音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆勇ましさが無性にかなしく聴こえた ― Brahms《Rhapsodie op.119-4》

2008年03月15日 | ブラームス Johannes Brahms
ブラームスの最後のピアノ独奏曲、
《ピアノ曲集Klavierstuecke op.119》


ピアニストとしても腕が堪能なブラームス、
きっと彼自身にとっても少なからぬ思い入れのある楽器であろう
ピアノという楽器の「独奏曲」というジャンル、
それをしめる(閉める)のが、この曲集最後の曲、
《狂詩曲Rhapsodie 変ホ長調Es-Dur op.119-4》
となるわけです。


この「変ホ長調Es-Dur」という調性は、勇ましく、快活なものです。
一番分かり易い例を挙げると、
ベートーヴェンの《交響曲Sypmphonie 第3番》が、
まさに「英雄」という愛称で知られる「変ホ長調」の作品となりましょうか。


自分の予定では、秋にはこの作品、ブラームスの《op.119》を
演奏することとなっているため、少しずつ取り組んでいるのですが、
ずっと以前から、この終曲《Rhapsodie》のことを思うと、
上記の「Es-Dur」の響き、まさに「英雄」的な猛々しさ、
快活な和音の連なりを、ごく単純に


かっこいいな~



と思っていたのです。が・・・・


僕も変わりました。ここしばらく、ここ数年の間では、
ベートーヴェンのピアノソナタ全曲に取り組み、最近では、
後期のピアノソナタ《op.110》と、それから
ショパンの晩年の作《幻想ポロネーズop.61》を並べた
リサイタルのプログラムを演ったばかりです。

これらの作曲家の後期の作品・晩年の作品に取り組み、
それを煮詰め、ひとつのコンサートを終えて、今・・・

このブラームスの後期の作品《op.119》に向かい合ってみると、
この終曲《狂詩曲Rhapsodie》は、以前のように、ただ
「かっこいい」・・・なぞとは思えなくなってしまった、
そんな気がしたのです・・・。


それは、まさに
神の身元へ、死出の旅路を、勇ましく、大手を振って!!・・・


そんな姿に見えてきてしまったのです・・・

・・・それにしても、
最近の自分の取り組む楽曲、レパートリーは
どうしてこうも「死」と関係したものばかりなのだろうか・・・と、
正直、今日は、ふと、悲しくなってしまったりもしたのでした・・・


いやはや・・・
ベートーヴェンの後期ソナタ一群を通して、
こういった世界とは親しんでいた気でいたのに・・・


以前の自分と、今の自分の違いを、ふと認識してしまったことへの
ちょっとしたショックなのかもしれません


人間は変わる、ゆえに僕も変わる


ひとつの音楽を通して、色々と感じ・考えさせられるものです。




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