いよいよ8作目、今作はねぇ…
『玉麒麟 羽州ぼろ鳶組』 今村翔吾著 祥伝社文庫
今作の主人公は羽州ぼろ鳶組頭取並の鳥越新之助クンです。
なぁんとっ、新之助クンが火付押し込み強盗の下手人とされて追われてしまうのです
そのうえ新庄藩には30日間の藩士の出入りを禁じるという幕府からの沙汰が下ります。
源吾さんはじめご連枝さまもご家老も、左門さんも、火消組の主だった頭たちも
なんかおかしくねぇか…
って不穏なものを感じ取ります。
面妖だと感じ取ったのは新庄藩の面々だけでなく長谷川平蔵さまも、加賀鳶大頭大音勘九郎さんもです。
田沼さまの命を受けた平蔵さまが精力的に動きます。
勘九郎さまもとりあえず掴み得た情報を源吾さんに伝えようと上屋敷までやってきますが…。
大頭以下1番組から8番組まで各組頭総出、火事装束で行列を組み、木遣りを唄いながら…
当然上屋敷の周囲で監視している大目付配下に見とがめられますが、その駆け引きが面白い。
火事場で火消道具を取り違えた、火消にとって火消道具は刀にも等しいものなので取り替えに来た、と嘯きます。
はいそうですかと通すわけにいきませんから、取り違えたのはアナタのとこの落ち度でしょうが、と食い下がる。
すると勘九郎さま、それには逆らわない、が…っ、組頭のひとり一花甚右衛門さんを呼び
失態を犯したのはこの者、ここで腹を切らせる
と宣言し、甚右衛門さんも調子を合わせて馬上で諸肌脱ぎに…
大目付配下は大いに狼狽え加賀鳶側から折衷案を提示されても即決しかねている、と見るや勘九郎さまと甚右衛門さん、
一花っ
はいっ、すぐ切りますっ
なぁんていう一幕があって勘九郎さんと源吾さんは話し合うことが出来ます。
勘九郎さま、好い漢だねぇぇぇ
で、新之助クンですが、火付にあった商家橘屋の娘を連れて逃げに逃げます。
その間、剣を交えても刃は向けず常に峰でしのいできましたが、ついに刃を向けねば逃げられぬと悲愴な決心をします。
でも、まことに正しきものには天が味方をするのでしょう、新之助クンの脳裏に剣術に打ち込んでいた少年の日に見た光景がよみがえり、それによって峰で敵を打ち倒すことが出来ました
剣客として府下十傑に数えられ、新庄の“麒麟児”と言われていましたが“麒麟”になったんじゃないかなぁ
今回も、町火消の主だった頭たちが軒並み顔を見せましたが、みんな新之助クンの無実を信じて動いてくれた。
秋仁さんは見つけたらうちで匿うと言って探し回り、辰一さんは逃げ道を切りひらくのに喧嘩を演出したり、漣次さんは長谷川さまと話し合ったり、あの進藤内記ですら…、ま、こいつは金に目が眩んでのことだけど…。
源吾さんも苦渋の決断をします。
お家のためを思えば新之助クンを助けられず、新之助クンを守ろうとすればお家が取り潰しにあうかもしれず。
苦悩する源吾さんの背中を深雪さまが押してくれます、さすが深雪さま
お家も新之助クンもどちらも救う、と覚悟を決めた源吾さんにぼろ鳶のみんなも心をひとつにします。
こうしてみんなが力になってくれる、新之助クンの人柄だな。
それにしても、源吾さんが新之助クンを連れてもどるまでの新庄藩上屋敷のお庭を想像すると、うぷぷぷ…
加賀鳶、に組、い組、よ組、め組など主だった鳶の一団が焚火を囲んで消火の振りの小芝居を続けているんですもの
『玉麒麟 羽州ぼろ鳶組』 今村翔吾著 祥伝社文庫
今作の主人公は羽州ぼろ鳶組頭取並の鳥越新之助クンです。
なぁんとっ、新之助クンが火付押し込み強盗の下手人とされて追われてしまうのです
そのうえ新庄藩には30日間の藩士の出入りを禁じるという幕府からの沙汰が下ります。
源吾さんはじめご連枝さまもご家老も、左門さんも、火消組の主だった頭たちも
なんかおかしくねぇか…
って不穏なものを感じ取ります。
面妖だと感じ取ったのは新庄藩の面々だけでなく長谷川平蔵さまも、加賀鳶大頭大音勘九郎さんもです。
田沼さまの命を受けた平蔵さまが精力的に動きます。
勘九郎さまもとりあえず掴み得た情報を源吾さんに伝えようと上屋敷までやってきますが…。
大頭以下1番組から8番組まで各組頭総出、火事装束で行列を組み、木遣りを唄いながら…
当然上屋敷の周囲で監視している大目付配下に見とがめられますが、その駆け引きが面白い。
火事場で火消道具を取り違えた、火消にとって火消道具は刀にも等しいものなので取り替えに来た、と嘯きます。
はいそうですかと通すわけにいきませんから、取り違えたのはアナタのとこの落ち度でしょうが、と食い下がる。
すると勘九郎さま、それには逆らわない、が…っ、組頭のひとり一花甚右衛門さんを呼び
失態を犯したのはこの者、ここで腹を切らせる
と宣言し、甚右衛門さんも調子を合わせて馬上で諸肌脱ぎに…
大目付配下は大いに狼狽え加賀鳶側から折衷案を提示されても即決しかねている、と見るや勘九郎さまと甚右衛門さん、
一花っ
はいっ、すぐ切りますっ
なぁんていう一幕があって勘九郎さんと源吾さんは話し合うことが出来ます。
勘九郎さま、好い漢だねぇぇぇ
で、新之助クンですが、火付にあった商家橘屋の娘を連れて逃げに逃げます。
その間、剣を交えても刃は向けず常に峰でしのいできましたが、ついに刃を向けねば逃げられぬと悲愴な決心をします。
でも、まことに正しきものには天が味方をするのでしょう、新之助クンの脳裏に剣術に打ち込んでいた少年の日に見た光景がよみがえり、それによって峰で敵を打ち倒すことが出来ました
剣客として府下十傑に数えられ、新庄の“麒麟児”と言われていましたが“麒麟”になったんじゃないかなぁ
今回も、町火消の主だった頭たちが軒並み顔を見せましたが、みんな新之助クンの無実を信じて動いてくれた。
秋仁さんは見つけたらうちで匿うと言って探し回り、辰一さんは逃げ道を切りひらくのに喧嘩を演出したり、漣次さんは長谷川さまと話し合ったり、あの進藤内記ですら…、ま、こいつは金に目が眩んでのことだけど…。
源吾さんも苦渋の決断をします。
お家のためを思えば新之助クンを助けられず、新之助クンを守ろうとすればお家が取り潰しにあうかもしれず。
苦悩する源吾さんの背中を深雪さまが押してくれます、さすが深雪さま
お家も新之助クンもどちらも救う、と覚悟を決めた源吾さんにぼろ鳶のみんなも心をひとつにします。
こうしてみんなが力になってくれる、新之助クンの人柄だな。
それにしても、源吾さんが新之助クンを連れてもどるまでの新庄藩上屋敷のお庭を想像すると、うぷぷぷ…
加賀鳶、に組、い組、よ組、め組など主だった鳶の一団が焚火を囲んで消火の振りの小芝居を続けているんですもの