・和声
21:06~ A-Durイ長調の曲
21:22~ 左手の低音Bass、八分音符の長さに注意(スタッカートではない)
22:22~ 1小節、甘美な半音階、2小節目頭に長いスラーで終わっている〔全終止〕
23:24~ 【II,IV,VI和声解析法】、師匠K.シルデ先生より継承、正しく楽譜を読み、魅力ある伝統を実現させる
24:47~ 3小節、右手Siは第II音、左手Reは第IV音、4小節、Fa♯ 第VI音、Si第II音(II,IV,VIの音に盛り上がりを感じる)
25:15~ 6小節、〔全終止〕
26:14~ 7小節、Siは第II音、Fa♯は第、Re♯は第IV↑音〔ドッペルドミナント〕で大事
27:26~ 8小節、終わりは〔半終止〕、①拍目は〔D46(ドミナントしろく)〕で大事
29:00~ 〔カデンツ〕~〔Sサブドミナント〕〔DD7ドッペルドミナント〕〔D46〕〔D7〕
30:11~ 9小節~
30:35~ 12小節は〔II度調のV度〕、13小節は〔II度の和音〕
31:01~ 12小節、〔II〕を目指しつつも「dim.」
31:47~ 13小節、〔長調B-Major〕〔短調II度b-minor〕明るさと暗さが瞬時にすれ違うメンデルスゾーンの特徴的な音楽性
33:07~ 13小節~、〔4小節の楽節〕では無く〔3小節の楽節〕、わざとコンパクトになっている
35:26~ 16小節~、mf
36:00~ 17小節、すぐさま〔半終止〕
36:26~ 16小節~は下行の音型、1小節~は上行の音型、対象的
37:36~ 21小節、〔D46〕でホ長調E-Durに転調
38:43~ ホ長調E-Durは、この曲の主調イ長調A-Durからみて〔属調〕に転調、これはクラシックの伝統
40:02~ 22小節、ホ短調e-moll、《ヴァイオリン協奏曲》の調性、一瞬の短調…心の闇…
42:04~ 24小節、柔らかなE-Durに戻る、26小節はまたe-moll
42:14~ 26小節と24小節、ポルタ―トにはペダルを使い、大事に情感がこもる ベートーヴェン《悲愴 2楽章》
44:04~ 28小節、E-Dur
44:56~ 装飾音の数による時間のかけ方の違い、29小節はdim.とともに装飾音「3つ3つ」でスッキリ
46:00~ 32小節~、3小節の楽節
46:55~ 28小節~、〔第2テーマ(的)〕、なぜなら再現部64小節において主調A-Durで現れるから
48:04~ fフォルテの〔第2テーマ〕、冒頭pピアノの〔第1テーマ〕、対照的
49:04~ メンデルスゾーンの人間性、ヒステリックな一面あり、故に脳卒中・くも膜下出血により早世38歳で死去
50:43~ 26小節のたった2小節の急激なcresc.
51:53~ 29小節、sfで〔トニカ主和音E-Dur〕を強く感じる
52:28~ 33小節は〔ドッペルドミナント〕、1回目29小節は〔トニカ〕
53:48~ 34小節、左手の伴奏が消える、右手のSolo独奏
54:16~ 28小節~、装飾音が3回続く(冒頭は2回のみ)
55:49~ この装飾音をブルグミュラーが真似している〈セレナード〉《18の性格的練習曲 op.109》
58:55~ 35小節~、pで〔Codetta結尾〕、おしまいの予感がする沢山の主音Miの安定感
1:00:42~ 36小節、右手のメロディに初めての八分休符に注意(伸ばし過ぎると左手と酷い不協和音となってしまう)
1:01:40~ 35小節~、半音階で上行、休符、また半音階で上行、38小節にpで下行 〔半音階〕にこだわりある曲!?
1:03:53~ 39小節~、左手にオクターヴの動き、40小節でA-Durに戻る、短い〔中間部〕
1:05:48~ 42小節の〔II度の和音〕、40小節はE-Durの〔II度の和音〕、どちらも〔短調〕の響き、★メンデルスゾーンの使う一瞬の短調
1:08:11~ 43小節、〔IVの和音サブドミナント〕をfフォルテで高らかに歌う!(28小節〔第2テーマ〕の時のよう)
1:10:22~ 45小節、dim. - - - 47小節、右手のSolo独奏〔カデンツァ(協奏曲的)〕
1:12:01~ この曲は、コンパクトな〔ソナタ形式〕!?
1:14:00~ 50小節~、〔再現部〕Ped.ペダルを使って、冒頭とは違う雰囲気、夢のような世界
1:15:14~ 51,55小節、右手〔全終止〕のスタッカートを聴いた後でペダルを(左手の八分音符を押えている間に)踏む
1:17:00~ 50小節ではペダルは②拍目で離す、51小節~は②拍目裏で離す、それぞれ微妙な違いあり
1:18:28~ 57小節、②拍目でペダルを離す?、それとも《無言歌「狩り」》のように和音を濁す!?
1:20:45~ 58小節、〔Tトニカ〕ではなく〔IV度調のV度〕、〔代理終止(的)〕終わらない雰囲気、〔属7〕の和音の持つ力
1:24:37~ 58小節~、cresc.して、64小節A-Durの〔第2テーマ〕(提示部と調は違うけれどほとんど一緒)
1:27:15~ 69小節の〔Tトニカ主和音〕にsfは無し
1:27:27~ 71小節、②拍目裏の左手休符でペダルを離す
1:28:20~ 72小節、②拍目は違う和声ゆえにペダルを離す
1:29:34~ 73小節、②拍目を「D7th」と考えるとA-Durから(G-Dur等)離れてしまう…なので〔DDドッペルドミナント〕と考え、ペダルを離す
1:31:43~ 74小節、いきなりp dolceで、②拍目裏にスラーが終わっている〔半終止〕
1:32:32~ 74小節、最後の八分音符は、次の小節へのちょっとしたアウフタクト
1:33:57~ 75小節~、もう転調しないA-Durのまま
1:34:45~ 75小節~、左手のオクターヴがあり早めにcresc.が始まる、(1回目のcresc.は72小節の終わりから遅いスタート)
1:36:09~ 79小節~、〔Tトニカ〕のままgrazioso、1小節ペダル踏みっぱなしでOK
1:37:11~ 83小節、右手の十六分音符でペダルを離す、もしくは1小節ペダル踏みっぱなし
1:38:18~ 87小節、左手の休符に注意して、右手のメロディ(歌)の最後のおしまいを意識
1:40:00~ 90小節、ペダルが①拍目裏で、手と同時に離れる(ドビュッシーのように長いペダルで伸ばさない)
1:41:27~ 89.90小節、フェルマータを合わせて①~⑤まで数える
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