第56回市民文化祭 室蘭音楽協会 室蘭市民オーケストラ演奏会
2006.11.12(日)15:00開演, 室蘭市文化センター, 入場料1000円
指揮 菊地俊一 チェロ独奏 アンジェイ・ブルーベル, パート 2nd Violin
W.A.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲
F.J.ハイドン チェロ協奏曲第2番 ニ長調
D.ポッパー ハンガリー狂詩曲
P.I.チャイコフスキー 交響曲第1番 ト短調「冬の日の幻想」
アンコール PROSPER MORAND Russian Dance TREPAK
・一年のうちで一番しんどい演奏会がどうにか無事終了。他団体で弾く場合はだいたい、楽器を弾けばそれでいいというお客様的ポジションであることが多いのですが、室蘭は本拠地のため運営面の仕事もこなさなくてはなりません。今年は特に運営の要であったN氏が抜けたことにより更に大変でした。 また、長く続いているカゼ(?)の影響で体調も悪く、目標はとにかく『
演奏中、セキをしないこと!』 一説には、カゼではなく『
タバコを止めた禁断症状だ』だという噂もありますが、どうなんでしょうか…
・フィガロ:一応、モーツアルトイヤーに申し訳程度に便乗。演奏開始前に指揮者よりFgへウィンクが。出だし、うまいこと霞みました。割と遅めのテンポでじっくり聴かせることの多い菊地先生ですが、先生自身「オケで初めて弾いた曲だ」という思い入れのあるこの曲については意外と早めのテンポでした。
・昨年のアンコールでの曲目解説が好評だったことから、曲間に菊地先生による曲目解説を入れました。
・ハイドン:"巨匠"[写真]登場。先日の日記にも書いたように、その演奏に思うことはいろいろありましたが、一番強い思いは『
客席で聴きたい』でしょうか。お客さんがうらやましい。「イマドキの演奏家にはなくなってしまった伝統的なものを持っている」とは菊地先生の談ですが、「なるほどなー」と思える演奏です。リハにてClがSoloにうまいことつけた瞬間、チラッと振り返ってニヤッとしたのが印象的。使用した楽譜はヘファールト編曲の二管編成版。昔(数十年前?)はよく使われたが、最近はあまり使われない版だそうです。そしてカデンツァは氏のオリジナルとのこと。細かく見ると、ハイドンチェロコンマニア(そんなのいるのか?)垂涎の演奏なのかも。 田舎な会場なもので『チェロ台』などというハイカラな設備があるはずもなく、厚さ30センチほどもある管楽器群が乗るのと同じ仕様のでっかい山台に乗っていただきました。
・ポッパー:チェロ弾きにとっては有名な曲らしいのですが、団員に知る人はほとんどいませんでした。通常はピアノ伴奏で、オケ伴奏は珍しいらしいです。 PrestoではSoloにおいていかれないように、必死に追随。ハイドンも含め、合わせ的にはまだまだ改善の余地はあったと思いますが、三日間という限られた時間を考えるとこの辺が限界かと思います。
・残念ながらチェロアンコールは無し。
・チャイ1:当日の天気は下り坂。夕方からチラチラ降りだした雪は夜には積もるほどになり、曲タイトルの『冬の日』のイメージにピッタリな天気でした。しかし、あんまりうれしくない陰鬱な天気。。。 《1楽章》チェロ・バスの難所はドキドキハラハラしつつどうにか無事通過。振り返ってみると、この曲はチェロ受難の曲でしたね。 《2楽章》Ob Soloよかった。 《3楽章》ワルツの後打ちで迷子に。唯一のやらかしてしまったミスらしいミス。やたら難しいのにサッパリ聴こえないヘミオラ部分、カッチリ弾けた。 《4楽章》ふと、舞台袖(Vc側)を見ると、人影が。誰かと思ったらブルーベル氏じゃないですか!会場に着くとSolo合わせ以外では一切姿を見せなかったのでびっくり。しばらくじーーーっと聴き入っていましたが、気がつくと消えていました。 「
いまさらかよ!」とツッゴれそうな、開演直前の弦トップ練の効果あってか、難所のフーガ部分も難なくクリア(本当?)。最終部分のテンポの遅さは他に例を見ないものだと思われる。 厳しい練習の甲斐か、全体的に見て安定感のある、かなりカッチリした演奏だったと思います。弦の細かいフレーズなんかもっとバラけるかと思っていたのですが。
・トレパック:どこの誰だか、誰もわかってない作曲家による小曲。簡易編曲版。バスドラムの一撃がすごかったですね。 もう一曲、弦のみのアンコール(チャイコフスキー:弦楽合奏のための悲歌 ト長調(イワン・サマリンに敬意を表して;1884)も用意していたが、本番前日にボツ。前回(約10年前)もボツになった形跡あり。浮かばれない曲です。
・打ち上げ:ブルーベル氏のお言葉。「
プロは弾かなければならないから弾く。アマチュアは弾きたいから弾く。」「
今度はドボコンやろうぜ!!」 なんでも30年間止めていたタバコを、この室蘭で某団員の一本により復活させてしまったようなのですが。。。大丈夫なんだろか。。。
・独語通訳:急遽、ブルーベル氏の通訳係をしていただき、演奏後の団長挨拶で丁~寧~な紹介を受けたOさん。おつかれさま&ありがとうございます。もしOさんがいなかったらどうなっていたことか。
・客数625名[半券数より]:目測では800。
去年に続き、どうも納得いかない数字。裏口入場者がたくさんいたりして。いずれにしても例年よりもかなり多くの人が入りました。のだめ効果なんかもあるのでしょうか。たくさんのお客が入ったときの会場の熱気というか空気感というのはいいものです。