最近は歩いていて、例えばこんな建物があると、「おっGタイプか?」とつい無意識的に区分けをしている。しかしこの建物の場合、良く見れば(というより良く見てしまうから)単なる影だったのだ。きれいに相似形となっているので、そうあってほしいという心理的力が働いた結果、だと思う。ただこの壁、ちょっと怪しい部分があることは事実である。
それではこの建物の場合は。
別になんでもない建物だ、と99.99パーセントの人は思うであろう。せいぜいちょっと古めか、という程度の印象を持つくらいだと思う。しかし良く見ると(最早お約束のフレーズ)、壁の一部だけの色が違う。何故あそこだけ、とやや不思議に感じる。ただしインパクトがいま一つなので面白みも弱い。それでは次の建物の壁のような場合はどうだ。
これこそ、何でもないと、99.999パーセントの人がその壁の存在すら意識することなく通り過ぎていく。しかし、そこにはかなり怪しい痕跡があったのだ。それもあまりに渋い。まず手前に入り口らしきものの痕跡。奥には二つの窓らしき痕跡。どちらも点線で示しているかのようなきれいな直線だ。これだけ揃ったものは珍しいのではないか。こういう物件は発見の喜びをもたらしてくれる。つまり、気付かない人が多ければ多いほど、発見したときの喜びは大きくなるというわけだ。おまけに、壁ではない道路の点線(面線と言いたい)が、普通は白なのにこんな赤茶色という。これも類は友を呼ぶと言っていい現象だろうか。