音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月18日 | 中田喜直《さくら横丁》
ドイツ留学の最中、
多くの日本人歌手(←クラシック音楽)のコンサートがあると、
この《さくら横町》(中田喜直作曲、加藤周一作詞)が歌われていました。


異国の地に身を寄せる日本人にとって、
この音楽は深く心に染み入りました。


あぁ、なんて美しい音楽なんだろう・・・と。


「春の宵、さくらが咲くと~」
と歌われた時点で、背筋がゾクゾクして、
自身が感動に包まれているのを感知するのです。


いつか、この曲を弾いてみたい。


そして、ついにその楽譜を入手することができました!!
これはうれしい。



楽譜を前に、自分自身でこの曲に取り組んでみて然り、
この音楽はやはり素晴らしい音楽芸術作品であることを
目の当たりにしている気がします。


たとえば、冒頭においてすでに
最高級の音楽における秘儀(←大袈裟な言い方・・・のようですが、
あながち間違ってはいません)が使われているように思えます。



「春の宵」は、
「ファミラシシ」という音が使われているわけですが、
この冒頭の「ファ」が曲者・・・

これは
「倚音(いおん)」と呼ばれる音楽技法における
極上に魅力のある音のひとつの種類であり、
この《さくら横町》において、これが、
しっかりと使われているのです。

曲の歌いだしでいきなり奥儀を披露!?
聴くものの心を掴む見事な歌の始まりといえましょうか。


(つづく)



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