「本日の内容、食事前食事中要注意」
映画少年Yがやらかした、テリブルな話。
松本のカフェに行ったYは、いつものようにテラスで、
午後のひと時をゆったりしようと思っていた(多分)。
しかし、シードルでも一杯飲んで、のはずが、本来なら
夜メニューの「ムール貝」が食べられることが分かり、
気分が変わった。
急遽、白ワインにムール貝、ということになった。
しかも、フルボトルで。
しかも、「シャブリ」で。
今時、「シャブリ」というのもない気がするが、その辺
の感覚は、未だ十年以上前なのだ。
元々アルコールは好きなYであるが、実は、カフェの前
に蕎麦屋によって日本酒を二合飲んでいる。
蕎麦屋で日本酒、しかも昼から。
何を粋人を気取っているのか、と思うのだが、本人は
気取っているのである。
その二合の後のフルボトルの「シャブリ」だ。
蕎麦屋から今度はカフェのテラス。
気分は「池波正太郎」から「コクトー」だ。
本人はパリにでもいるつもりになって、調子付いてムール
貝を肴にシャブリである。
これだけで、阿呆かと思うが、その気になったYは益々
調子付く。
多分、ペースも速かったのだろう、予想通り具合が悪く
なった。
そこで、トイレに駆け込む。
ここまでだったら、阿呆かで済むが、問題はその後だ。
トイレのドアを開けると洗面台があり、もう一つのドア
を開けて便器というのは一般的だ。
カフェのトイレもそういう造りである。
気持ち悪いわけだから便器にやれば良いのだが、このY
は何を思ったか、そのドア一つ向こうに行けず、洗面台
でゲロゲロしてしまった。
洗面台の配水管は狭い。
つまり、詰まりやすい。
当然そういうことになった。
内容物は、蕎麦とムール貝。
あまりに、正統派な内容物。
想像しただけで...。
それよりたまらないのは、それを何とかしないといけ
ない店の人。
昼間っから、何を好き好んで、詰まった配水管を掃除
しないといけないのか、しかも原因が原因。
最悪とはこういうことではないだろうか。
多分、店の人の記憶からこの日の出来事が消えること
はないだろう。
トラウマにならなければいいが。
Y本人も情けなさで一杯だが、一番のショックを受け
たのは店の人だろう。
ということで、これからは映画少年Y或いはサッカー
少年Yではなく、ゲロゲロ少年Yと名前を変えること
にした。