ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】ワーグナー

2006年02月22日 22時16分10秒 | 読書記録2006
ワーグナー, 高辻知義, 岩波新書(黄版)330, 1986年
・特にワグネリアンというわけでもないのだけれど、手許にあったので読んでみた。
・ワーグナーの肩書きを本書から拾ってみると、音楽家、劇作家、作曲家、演奏家、指揮者、音楽教育者、演劇人、興業主、楽匠、歌劇改革者、劇詩人、批評家、学者、古代研究家、ジャーナリスト、政治活動家、革命家・・・などなど。そして数々の挫折や借金にもヘコたれず、ついにはその作品(『指輪』)の初演のために劇場(バイロイト祝祭劇場)をおっ建てちまうという、あきれるばかりのパワー。このパワーの源はいったい何なのか。「俺様の作品を聴け!!!」という、とてつなく大きな自信があるように感じます。
・「ワーグナーの時代になって、一個の主和音を四分にもわたって持続させている例はあるまい。この非凡と平凡の同居が彼の芸術の一つの特徴でもあるように思える。」p.10
・「ワーグナーの劇作品の舞台指定は、これを劇詩と同一平面でとらえず、劇詩の深い読みを助けるための補助手段として、やや異なった方角から光を当てるのが生産的ではあるまいか。」p.17
・「(ワーグナーは朗読の名人だった)」p.18
・「「音楽家の作業は台本ができた時点で終わっている」という章句は、そのあとの総譜の仕上げのプロセスに想像力と霊感が関与しなくてもいいと解釈してはなるまい。」p.71
・「九月には『タンホイザー』の練習が始まったが、さまざまな故障が続いて、ワーグナーもよく腹を立て、結局百六十四回という途方もない稽古が初演までに行なわれた。」p.109 ワーグナーしつこすぎwww
・「『指輪』は三万グルデンの代価でルートヴィヒ二世(ヴェーゼンドンク、ショットに続く三番目の権利者、つまりワーグナーは三重売買をしたことになる)に売渡される契約が結ばれた。」p.129 ワーグナーの前にあっては、『契約』なんぞ無きに等しい。
・「現在もそうであるが、バイロイト祝祭への出演者は他の音楽祭に較べて半分ないし三分の一の出演料で満足する習慣になっている。ワーグナー芸術の正統につらなるバイロイトに出演すること自体が名誉であるという考えが、ワーグナーの生前から行なわれていたのである。」p.179
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?たいせき‐てき【対蹠的】 正反対の位置関係にあるさま。正反対であるさま。たいしょてき。
?アレゴリー(英allegory)〈アルレゴリー〉寓意(ぐうい)。諷喩(ふうゆ)。また、寓意物語。
?ノンシャラン(フランスnonchalant)無頓着なさま。のんきなさま。
?フィギュレーション(英figuration)[楽](和音・旋律の)装飾
?ディレッタント(英・フランスdilettante)〈ジレッタント〉 1 学問や芸術などを趣味として愛好する人。好事家。  2 (転じて)半可通。なまかじり。
?ていとん【停頓】 物事が順調にはかどらないこと。ゆきづまること。
?しょうよう【慫慂】 そばから誘い、すすめること。
?ころう【固陋】 見識が狭くてがんこなさま。古い習慣に固執して、新しいことをきらうさま。
?ようかい【容喙】 口ばしを入れること。横あいから差し出口をすること。
?じっこん【昵懇】 親しく交わること。心やすいさま。親密。懇意。入魂。
?メルクマール(ドイツMerkmal)目印。記号。標識。
?アナクロニズム(英anachronism)時代の新旧をとりちがえること。特に、その時代の傾向と大きく食い違ったり、逆行したりしていること。時代錯誤。
?いしゅう【蝟集】(「蝟」は、針鼠)針鼠の毛のように、たくさんの物事が一か所に一時に寄り集まること。
コメント (2)
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