音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆リストの・・・霊!?

2007年01月09日 | リスト Franz Liszt
・・・パソコン上で「おばけ」のことなぞ書いて、
呪われたりもすることがあるのでしょうか!?
今回の記事は、
そういった話の苦手な方は、記事の中ほど以降を読まれるのを
お控え下さい。


明後日にひとつのリサイタルを控え、
会場は以前にも演奏したことがあります
フランツ・リストその人と、愛人(!?)のヴィトゲンシュタイン夫人が
居を構えたという「アルテンブルク・リスト・サロン」にて
演奏をすることになります。



リスト本人もサロン・コンサートを開いていたというこの場所には
今日、中央の間にSteinwayのグランドピアノと、隣室には
製造後100年を越える古いピアノが備えられてあります。
このピアノは、
残念ながらリストが使った楽器というわけではないのですが、
齢百歳を越えるこのおじいさんピアノは、
低めの調律、音色にもなんとも言えぬ味のある楽器で、
20世紀前半に録音された古いレコードのようなピアノの音を
思い浮かべると、そんな音が目の前で鳴っているかのような、
まさに時代を超えて今日鳴り響く古きよきピアノの音を
体験することの出来る、貴重なシロモノです。



以前、この場所にてベートーヴェン《月光ソナタ》を演奏した際、
アンコールに、敢えてこの古い楽器を使い
ベートーヴェンの望んだとされる
「I楽章、ペダルを踏みっぱなし」
による演奏を試みたことがあります。モダン・ピアノですと、
ペダルを踏みっぱなし=ダンパー上がりっぱなしで
この有名な《月光》I楽章をまるまる弾ききることは・・・
残念ながら、音が濁りすぎて、美しい音楽にはなりません。
(ハーフペダルを駆使し、その理想に近づける試みは
大いに意味のあるものと考えられますが)
それが、
このおじいさんピアノですと、
I楽章、まるまるペダルを踏みっぱなしでも・・・・
いけるんですね!!!なんともいえず、
まさにベートーヴェン自身による「幻想曲風ソナタ」の名の通り、
「幻想的」な世界が浮かび上がりました。


さて、
先日、リハーサルのためこちらの会場にて一人
練習を進めていたのですが、
明後日のコンサートで弾くのは、新しいSteinwayの方。
しかし、
なんだかんだと試してみたいこともあり、古いピアノも
弾いてみたりしたのでした。


さて、ここからが奇妙な話・・・

リハーサルをしながら、MDでの録音を取っていたのですが、

中央の間のSteinwayで録音をしていますと、
一つの曲を問題なく、最初から最後まで通して
録音をすることができたのですが、
ためしに、隣の部屋の古いピアノでも録ってみようと
MDを持って録音をしようとしたのですが・・・

最初は、MDは動いているのです。ところが、
演奏をしながらしばらくして、MDが「カシャ」と
止まる音がするのです。
・・・録音停止・・・

まさか電池切れ!?と思い、こちらの魅力ある古いピアノでの
録音はできなかったかと、残念に思いながら、
再びSteinwayに戻ります。そして、再び録音を試みるのですが・・・

録音は、普通にできたのです。次の一曲まるまる。問題なし。

・・・・!?・・・・

おかしいな。

再びしばらくして、
古いピアノに向かって録音を回してみました。動きます。
しかし、演奏をしながらしばらくすると、また
「カシャ」
といって録音が止まってしまいました・・・。

なんで!?バッテリーは充分あるはず、
隣の部屋では録音ができたのに、なぜここではできない!?



録音をあきらめ、そのまま
こちらの古いピアノで練習を続けていたのですが、
ベートーヴェン《ソナタ30番》の終楽章を弾いていて、
最後の「Tr.(トリル)」が大活躍する変奏にて、
リストの推奨している演奏法があったのを
思い出しながら演奏を進めていたところ、
ふと、うしろが気になり目を向けると、

・・・後ろの部屋の扉がかすかに開いており、まるで
扉の合い間の暗闇の中から誰かに覗かれているかのような!?!?


ぞくぞく~~~~!!!!!!!!っと寒気が背中を走りました。
それでも演奏を続ける・・・とにかく、最後まで弾いてしまおう・・・。

・・・リストが「お!?やってるやってる」って見てたのだろうか?
あるいは・・・何かお怒りになられるようなことでも
してしまったのだろうか・・・


霊を信じるも、信じないも、今の自分には
なんとも答えられないのですが、それにしても、
このような出来事があっては、
リストが住んでいたというその場所にリストの霊がいらっしゃった
としても不思議ではないな、と思ってしまったのでした。

次回のコンサートでは、残念ながらリスト作曲の音楽は
プログラムにはありません。
リスト先生、ごめんなさい。
でも、
彼は、自分の作品が演奏されなかったくらいで怒るような
肝っ玉の小さな男ではないことを信じています!!
なんたって19世紀のピアノの巨匠リスト、
・・・ご加護を・・・お願いいたします。



プログラム
●ラヴェル《高雅で感傷的なワルツ》
●J.S.バッハ《平均律クラヴィーア第1巻 h-moll》
●ショパン《英雄ポロネーズ》《練習曲op.10-11,12 op.25-1,12》
●ベートーヴェン《ソナタ31番op.110》

今回のコンサートは、
学生生活最後となります卒業試験でもあります。
今の自分に出来ることを、するまでです。では、行ってまいります!!

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-01-16 16:36:31
リストの霊にあってみたいです。好きなので・・・
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