Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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逃げたくなる『悩み』を成長のきっかけに@「医師こそリベラルアーツ!」連載第4回

2024年07月27日 | 医学と医療
「医師こそリベラルアーツ!」の連載第4回が,日経メディカル「Cadetto.jp」にて公開されました.いままで29回,岐阜大学にてリベラルアーツ研究会を開催しましたが,各回で行なった私のミニレクチャーを紙面で再現する企画です.

リベラルアーツに関するイントロを終えて,今回よりいよいよ本格的に読書を開始します.まずヴィクトール・フランクルの名著『夜と霧』を取り上げました.オーストリアの精神科医であるフランクルは,ナチスの強制収容所という極限の状態の中で「臨床医としての観察」を行い, 2つのことを見出します.1つは「人間の精神の崇高さ」であり,もう1つは「悩むことの大切さ」です.後者は逃げ出したくなるような苦しい状況や悩みこそが,人間の精神的成長や情熱を生む原動力となり得るというものでした.ひとの生死に関わる医療者の仕事も,悩みや苦悩は避けられないものです.フランクルの教えは,これらの悩みをただの苦しみと捉えるのではなく,それを乗り越えることで自らの成長と患者さんへの貢献につなげることができるという前向きな視点を提供してくれます.自分も年齢とともにそのような考え方ができるようになりましたが,医学生や若いドクターにもそういったことを伝えたいと思いました.今回は『夜と霧』のほかに,姜尚中の『悩む力』や夏目漱石の『三四郎』も紹介しました.



さて次回はフランクルの師アドラーについて解説したベストセラー『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を取り上げ,幸せになるためにすべきことを考えたいと思います.なお本連載は,医師・医学生限定コンテンツで,医師または医学生の方は,会員登録すると記事全文がお読みいただけるようになります.



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