ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ハム

2006年05月20日 | 食べ物


ハムの本当のおいしさを知ったのは、初めて行ったパ
リのカフェでハムサンドを食べた時だ。
バゲットにバターを塗りハムを挟んだだけのものだが、
バゲットが旨くハムが旨ければ、それだけで十分旨い
ことをその時知った。
それまで食べてたハムは一体なんだったのだろう、と
激しく思った。
それ以来、一般的な日本のマヨネーズを塗ったハムサ
ンドを旨いと思うことはなくなった。

何故これほど違うのかと不思議に思い、ハム情報を収
集していくうちに、その理由が分かった。
日本のハムは、根本的にその食感が違う。
それはたんぱく質凝固材を入れることによる食感だっ
たのだ。
言わば水増しハムだ。
だから変に‘プリッ’とした食感になる。
本物は肉(モモ)の感触を残した‘サクッ’としたも
ので、形もその肉の大きさによってそれぞれ違う。
しかも殆どの日本のハムは、薫煙ではなく薫煙液を使
い、更に旨みを足すために、旨味調味料を添加。
典型的な練り製品の完成だ。

本物のハムはフランス風だとジャンボンドパリ、ドイ
ツ風だとなんとかシンケンとして売られているが、値
段がかなり高い。
100グラムあたり500円はする。
日本の普通のボンレスハムの3倍以上だろう。
でもどうせ食べるのなら、日本のハム3回を本物1回
にしたい。
で、田舎では絶対買えないのでネットでいくつか取り
寄せてみた。
しかし、残念ながらまだ納得できるものには出会って
いない。
ひとつは完全無添加なのだが、薫煙の香りが弱く肉の
臭みが残っていて、もうひとつは塩だけでいいのに余
計な調味料を使っていて、と今ひとつなのだ。
他のハム工房も覗いてみたが、まだこれだというのは
発見できていない。

後、最初にパリのカフェのハムの美味しさについて言
及したが、それは25年前の話で、10年前に行った
時は、結構日本風のハムが多くなっていた。
間違いなくフランスのハムもレベルダウンしている、
と残念ながら思う。

写真は前日の壁を使ったもの。
ソラリザシオンというマンレイが始めた手法を使って。
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