ドビュッシーの名作、《前奏曲集 第1巻》より
〈沈める寺(大伽藍、大聖堂)〉
についての解説演奏動画が撮影できました。
2013年にドビュッシーピアノ作品全曲演奏をした際、
全84曲とした場合、この〈沈める寺〉が「黄金分割」に当たるよう
計算したことがあります、すなわち、
この曲が全ピアノ作品の「臍・中心」となる!?
そのことが偶然か必然かなのかは分かりませんが・・・
それにしても、重要な作品であることは間違いないでしょう♪
【解説】〈沈める寺La Cathédrale engloutie〉ドビュッシー作曲《前奏曲集 第1巻》より
↓ 時間をクリックすると表題毎にスキップできます
0:00~ どんな音楽が始まるのでしょう
1:09~ 曲名が楽譜の最後に書いてあるのがドビュッシー《前奏曲集》の特徴の一つ
1:45~ 大西洋ブルターニュの海に沈める伝説都市「イス」
3:33~ 地中海の光輝く太陽を描いた曲は〈アナカプリの丘〉
3:57~ 「Dans une brume doucement sonore(霧の中より柔らかな音で)」
4:40~ 霧の中より立ち上る〔4度〕の音程=ドビュッシーの後期の作《4度のための練習曲》と重なる
5:19~ 「4分の6拍子=2分の3拍子」の意味、ドビュッシー自身が弾いた演奏録音から確認
6:42~ 2小節、左手、ポルタ―トとテヌートの弾き分け
7:09~ 6小節、ペダルを踏み変えるかも? ◆5小節(1,3小節も)の長い付点全音符は、ペダル必須という意味(近代フランスのピアノ曲の記譜法)
9:17~ 6小節~、Miの音にテヌート、まるで鐘の音のよう
10:41~ 7小節~、メロディー
11:39~ 「Doux et fluide(柔らかく流れ)」
12:03~ 10小節、スラー終わり
12:19~ 7小節~、調性はcis-moll嬰ハ短調
12:39~ 10小節、Re♯で終わることでE-Durホ長調に転調しながら〔半終止〕
13:42~ 13小節~、「四分音符6拍子」「二分音符3拍子」二つの世界をドビュッシーは表現した
14:43~ 7小節~、長いフレーズを表現するため①~⑫拍まで数える
15:33~ ⑫は「時」を表す数字
16:49~ 14小節、「Sans nuances(ニュアンス無し)」霧や海に感情は無いから
17:28~ 16小節~
18:23~ H-Durロ長調の音楽、コードネームは「B69」、ジャズの先駆者
19:24~ 17小節、「p marqué(マークする、強調する)」鐘の音が大海原から聞こえてくる
20:10~ 19小節、Es-Dur変ホ長調は「♭3つ」、「3」は「三位一体」に象徴される神聖数
20:55~ 左手の伴奏型における「三連符」と「四連符(二連符)」、大伽藍の尖塔が見えるよう
22:39~ 22小節~、二分音符3拍子の世界、ついに現れた大伽藍!!
23:02~ 「Sol~La~Re」の鐘
23:20~ 23小節、上から下りてくるオクターヴ四分音符テヌート付き、降り注ぐ光のよう
23:35~ 25小節、左手Bassオクターヴ四分音符テヌート付き
24:08~ 27小節~
24:44~ 26小節③拍目、SolとFaのぶつかり、何かが始まる合図
25:03~ 27小節~、大聖堂の中で鳴り響く「八声のコラール」
26:16~ 26小節③拍目、Solを伸ばして27小節①拍目ピッタリで離して、Bassの最低音、単音のDoを聴く
27:46~ 36小節、クレッシェンドの行きつく音「F」はC-Durの「IV度の和音」
28:11~ 39小節③拍目、C-Durの導音Si→40小節Do主音で〔全終止〕
28:53~ 38小節、【II,IV,VI和声解析法】「F」は盛り上がる〔IV度の和音〕
30:05~ 38小節③拍目~39小節①拍目、〔掛留音〕を大事にするのはJ.S.バッハの音楽からの影響(少年期のドビュッシーは、ショパンの生徒だったというフルールヴィル夫人からバッハとショパンを学んだことを述懐している)
30:50~ 38小節~、ヘミオラになっている
31:41~ 40小節~、下向きと上向きの二分音符を左右の手で弾き分ける
32:31~ 42小節~、ドビュッシー自身がそのまま二分音符の3拍子で弾いている (←「debussy plays debussy」で検索、ピアノロールによる録音を聴く際の問題点はppが無いこと)
33:19~ 「p」「piu p」「pp」「piu pp」
34:03~ ドビュッシーの「p」は「mf」と同じくらいの音量!? 「mf」はフォルテ方向における基本の音量、「p」はピアノ方向における基本の音量
35:11~ 47小節~、転調、「expressive et concentré」の旋律は7小節~と同じ
37:01~ 《ペレアスとメリザンド》をサロンオペラとして上演(ソプラノ山口清子、テノール中嶋克彦、バリトン加耒徹)
37:18~ 47小節~バリトンの声は「ゴロー」、51小節~テノールの「ペレアス」、53小節~ソプラノは「メリザンド」のよう
38:02~ 《ペレアスとメリザンド》あらすじ紹介 (ゴローの妻であるはずのメリザンドが、彼の異母兄弟ペレアスと惹かれ合ってしまう物語)
39:05~ 「イスの物語」あらすじ紹介 (王女の罪深き行いゆえにイスの町は天罰により海の底に沈むという話)
40:00~ 55小節~、〔II7/IV6〕の和音、典型的な印象派の音 (メリザンドが泉のほとりで指輪を落としてしまうシーンに使われる音)
42:25~ 62小節③拍目~ 罪ゆえにこの町は沈む、平行和音〔属七〕の連続、全ては疑問
44:49~ 68小節~、Fa♯とDoで〔減5度〕は〔トリトヌスTritonus三全音〕と呼ばれる不協和音 ●音程は、オクターヴ内を均等に分割すると不協和音だらけに〔全音階〕〔半音階〕〔減七の和音〕〔オーギュメント〕 ●オクターヴ内を不均等に〔完全5度・完全4度〕と分割すると協和音になる
46:46~ 67小節、右手をちゃんと伸ばしておいて68小節①拍目ちょうどで離す
46:56~ 68小節、左手のFa♯Sol♯〔2度〕の響きも不協和音、呪い
47:14~ 70小節~、沈み始める
47:34~ 71小節、スラー終わりとディミヌエンドを楽譜で見ていると表情のよう(インテンポで弾けない)
48:45~ 72小節「comme un écho de la phrases entendu précédemment(先に聞かれたフレーズのエコーのように)」は27小節~の「八声のコラール」のこと、大聖堂の中で歌っているコラールが、遠く離れた外に聞こえているよう・・・
50:51~ 81小節、クレッシェンドの到達点は「g minor」の和音、82小節「F」で減衰といことはF-Durへ長調に転調ということ
52:30~ 83小節、ReはF-Durの第VI音=C-Durの第II音、③拍目〔半終止〕で終わる旋律
53:49~ 84小節~ 目の前にはただ大海原があるのみ
54:46~ 86小節~、ドビュッシーは二分音符3拍子で弾いている
55:24~ 左手の「四声」
56:15~ 86小節~89小節最後まで⑫拍
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...
▼ブルグミュラー【楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...
☆ 瀬川玄 Gen Segawa (@pianistGS) · Twitter▼ https://twitter.com/pianistGS
☆ ブログ 、音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa
☆ 瀬川玄プロフィール▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-genseg...