ベートーヴェン, 長谷川千秋, 岩波新書(赤版)16(R7), 1938年
・出版当時は、"斬新なベートーヴェン像"を打ち立てたのかもしれませんが、今となっては、昔ながらの、というか多少古臭い感じがします。その"古臭さ"がまた良かったりもするのだけれど。
・『レオノーレ』と『フィデリオ』は同じオペラ(フィデリオ)の別バージョンの序曲だったのかぁぁ!! 知らなかった・・・
・「音楽作品は、昔からあまりにも詩的に美々しく解説され過ぎている。」p.i
・「ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのみじめな生涯は、まず、過酷な父親の過酷な音楽教育から始まる。」p.2
・「そのころから、彼はよく、何か考えごとに熱中し、たったひとりで呆然として我を忘れ、周囲を忘れて、突立っていることがあった。 夫人はこれを見ると、「ああ、また彼はラプトウス Raptus(夢中)になっている。」と言った。」p.8
・「より美しい結果が得られるならば、どんな規則でも破って構わないと、確信し、宣言している彼である。」p.16
・「そこへもってきて、当時の楽譜印刷業者には妙なことがあった。その一つは、よく文士くずれが出版業者になるように、作曲家くずれが楽譜出版業者であることが当時も間々あったのだ。」p.44
・「彼は真っ赤になって怒った。彼はかたわらの楽譜に近寄り、「ナポレオン・ボナパルト」と書いてある表紙を、べりべりとはがして、引きちぎり、激怒して、床に叩きつけて、足で踏みにじった。」p.49 交響曲第3番「英雄」に関するエピソードより。まるでその場に居合わせたかのような。なんという臨場感。
・「作曲の全過程をピアノに訴えるようなハイドンとは異なって、ベートーヴェンはできるだけスケッチに訴え、創作の根本をつとめてピアノから離そうと考えていた。」p.60
・「気に入らない時は、何回でも出直す。こうした彼のスケッチを調べた後の世の人々が確信をもって言うところによれば、彼の曲の一小節にして、十二回以上書き直されないものはない、とさえ言われている。」p.60
・「彼は、実際に眼が近眼だったのみならず、心も近眼であった。」p.85 名句。
・「(交響曲第7番と第8番を比較して)彼はやがて落胆の気持を払いのけると、昂然として肩をそびやかしながら言った。 「人気がないのは、まさに、こっち(第8番)の方がはるかに秀れているからだ。」」p.90
・「ベートーヴェンは、この後期の四重奏曲の中に、真に飾りと見えのない自己を吐露した。従来の曲形式的な約束を忘れ、理論を忘れ、真に音楽的なものをそのまま綴った。」p.166
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?もうじん【蒙塵】(外へ出て塵(ちり)をかぶる意から)変事のため、天子が難をのがれて都の外に逃げること。
?あんぽう【罨法】 充血や炎症などを除くために、薬液や水・湯などにひたした布で患部を冷やし、また暖めること。また、その療法。湿布(しっぷ)。
?しゅゆ【須臾】 1 仏語。しばらくの間。すこしのひま。しばらく。しばし。暫時。 2 数の単位の一つ。非常に小さい数の単位で、10-15 にあたる。
?えんげん【淵源】 物事の起こり基づくところ。物事が成り立っているそのもと。根源。「淵源をきわめる」
?あいまい‐や【曖昧屋】 表向きは料理屋や商家、旅館などに見せかけながら、売春婦などをかかえておき、ひそかに客をとる家。曖昧宿。
?あゆ【阿諛】 相手の気に入るようなことを言ったり、そのような態度をとること。おべっか。
・出版当時は、"斬新なベートーヴェン像"を打ち立てたのかもしれませんが、今となっては、昔ながらの、というか多少古臭い感じがします。その"古臭さ"がまた良かったりもするのだけれど。
・『レオノーレ』と『フィデリオ』は同じオペラ(フィデリオ)の別バージョンの序曲だったのかぁぁ!! 知らなかった・・・
・「音楽作品は、昔からあまりにも詩的に美々しく解説され過ぎている。」p.i
・「ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのみじめな生涯は、まず、過酷な父親の過酷な音楽教育から始まる。」p.2
・「そのころから、彼はよく、何か考えごとに熱中し、たったひとりで呆然として我を忘れ、周囲を忘れて、突立っていることがあった。 夫人はこれを見ると、「ああ、また彼はラプトウス Raptus(夢中)になっている。」と言った。」p.8
・「より美しい結果が得られるならば、どんな規則でも破って構わないと、確信し、宣言している彼である。」p.16
・「そこへもってきて、当時の楽譜印刷業者には妙なことがあった。その一つは、よく文士くずれが出版業者になるように、作曲家くずれが楽譜出版業者であることが当時も間々あったのだ。」p.44
・「彼は真っ赤になって怒った。彼はかたわらの楽譜に近寄り、「ナポレオン・ボナパルト」と書いてある表紙を、べりべりとはがして、引きちぎり、激怒して、床に叩きつけて、足で踏みにじった。」p.49 交響曲第3番「英雄」に関するエピソードより。まるでその場に居合わせたかのような。なんという臨場感。
・「作曲の全過程をピアノに訴えるようなハイドンとは異なって、ベートーヴェンはできるだけスケッチに訴え、創作の根本をつとめてピアノから離そうと考えていた。」p.60
・「気に入らない時は、何回でも出直す。こうした彼のスケッチを調べた後の世の人々が確信をもって言うところによれば、彼の曲の一小節にして、十二回以上書き直されないものはない、とさえ言われている。」p.60
・「彼は、実際に眼が近眼だったのみならず、心も近眼であった。」p.85 名句。
・「(交響曲第7番と第8番を比較して)彼はやがて落胆の気持を払いのけると、昂然として肩をそびやかしながら言った。 「人気がないのは、まさに、こっち(第8番)の方がはるかに秀れているからだ。」」p.90
・「ベートーヴェンは、この後期の四重奏曲の中に、真に飾りと見えのない自己を吐露した。従来の曲形式的な約束を忘れ、理論を忘れ、真に音楽的なものをそのまま綴った。」p.166
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?もうじん【蒙塵】(外へ出て塵(ちり)をかぶる意から)変事のため、天子が難をのがれて都の外に逃げること。
?あんぽう【罨法】 充血や炎症などを除くために、薬液や水・湯などにひたした布で患部を冷やし、また暖めること。また、その療法。湿布(しっぷ)。
?しゅゆ【須臾】 1 仏語。しばらくの間。すこしのひま。しばらく。しばし。暫時。 2 数の単位の一つ。非常に小さい数の単位で、10-15 にあたる。
?えんげん【淵源】 物事の起こり基づくところ。物事が成り立っているそのもと。根源。「淵源をきわめる」
?あいまい‐や【曖昧屋】 表向きは料理屋や商家、旅館などに見せかけながら、売春婦などをかかえておき、ひそかに客をとる家。曖昧宿。
?あゆ【阿諛】 相手の気に入るようなことを言ったり、そのような態度をとること。おべっか。