音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆シューマン《ロマンス op.94》に見る年齢を重ねたオイゼビウス

2010年09月04日 | シューマンRobert Schumann
先日の記事では、
シューマン作曲の後期作品
《ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105》に
作曲者と共に年齢を重ねた「フロレスタンの姿」が垣間見れたよう、
ご紹介いたしました。


フロレスタンとオイゼビウスという二人は、
シューマン自身が執筆活動するに当たって創った
自身の異なる面をそれぞれ反映させた架空の人物です。


単純に言ってしまえば、
情熱的・熱血漢のフロレスタン
内向的・瞑想的な面を好むオイゼビウス
というところでしょうか。


そして今、ふと、
今度は別の後期の作品で、
シューマンと共に年齢を重ねた「オイゼビウスの姿」が垣間見れるよう思えました。


それは《3つのロマンス 作品94》
原曲はオーボエとピアノのための音楽。


イ短調a-mollの暗い調性、
冬のドイツの厚い雲のかかった寒い景色が思い浮かぶような
なんとも・・・憂鬱な第一曲です・・・


一転して長調の美しい第二曲、しかし
中間部では突如、嵐が吹き荒れる・・・

シューベルトの《菩提樹》風に言えば、
「帽子が飛ばされても振り向かない」みたいな・・・!?


第三曲、再びイ短調、
オーボエとピアノがユニゾン(和音ではなく同じ音で旋律が動く)、
オーボエのモノローグ・独り言にピアノが介添えして
共にゆっくりと歩んでゆくオイゼビウスの姿が見えるような気がします・・・




・・・「精霊の声」に導かれて・・・!?





















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