しつこくキッシュの話。
一番一般的なのは「キッシュロレーヌ」。フランスのロレーヌ地方のキッシュだ。土地柄(ドイツに近い)豚の加工品(ハムベーコンなど)が豊富なので、それらを使った郷土料理的なキッシュなのだが、日本の場合、キッシュとだけ表記したものは、大体がこのベーコンを使ったロレーヌタイプのキッシュだと思う。謂わばキッシュの基本形。
で、ここのところのいろんなキッシュを食べてきて、そう言えば基本形のキッシュロレーヌは食べてないことに気付いた。そこで、改めてキッシュロレーヌを作ってみようかということになったのだ。ネット上にはいくつもレシピは載っている。簡単な材料で簡単にできて、しかし見かけはちょっと本格的となかなか虚仮威しにも最適と感じるが、そのレシピがどうも本場のもとは違うのではないかという疑問が生じた。本場のものを食べたことはないが、長年の勘でそう感じたのだ。
日本の、例えばクックバッドなどにあるものは全く参考にならない。家庭のお惣菜的味付けは、基本的に方向が違うのだ。そこで個人のブログにあるものを色々あたる。材料はほぼ一緒。ベーコンに玉ねぎにチーズだ。ベーコンの下拵えに関してはまちまち。ここで再び、本場では本当にこうなのか、と疑念が。
となればフランス国内のレシピをということになる。そしてフランスの料理サイトで検索してみる。フランス版クックバッドのようなサイトが有るのだ。で見てみると、材料に関して日本とは大きな違いがあることが判明した。何と、玉ねぎとチーズは使っていないのだ。その代わり、ベーコンと共にハムを少々使っている。ベーコンは炒めて脂を拭き取って使うとあり、この部分は図らずも自分が実践してたのと同じで、フムフムとほくそ笑んだが、ここで新たな疑問が。これが本当にロレーヌスタイルなのだろうかと。
想像するに、ベーコンとハムが本物であればこれで充分美味いのであると思う。しかし日本ではなかなかそういうものは難しい。そこで玉ねぎチーズを使い、どちらかというと玉ねぎのキッシュという形になったのではないか。味もやさしくなるし。と想像を巡らしたが、実際のところがどうなのかは分からない。どっちにしろ美味けりゃ良いかという話ではあるのだが。