フジTVの時代劇シリーズ『鬼平犯科帳』が、昨夜の第150話をもって終了した。
第1話は1989年の7月12日放送の『暗剣白梅香』。
近藤正臣氏が下手人を演じていたと記憶している。
中村吉右衛門丈のキレのいい立居振舞、小気味のいい江戸弁の調子。
この江戸弁。
練習していえるようになった演技上の“セリフ”ではないからね。
吉右衛門丈の、自然にでる当たり前の口調だもの
それからのめり込むように原作を読んだ。
そして第1シリーズから第9シリーズ、特別番組まで、すべて観た。
全150話の中にはまぁ、
“そのキャスティングはどうなのよ
”
“その芝居はどうなのよ
”
と疑問を抱いた回もなくはない。
でも、総じてこれほど質の高い時代劇は、もう今後作れないだろうなと思う。
昨夜放送された『雲竜剣』。
事件が解決したあと五鉄の二階に平蔵と、密偵の面々が顔を揃えている。
杯を手に平蔵がいう、
「みんな、これからも頼むぜ」
と…。
観ていて思った。
でも、もうないんだよね、これが最後なんだよね
そして気が付いた。
そりゃぁそうだわな
本来そこには相模の彦十と小房の粂八の姿もあるはず。
でも彦十を演じた初代江戸屋猫八師匠も、粂八を演じた蟹江敬三氏もすでにこの世の人ではない。
そうだよな…、彦十も粂八もいない五鉄の二階はもう鬼平の世界じゃない。
猫八師匠が鬼籍に入られた後、他の役者が彦十を演じたシリーズがあったが、猫八師匠の彦十には遠く及ばなかった。
きっと粂八にしたってそうだろうな。
故高橋悦史氏が演じていた筆頭与力佐嶋忠介の不在は、小林金吾という別の与力を前面に出すことで補いがつけられたけど、密偵の五人はそういうわけにはいかないもの。
そう考えれば、幕を引かざるを得ない状況なんだろう、残念だけど。
ま、原作のページを開けば、そこでは故猫八師匠の顔をした彦十や故蟹江敬三氏の顔をした粂八が元気に活躍している。
戻ろう、原作に…
第1話は1989年の7月12日放送の『暗剣白梅香』。
近藤正臣氏が下手人を演じていたと記憶している。
中村吉右衛門丈のキレのいい立居振舞、小気味のいい江戸弁の調子。
この江戸弁。
練習していえるようになった演技上の“セリフ”ではないからね。
吉右衛門丈の、自然にでる当たり前の口調だもの
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それからのめり込むように原作を読んだ。
そして第1シリーズから第9シリーズ、特別番組まで、すべて観た。
全150話の中にはまぁ、
“そのキャスティングはどうなのよ
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と疑問を抱いた回もなくはない。
でも、総じてこれほど質の高い時代劇は、もう今後作れないだろうなと思う。
昨夜放送された『雲竜剣』。
事件が解決したあと五鉄の二階に平蔵と、密偵の面々が顔を揃えている。
杯を手に平蔵がいう、
「みんな、これからも頼むぜ」
と…。
観ていて思った。
でも、もうないんだよね、これが最後なんだよね
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そして気が付いた。
そりゃぁそうだわな
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本来そこには相模の彦十と小房の粂八の姿もあるはず。
でも彦十を演じた初代江戸屋猫八師匠も、粂八を演じた蟹江敬三氏もすでにこの世の人ではない。
そうだよな…、彦十も粂八もいない五鉄の二階はもう鬼平の世界じゃない。
猫八師匠が鬼籍に入られた後、他の役者が彦十を演じたシリーズがあったが、猫八師匠の彦十には遠く及ばなかった。
きっと粂八にしたってそうだろうな。
故高橋悦史氏が演じていた筆頭与力佐嶋忠介の不在は、小林金吾という別の与力を前面に出すことで補いがつけられたけど、密偵の五人はそういうわけにはいかないもの。
そう考えれば、幕を引かざるを得ない状況なんだろう、残念だけど。
ま、原作のページを開けば、そこでは故猫八師匠の顔をした彦十や故蟹江敬三氏の顔をした粂八が元気に活躍している。
戻ろう、原作に…
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