引き続き《後期ソナタ》の類似性を見ていきたいと思います。
◇◆◇◆
●調性的な類似を観ていきますと、
先日の記事に挙げました引き続き、
《ソナタ31番op.110》の箇所(56小節、再現部)は、
ソナタ形式の基本通り、元調の「As-Dur(変イ長調)」となって
戻ってきますが、しばらくして、特異な転調を経て、
ややこしい言い方をしますと
「短調サブドミナント(下属調の同名調)の平行調」である「E-Dur(ホ長調)」
へと進みます。これは非常に効果の高い転調といえましょうか、
まるで「別世界」へ行ってしまったかというような・・・
ところで、「別世界」とはどこへ行ってしまったのでしょうか。
この「E-Dur」という調性に焦点を当ててみますと、
前作《ソナタ30番op.109》が
この「E-Dur」で書かれていることに気付くことが出来ます。
《op.109》、終楽章Variation(変奏曲)の変わり行く様を追ってみると、
最終変奏では、音数が次第に増し、最後は「飛び回る」ような
アルページオとなって鍵盤上を駆け巡るのが印象的でして、
もしかすると《op.110》のこの箇所(70小節)に、そうしたアイディアを
反映させることができるのかもしれない、とも考えられそうです。
どこへ飛んでゆくのか・・・それは、人それぞれ、
自由なファンタジーの世界を思い描かれるのがいいのかもしれません
それにつけても、
「飛び回る」「飛翔」というテーマは、今の私にとって
これら3曲のベートーヴェン《後期ソナタ》における大事なキーワード
となっております。
つづく
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●調性的な類似を観ていきますと、
先日の記事に挙げました引き続き、
《ソナタ31番op.110》の箇所(56小節、再現部)は、
ソナタ形式の基本通り、元調の「As-Dur(変イ長調)」となって
戻ってきますが、しばらくして、特異な転調を経て、
ややこしい言い方をしますと
「短調サブドミナント(下属調の同名調)の平行調」である「E-Dur(ホ長調)」
へと進みます。これは非常に効果の高い転調といえましょうか、
まるで「別世界」へ行ってしまったかというような・・・
ところで、「別世界」とはどこへ行ってしまったのでしょうか。
この「E-Dur」という調性に焦点を当ててみますと、
前作《ソナタ30番op.109》が
この「E-Dur」で書かれていることに気付くことが出来ます。
《op.109》、終楽章Variation(変奏曲)の変わり行く様を追ってみると、
最終変奏では、音数が次第に増し、最後は「飛び回る」ような
アルページオとなって鍵盤上を駆け巡るのが印象的でして、
もしかすると《op.110》のこの箇所(70小節)に、そうしたアイディアを
反映させることができるのかもしれない、とも考えられそうです。
どこへ飛んでゆくのか・・・それは、人それぞれ、
自由なファンタジーの世界を思い描かれるのがいいのかもしれません
それにつけても、
「飛び回る」「飛翔」というテーマは、今の私にとって
これら3曲のベートーヴェン《後期ソナタ》における大事なキーワード
となっております。
つづく