ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

バター

2008年06月07日 | 食べ物


バター不足は、去年の秋頃から始まってどんどん深刻
化しているが、どう考えてもおかしい。
牛乳そのものは、消費が減ってきているということで
生産調整をし、乳牛そのものの数が少なくなってきて
いるということである。
一方、バターは、消費が急に増えることもなく、逆に
減ることもなく一定量の消費のはずだ。
つまり、普段と同じ量を作っていれば問題ないはずな
のに、いきなり市場から消えてしまった。
飲料用の牛乳とは別に確保しているはずだから、乳牛
調整の時点でそれは考慮していると見るのが論理的で
ある。
加工用は、チーズに回すようになっているので、バター
の方には急に回せないと言っているが、それ以前に確
保していてしかるべきなのだ。
どうも、流通に謎がありそうだ。

日本の酪農家は酪農家で、全く儲からないどころか、
重労働借金とひどい状態のようだし、根本的に何かが
おかしいのだ。
牛乳が安いのは、一般消費者からすれば良いことだが、
それによって国内の食料生産力というものが衰えてい
くというのなら、それはそれで問題なのではないか。
全てを市場経済に任せれば良いのか、という疑問を感
じている人は多いのではないだろうか。

食料自給率が減っている現状を見て、輸入を制限する
べきだと、国内生産者を優遇するような政策は、政治
家の常套手段で信用できないし、そのまま国際問題に
発展するし、全てを国内の安全な食品で賄うために自
然に帰ろうなどと主張すると、ロマン主義的発想と揶
揄されるしで、どうするのが良いのかはっきり言って
分からない。
自由経済主義的発想で、例えば、日本の食料が不足し
た場合、いくらでも輸入すれば良いし、そういう時の
ために、普段から輸出国との関係を良い状態に保つの
だ、と主張する人間もいるが、果たして緊急時に上手
いこといくのかという懸念は捨てきれない。
輸出国の国内事情も関係するので、あまりに楽観的な
前提ではないかと思われる。
国内自給率が高いのに越したことはないのだ。

一番いい方法は、輸入を制限するのではなく、消費者
の手にゆだねるのだ。
そして消費者が、高い意識を持って国内ものを選ぶよ
うにすれば良いのだ。
そうすれば、国内生産者も育て自給率もアップ。
なんて、なるわけない。
間違いなく、安いほうを選ぶのが消費者だ。
それこそが市場経済で、結果こうなっているわけだか
ら。
結局、行き着くとこまで行くしかないのだろうと思う
「梅雨の空」、である。
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