『こちらあみ子』の森井勇佑監督第2作。主演は前作であみ子演じた大沢一菜と、綾瀬はるか。姫路から鳥取までルート29を旅するふたりのロードムービー。そして不思議満載のファンタジー。まるで理解不可能な展開もさりげなくある。気にしてたらわけわかめになるから、さらりと流そう。単調な展開だから時々居眠りしてしまうけど、それも気にしないでよい。ひとつふたつくらいエピソードが飛んだって平気。(たぶん)どのエピソー . . . 本文を読む
ロドリゴ・プリエト監督作品。初めて聞く名前だ。調べたらこれがデビュー作らしい。イニャリトゥの撮影監督をしていたらしい。冒頭から緊張感が漂う。
こんな映画が配信されている。Netflixプレゼンツのメキシコ映画。2時間12分の大作アート映画である。きっとつまらない(たぶん)たくさんの娯楽映画の影に隠れて、こんな地味で凄い映画もNetflixではちゃんと公開されている。
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現在も上映中の大ヒット作がAmazonでの配信がスタートした。劇場公開時には58分の映画なのに、特別料金で割引なしで上映されたから、なんだかなぁ、と僕は思い見るのを控えてしまった。今更だけど、ようやく見ることが出来てうれしい。ただ期待があまりに大きくて、見た時はこんなものか、と少しガッカリもした。もちろんとても丁寧に作られてあり、ふたりの想いはしっかり伝わってきたし、これは素敵な映画である。たった . . . 本文を読む
まさか、あの石井裕也監督がSF映画を作るだなんて。これは思いもしない作品である。だけど、これくらい彼らしい映画もない。亡くした母を思う。仮想空間上に任意の“人間”をつくるという最新技術「VF(バーチャル・フィギュア)」を通して死んでしまった母親を再現し、隠していた母の本心に迫る。SFと書いたけど、必ずしもそういうわけではない。それどころが、ほんの数年後にはこれくらいのことはなんでもない現実になった . . . 本文を読む
先行上映で見てきた。最速上映回である。まぁ、たまたまだけど。別に早く見たかったわけではない。それどころか、不安だったくらいだ。もちろん必ず見るつもりだった。ただ前作『敗れざる者』の抑えたタッチが好きだったから今回の事件の核心に迫る完結編には危惧しかない。ガッカリしたくないから見る前にはかなり心配した。不安は的中する。前作はあまりに『踊る大捜査線』を意識し過ぎていると思った。回想シーンであれだけ織田 . . . 本文を読む
こんな短編映画を作った。売野雅勇の短編小説を映画化する。竹中直人が主演する。80年代を席巻した中森明菜のヒット曲である。イメージビデオではない。あれは何だったのか、を考察する。作者本人に聞く、というフィクション。あの歌を作った本人である売野が40年を越える歳月を経て、あの頃を描く。
まだ18歳だった少女(星乃夢奈)、が竹中直人演じるライターのインタビューを受けるというお話。歌い手 . . . 本文を読む
いまおかしんじ監督の2022年作品。ほんとうに彼はいろんな映画をどんどん作っているのだな、と感心する。低予算で、エロからこういう青春映画まで、なんでもあり。フットワークも軽く。昔の(今も?)ピンク映画と同様の数日の撮影で1本の長編映画を仕立てて公開する。
冒頭なんと42分の長回しには驚く。チープだけど圧巻。こんな無意味でバカなことをする。その後、メインタイトルが出て、後半は普通にカット割りしてい . . . 本文を読む
ノルウェーの小さな港町。寡黙な少女(大人だけど)のような女性が主人公。静かな映画は好きだし、人がほとんどいない風景もいい。フィックスでいつまでも変化のない風景を見せてくれるのも嫌いじゃない。だけど、それだけでは退屈。78分と短い映画だが、まるで話らしい話はないからこれでも長いくらい。何もない風景を撮るシーンを短くすると60分くらいになるのではないか。ムダとは思わないけど、なくてもいい。これが長編2 . . . 本文を読む
パキスタン映画なんて、もしかしたら初めてかもしれない。しかもこれはまだ若いサーイム・サーディク監督によるデビュー作。それがこんなにもしっかりした映画だったことにも驚く。彼はまだ33歳らしい。扱う問題はパキスタンが抱えるシビアな現実。同時にそれは普遍的な問題でもある。家族のあり方、変わりゆく生活。昔ながらの大家族はこの国からも失われていく過程にある。そんな過渡期の悲劇。
主人公の青年は、自分からは . . . 本文を読む
このゴンドラは、ジョージア南部の小さな村フロというところに実在し、ジョージアで最も長い距離をつなぐゴンドラとして知られているらしい。『ツバル』や『ブラ!ブラ!ブラ!』のファイト・ヘルマーが監督。今回もまたいつも通りセリフのないファンタジー映画。ふたりの女の子たちが働いているゴンドラ🚡 お仕事ムービーだけど、途中からお遊びムービーになる。ふたりの幸せな遊びはみんなを巻き込んでいく。あ . . . 本文を読む
待兼山に行く。架空の町だと思っていた待兼町。待兼駅が待兼阪大前駅に変わる前の最後の半年間を描く『昨夜、喫茶マチカネで』を読んでから気になっていた町だ。偶然石橋に行く用事があり、ついでだった。 . . . 本文を読む
こんな時代劇大作映画が白石和彌によって作られる。しかも山田孝之と仲野太賀が主演である。渋すぎて心配する。東映久々の映画である。ブロックブッキングは崩壊して定期的な配給作品すらなくなった時代に作られた徒花のような映画。最後の打ち上げ花火を思わせる。ならば見事咲かせて潔く散ればいい。そんな悲壮な覚悟で劇場に行く。日曜の朝一、梅田の旗艦劇場、大スクリーンでの上映。なのにまるで客がいない。なんと僕を含めて . . . 本文を読む
大好きな草野翔吾監督の新作である。これもまたいつものように小さな映画だけど、彼のこだわりがしっかり詰まった作品になっている。黒木華というキャスティングからして渋い。彼女を主人公に持ってきて、女の子同士の友情を描く。前作『彼女が好きなものは』では同性愛者の男の子と、異性愛者の女子の恋愛未満の友情を描いた。今回は死んでしまった親友との友情を描く。原作は短編連作みたいだ。映画も黒木華を中心にして彼女の周 . . . 本文を読む
大評判になり現在もロングラン中のこの映画を見る予定はなかった。上田誠じゃないし、ましてや『戦国自衛隊』の時代じゃないのにこんな話を映画にする時代錯誤には付き合いきれないという偏見からだ。というか、まるで興味がなかった。『カメラを止めるな!』はホラーだったし、あんな自主映画なのにあの手の大ヒットは初めてだったからついつい大劇場で見た(なんと当時東宝シネマズのラージスクリーンで上映された!)が、これは . . . 本文を読む
大ヒットTVシリーズの映画化、といういつものパターンである。だけど最近はこの手安易なTV局製作映画の惨敗が続いている。そんな中、この作品は昨年の秋に公開されて50億に迫るまさかの大ヒットを記録した。
菅田将暉が主演している。だが、そのおかげではない。だって今年の秋(今ですね)公開中の彼が主演した黒沢清の新作『クラウド』は大惨敗している。その差は何なのか、なんてことも気になってまず、配信スタートし . . . 本文を読む