音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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ベートーヴェン全曲演奏・最終回を前に抱負

2006年09月23日 | Beethovenピアノソナタ全曲演奏
長らく地元ヴァイマールを離れて、blogから遠ざかっておりましたが、
こちらは、演奏会を兼ねてドイツ国内(ハンブルク)の小旅行をしておりました。

明日、
ついに今年始めから遂行されておりました
ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会の
最終回を迎えることとなりました。

前回の演奏会を終え、今回のコンサートに向けて準備を進めながら、
これが最終回になるといった特別の実感は、正直なところ、
これといってありませんでした。
ところが
3日ほど前、ホールの受付嬢(ドイツのおばちゃん)から
「きっと、大勢の人が聴きに来るわよ」
との言葉をいただき、ふと体の底から震えるような、
この最後のコンサートへの実感が突如、沸き上がってきたのでした。

全9回に及ぶ連続演奏会が明日で幕を閉じる、
それは同時に、ベートーヴェンの32曲の全ピアノソナタを
公開の演奏会で全て演奏し終わることとなります。


プログラムは、初期・中期・後期それぞれの有名曲を
軒並み連ねたものとなります。

●ソナタ8番op.13“悲愴”
●ソナタ26番op.81a“告別”
●ソナタ32番op.111

ツィクルスの最後を飾るに相応しいプログラムにしようと、
この連続演奏会を計画する当初から、自ら考えたもののはず
だったのですが、明日の最後の日が迫るにつれ、
その実感がいよいよ強く、押し迫ってくる感があります。


こう書きながらも、胸の内がざわざわと騒ぎ始めるのを感じる・・・

こんな経験は、滅多にないことなのかもしれない、
一人の人間が、ある一つの仕事を成すとき、
その心境の氷山の一角を書き表してみるのは、
後で自ら読み返したときに少しは面白いのかなとも思い、
ひとつ言葉に残してみようかと思った次第です。

明日が貴重な経験となるであろうことを心して取り組み、
明日の演奏を終えたときに、一体どんな気持ちになるのか、
いや想像ができません。


ベートーヴェン最後のピアノソナタ《op.111》は
今の自分の解釈では、「最期の闘い」であるとも考えております。
そして終楽章は、この世ではないところへの旅立ち・・・

できることをやるのみ。行ってまいります。


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