一昨日の「鑑定団」の最後に、「梶井基次郎」の直筆
の手紙が出てきた。
予想金額を100万としたが、結果はその通りとなった。
こういう時は、気分がいい。
自分が目利きになったような気がするから。
その時は他の、万古焼きの土瓶とか、モンマルトルで買っ
た油絵とか、ほぼ予想した金額と一致し、自分でも調
子がいいと思った。
梶井基次郎といえばなんと言っても「檸檬」だが、内
容は全く覚えていないが、ある本屋で(丸善というこ
とだ)、積んである本に檸檬を置く情景だけは、鮮烈
に覚えている。
自分の中では、あたかも映画のワンシーンのように刻
み付けられているのだ。
こういう小説も珍しい。
その強度は、「アンダルシアの犬」の中の目玉のシーン、
或いは同じブニュエルの「昇天峠」のりんごの皮をむく
シーンに匹敵する。
何故かブニュエルなのだが、これは、そのシュールな感
覚が同じだからだろうか。
「梶井基次郎」と「ブニュエル」、普通は全く繋がら
ないが、私的には繋がっている。
小説と映画なのに、我ながら不思議だ。
ところで、その後のDVDコレクションだが、これが全く
変化なしで、仕方ないのでということもないのだが、再
びストローブ=ユイレの「階級関係 -カフカ<アメリ
カ>より-」を観ることにした。
これで三回目か。
カフカ原作の「アメリカ」(失踪者というタイトルもあ
る)を基にしている、ストローブ=ユイレの作品の中で
は一番物語として成立している映画だと思うが、カフカ
を知らないとその唐突な展開に戸惑うかもしれない。
が、一応時間軸に沿った物語でもあるし、ストローブ=
ユイレにしては「普通の映画」に近い。
それにしても、なんでもないビルの風景とか、最後に車
窓を流れる川の風景とか、自然の音しか聞こえない世界
だが、何故にこれほど魅力的なのか。
効果的な演出とは無縁な、生の力とでも言おうか、兎に
角不思議な魅力があるのがストローブ=ユイレの世界で
ある。
それとは別に、カフカの「アメリカ」だが、この映画と
どう違うのかはっきり比較するほど覚えていないので、
もう一度読もうかという気になっているのだが、その
興味と面倒くささと、ちょっとした葛藤を今抱えている。
果たして、この先どうなるだろうか。