音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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B.《ワルトシュタイン ピアノソナタ21番》 III楽章の 長い長いPedal

2006年05月03日 | ベートーヴェン Beethoven
冒頭8小節にまたがる長い長いPedalは、
伴奏の和声が変わっていることお構いナシに
踏み続けられることを要求されています。
次のPedalは4小節にまたがって、その次は10小節もの長さに
またがって・・・・。

これはなぜ??


「sempre pp」で左右の手が交差されて奏でられる
左手のメロディー(あえて手を交差させて弾くことで表現される音色・音楽感を理解・共感したいところです)、
そして右手の静かな伴奏を、
この長いPedalを気を付けながら、そっと、組み合わせてみる。
音は、可能な限り小さな音で、遥か彼方から響いてくるような・・・・
そして、音の混ざりをよ~~~く聴いてみると・・・
私の個人的なファンタジーと結びつくところだと、


朝靄(あさもや)、太陽が昇る前の静けさが辺りをつつみ、
地平線の向こうが白々と明るくなりはじめる・・・・

・・・・そんな情景が浮かび上がってくるような・・・

そして、51小節目から始まる長い「tr.」と「crescendo」に導かれて、
ついに、太陽は眩いばかりに、神々しくその姿を現す!!!

・・・・みたいな・・・

長いPedalの使用は、こうした雰囲気作りに欠かすことのできない一つの手段であったのかもしれない、そう解釈すると、Beethovenがピアノのために作曲した楽曲のいたるところで、この長いPedalを使った理由が納得できるかもしれない。
「響きの世界の魔術」というか・・・。
Pedal、あなどり難し・・・ですね。


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