Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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COVID-19から脳を守る必要がある@新潟医学会総会

2023年06月19日 | COVID-19
新潟大学医学部医学部長の染矢俊幸先生にお招きをいただき,新潟医学会総会で「Long COVIDとしての認知症 ―その病態と対策―」というタイトルの特別講演をさせていただきました(全スライド75枚).認知症の新しい危険因子であるCOVID-19について,最新情報を含めご紹介しました.Long COVIDの病態機序はだいぶ明らかになりつつあり,COVID-19は急性期の呼吸器疾患から慢性期の神経疾患としての人体への影響が危惧され始めています.つまりCOVID-19から脳を守ることを啓発する必要があります.ご参加の先生は衝撃を受けておられたようで,染矢先生をはじめ非常に多くのご質問をいただきました.以下,講演要旨です.

・COVID-19罹患はアルツハイマー病のリスクを2倍程度上昇させる.
・認知症のリスク因子として,高齢者,重症感染,3ヶ月以上の嗅覚障害がある.
・軽症感染でも(気が付かないだけで)高次脳機能に影響が生じている可能性がある.
・軽症感染でも脳血管に炎症が生じうる.
・高齢者では感染後,眼窩前頭皮質の萎縮や機能障害が生じうる.
・嗅球から眼窩前頭皮質までの嗅覚伝導路にウイルス感染や炎症の伝播が生じうる.
・神経後遺症の機序として,ウイルスの持続感染が重要視されている(咽頭のPCR陰性は全身のウイルス消失を意味しない)
・ワクチン接種はlong COVID予防・治療に有効である.
・抗ウイルス薬の長期間投与がlong COVID治療に有効かどうかが注目されている.
・COVID-19から脳を守ることを啓発する必要がある.







全スライドはここからダウンロードいただけます.
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