おかげさまで、
先日の2月24日、神戸の世良美術館、
そして2月25日、京都のバロックザールでの
柴田高明くんとのマンドリン・リサイタルを
演奏させていただくことができました。
大勢の日本の聴者の方々との出会い、
コンサートでの音楽を通しての人々の心の行き交う様を
多分に感じることが出来、とてもうれしい手ごたえを
感じております!!関西のみなさま、
色々とありがとうございました!この場を借りても、
御礼申し上げます。
さて、
同じプログラムでの東京公演が、明後日
3月4日、17時開演、市谷ルーテルにて行われます。
今回の一連の演奏会にて、
自分にとっての初体験を先日に続きましてご紹介いたしますと、
それは、
現在も御在命中でいらっしゃる作曲家の作品を
演奏会にて取り上げる機会にめぐり合ったことです。
小林由直先生の《マンドリン協奏曲第2番》
全2楽章からなるこの作品は、
I楽章が瞑想、
II楽章が躍動感あふれるリズムの乱舞、
そして、
両楽章ともに中間部に、とっても「ジャパニーズ」な
音楽が顔を覗かせるあたりが、日本人なら誰しも!?
「面白い」と思える曲となっております。
先日の京都公演の際、
作曲家ご本人、小林先生もいらっしゃり、
その人となりを身近に感じることが出来、あぁ、
ステキな方だな、普通の方だな(いい意味で!!)、
この人が、あんなすごい曲を書いちゃうんだな、
と、
作曲家と知り合えた、なんとも不思議な感覚を
愉しむことができました。
お人柄ももちろんのこと、
楽曲《マンドリン協奏曲》も、面白い作品、面白い音楽です。
●I楽章を「瞑想」と上でご紹介いたしましたが、
ピアノを担当する自分がこの曲を練習・作業・創っていくにあたり
演奏者としての解釈を深めていきましたところ、
マンドリン・ソロが、
柴田くんのせりふを借りれば「こぶしを利かせて」
力強く、時に心を惑わせながらの瞑想にふける周囲を、
ピアノ(オーケストラ)は、あらゆる手段、あらゆる音色・音域
でもって彼に語りかけ、時に彼をたぶらかし、ゆさぶり、
あるいは天空から降り注ぐような澄んだ音で彼を導き、
そしてついには、
次元のひずみの渦巻きに飲み込まれるよう・・・
とても
ファンタスティックな音楽のように、私は感じております。
●II楽章のリズミカルな拍子、
基本的に「3・3・2」の速い拍子で進む音楽に、我々は
心躍らさざるをえません。
乱舞
そんな言葉がぴったりくるよう、自分は思っております。
そして、
特筆すべきは、上でもご紹介いたしましたとおり、
中間部に現れる「ジャパニーズ」の音楽。
一目瞭然(一聴瞭然!?)、
まるで邦楽《春の海》を彷彿させる音階に導かれ、
我々のアジアの血が静かにさわぎ始めます・・・。
この曲を初めて譜読みしていた時のことを今でも覚えているのですが、
このII楽章、中間部の「日本」が出てきたときに、
背筋がぞ~~~っと震えるのを体感しました。
なぜ、
こんなにも感じるのだろう、体が・背筋が反応するのだろう?
自分の中に流れるアジアの血が、
無意識・無自覚に音楽に反応しているのだろうか・・・
音楽の力に、自らの民族意識をも彷彿とさせられる、
不思議な体験です。
いや~・・・
こんなことを好き勝手書いて、
作曲家ご本人の意向と全く違う方向にいっていたとしたら、
・・・どうしよう・・・(自爆)
小林先生とは、演奏会終了後と打ち上げで少々話したきり、
機会があったらもっと色々とお話がしてみたいです!!
この場をお借りして、
作品を演奏させていただけることを御礼申し上げます。
ありがとうございました!!
4日の東京公演も、持てる力を振り絞り、
音楽していきたいと思います!!