先ほどテレビを点けたら、市川染五郎丈が舞台化粧など支度をしている場面でした。
六月大歌舞伎の第三部『銘作左小刀 京人形』の花魁を模した京人形のお役です。
名工左甚五郎が作り上げた京人形に魂が宿り云々という演目で、甚五郎役は祖父の二代目松本白鴎丈です。
当代染五郎丈は現在16歳ですが、実は私、30年近く昔にこの演目の初演を観たことがあるんですよね、歌舞伎座で
現十代目松本幸四郎丈が市川染五郎を名乗っていた10代の頃で、左甚五郎役は今回と同じく父の九代目松本幸四郎丈つまり現白鴎丈でした。
遠い記憶を探れば、舞台に置かれた大きな木箱の蓋が開けられ姿を現した京人形を思い出します。
その美しかったこと
あれほどに美しいものがなぜ人間という生き物なのか、束の間、理解が追い付かなかったのを憶えています。
父子共演での初演から祖父と孫との共演へ、歌舞伎って、もちろん歌舞伎に限らずですけれど、伝統が受け継がれていく様を目の当たりにできますよね。
当代染五郎丈の艶姿も、若き日のお父様の京人形に勝るとも劣らずですが、やはり色合いの違いはあります。
そしてあくまでも私見に過ぎませんが、彼らの俳優人生のうちでそう何度も務められるお役ではない、というか16~17歳の今しか出来ないお役でしょうね。
というのは、あの美しさって少年期の終盤にさしかかった男性が放つ一瞬の光輝だから
俳優である限りお役として演じることは何歳になっても出来るんだけど、放たれる色香の質が変わっていくと思うんです。
世阿弥の『風姿花伝』の中の言葉だったかな…“時分の花”ってこういうことなんだろうなって、あらためて思いました
六月大歌舞伎の第三部『銘作左小刀 京人形』の花魁を模した京人形のお役です。
名工左甚五郎が作り上げた京人形に魂が宿り云々という演目で、甚五郎役は祖父の二代目松本白鴎丈です。
当代染五郎丈は現在16歳ですが、実は私、30年近く昔にこの演目の初演を観たことがあるんですよね、歌舞伎座で
現十代目松本幸四郎丈が市川染五郎を名乗っていた10代の頃で、左甚五郎役は今回と同じく父の九代目松本幸四郎丈つまり現白鴎丈でした。
遠い記憶を探れば、舞台に置かれた大きな木箱の蓋が開けられ姿を現した京人形を思い出します。
その美しかったこと
あれほどに美しいものがなぜ人間という生き物なのか、束の間、理解が追い付かなかったのを憶えています。
父子共演での初演から祖父と孫との共演へ、歌舞伎って、もちろん歌舞伎に限らずですけれど、伝統が受け継がれていく様を目の当たりにできますよね。
当代染五郎丈の艶姿も、若き日のお父様の京人形に勝るとも劣らずですが、やはり色合いの違いはあります。
そしてあくまでも私見に過ぎませんが、彼らの俳優人生のうちでそう何度も務められるお役ではない、というか16~17歳の今しか出来ないお役でしょうね。
というのは、あの美しさって少年期の終盤にさしかかった男性が放つ一瞬の光輝だから
俳優である限りお役として演じることは何歳になっても出来るんだけど、放たれる色香の質が変わっていくと思うんです。
世阿弥の『風姿花伝』の中の言葉だったかな…“時分の花”ってこういうことなんだろうなって、あらためて思いました