以前の記事で取り上げさせていただいた,私の尊敬する多田富雄先生が,朝日新聞 4月8日の「私の視点」において,<診療報酬改定/リハビリ中止は死の宣告>という一文を寄せておられた.ネット著作権上,許されるのかどうか分からないが,asahi.com 上に記事を見つけることができないので,記事を紹介させていただく.目を通されていない方はご一読をお勧めする(右画像をクリックしてください).
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今回の多田先生のような衝撃を受けている患者さんは全国にたくさんいることと思います。ただ現段階では保険事務局も各医療機関もこの診療報酬改定をどう運用するかはっきりとしたルールは確立していません。多田先生のケースでも担当医が高次脳機能障害があるとみとめ、リハ日数制限の除外対象とすれば継続した外来リハは可能という解釈もできなくはありません。現在、勤務している整形外科クリニックでも例えば150日後に患者さんの多くに「急性増悪」させて、リハ日数をリセットするか、右膝のOAならば(実際とは違っても)151日目から左膝OAにしようかなど作戦は立てています。ただ保険事務局がどれほどシビアに切ってくるかは分かりません。全ての患者さんがこの4/1からのスタートということになりますので、150日後の9/1には異様な緊張感が生まれる可能性があります。おそらく、それまでにもう少し新しいルールの定義がはっきりするとは思います。もしくはルールの大幅な改正があるかもしれません。現場の人間は日々の対応に追われていて、横の連携をとって何かムーブメントが起きる気配は個人的には感じていません。ただ各学会で動くところはあるかもしれません。診療報酬改定までもある程度闘っていたとは思うのですが、新しいルールへの対応に追われて闘うタイミングも無かったような印象もあります。日本リハ学会は数億円の利益を得た運動器リハ学会との対決姿勢?を醸し出している雰囲気もあり、厚生労働省に向かうエネルギーはないのかもしれません。
行政としては在宅訪問リハへ患者を流していこうという発想と思いますが、介護保険との連携も整備されておらず、こちらの混乱も大きいと思われます。社会保険事務局の電話は今日も鳴り続けると思います。患者さんの不安は募るばかりです。心ある現場の人間は患者さんにこの新ルールをどう告げようか今日も悩んでいることと思います。
http://shinbun-de-osirase.seesaa.net/article/16461757.html
もっとも、本当に必要な場合、たとえばパーキンソン等変性疾患の場合など、実際の軽重にかかわらず「高次機能障害」として算定限度対象外とすることにしています。
そのとおりだと思います.リハビリ打ち切り問題のみならず,医師不足や医療改革法案も,郵政なんかより国民にとってはるかに切実な問題のはずです.より良い方策が取りまとめられるよう,議員さん・官僚さん・医療従事者・国民それぞれがしっかり勉強する必要えお強く感じております.
ご協力いただけると幸いです。
下記ホームページも御参照下さい。
http://craseed.net/
2006年4月の診療報酬改定でリハビリテーションの保険医療制度が大きく変わりました。これまで必要に応じて保険診療できていたリハビリが、原則として発症から最大180日で打ち切られることになりました。これにより、長期のリハビリを要する患者さんの多くが、保険診療の対象外となります。
これまでの保険医療制度改定の流れで、患者さんの負担額が増える流れはありました。しかし、今回はじめて、これまで保険診療できていた患者さんが、保険医療から「切り捨てられる」事態が起こっています。
重症の脳卒中や骨折などの場合、発症後180日を超えてもリハビリで機能回復をはかれる場合は決して少なくありません。また、獲得した機能を維持するためのリハビリも必要です。これらの患者さんは、リハビリを打ち切られるとそれまでに獲得した身体機能の低下などがおこり得ます。
自ら脳卒中後遺症のリハビリに励む著名な免疫学者の多田富雄先生を中心として、この制度に反対する署名活動をはじめました。趣旨をご理解の上、どうぞご協力ください(インターネット上でも署名ができます)。6月24日までです。
http://craseed.net/
大学の授業で記事を読みました。
が、私は疑問です。
通所リハにPTもOTも居ないし、リハビリは出来ないというような文章がありましたが、
通常、脳卒中の方々は、退院後家庭に戻り、地域での通所リハを受けながら生活することが可能ではないかと思います。
ただ、今の現状では、通所リハのスタッフが足りず、今回の医療法改訂以降、PTやOTが病院から通所リハの方へどんどん降りていくと思います。
世間体をきにする筆者だからこそ「病院へ通院」ということにこだわっているだけではないかという印象を受けました。
病院と地域のリハの役割も違いますし、何よりも病期に合わせてのリハが必要だと思いませんか??
脳卒中の麻痺の回復は通常6ヶ月以降は望めません。上肢においては3ヶ月です。そのような基礎を持ちながら急性期~回復期のリハを行っています。
維持期においては、「この麻痺をもちながらどのように動作などを工夫して生活していくか」を考えていくほうが、生活を考える上では適切ではないか?と思います。
もっと、地域のリハを充実させようという方向に動いてもらえることを願っています。
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麻痺の回復は、損傷部位、大きさによって異なります。脳は可塑性があり、繰り返し練習することで、神経回路が作りかえられます。
実際、8ヶ月以上経った方に上肢の介入を開始しても、実用的ではありませんが、回復が認められます。
科学的根拠を持って、リハビリを行い、社会に提示していくことが、セラピストの役割だと思います。
署名活動する前に、リハが必要な意義を社会に示さなければいけないんではないでしょうか?科学的根拠がなく、他人に説明できない、主観的な治療を行っていたら、誰がやったって同じだと捕らえられてもしょうがないと思います。