エキスポシティ109シネマのIMAXで見てきた。最初は巨大スクリーンいっぱいに広がる大迫力に圧倒されたけど、すぐに慣れた。そのうち見あげるから首が痛くなるし、お話もアクションもあまりに単調すぎて、少し眠くなるし、大丈夫かこの映画と不安になる始末だ。22年前の興奮が蘇るわけではない。事前予習していたけど、そのときの感動の大きさと比較しても、この映画の驚きは小さすぎる。
全く新機軸のない映画だ。前作 . . . 本文を読む
たまたまである。たまたま手にしてなんとなく読み始めたら、これがまぁ、おもしろくて止まらない。そのうち、彼らがこの先何をするのか気になり、そこに今の自分を重ねているうちに、ここに答えがあったのかと気づく。まるで神さまからのプレゼントのような小説だった。自分が何をなすべきなのか、教えられた気がする。なんだかうれしい。
これはシリーズもので、なんとセカンドシーズン第2巻という中途半端な一冊なのに、この . . . 本文を読む
もちろん公開時に劇場で見ているけど、それ以降見ることはなかった。だから22年ぶりの対面だ。僕は今は基本新作しか見ない主義なのだが、今回『マトリックス』の新作『レザレクションズ』が公開されるのに合わせて劇場に向かう直前である今、復習のためにもう一度見てみようと思った。それにしても今の時代はほんとうに便利だ、旧作だって簡単に配信ですぐに見られるし(盛んに見ることを促されるし)だから、「じゃぁ、ちょいと . . . 本文を読む
『天の台所』を読んで落合さんを知った。彼女のデビュー作がなんとバドミントンを題材にした作品だと知り興味を持ち早速借りてきて読み終えた。児童書なので250ページほどの長編でも読みやすいし、一瞬で読める。講談社の児童文学新人賞佳作に入選した作品だ。
彼女の作品の魅力は選んだ素材に対してしっかりしたリサーチをして(そんなのは誰もがすることだろうが)そこから独自の自分の視点を見つけた上で、その切り口を信 . . . 本文を読む
これもネットフリックス配信による最新作で、現在劇場公開中の作品だ。この年末怒濤のようにネットフリックス映画が公開中だ。しかもいずれもベストテン級の秀作が並ぶ。大手の映画会社なんか足元のも及ばないのではないか、という勢いである。ネットフリックス映画は十分な予算のもと、作り手側の采配で制作されている。そんな理想の環境で作られた映画がつまらないわけはない。苦しい予算と製作委員会側からの理不尽な要求に散々 . . . 本文を読む
朝、この本を読み始める前に朝刊に目を通していると、直木賞候補にこの作品が選ばれているという記事を見かけた。ようやく彩瀬まるに直木賞を与える時が来たんか(というか、僕が与えるのではないけど)と思う。まぁ、まだ彼女は若いから今回も落選するかもしれないけど、そんなことどうでもいい。
ということで、さっそく読み始めた。よくある短編連作のスタイルである。描かれることも相変わらずつらい話ばかりだ。だけど、こ . . . 本文を読む
児童書やYA小説をチェックしていると、思いもしない設定で身近な題材を扱う小説を発見することが多々あるから侮れない。そうくるか、と驚く。まぁ、僕が手にする本なんてたかがしれているけど、それでもそのなかで、かなりの確率で良質の作品と出会えれる。だから児童書の新刊コーナーは図書館に行くと毎回立ち寄るようにしている。この本はそんなふうにして出会った1冊だ。こんなにもたわいない設定で気負いもない1冊だけど、 . . . 本文を読む
12月も下旬に突入した。ベストテンシーズンだ。その先陣を切ってのベストテンになる。もう30年くらいキネマ旬報の関西読者の会ベストテンに参加している。最近は投票しかしていないけど、昔はちゃんと選考会にも行っていた。こういうお祭り行事は好きだったのだけど、今はなんだか虚しい気もしてあまり積極的ではない。だって順位なんかつけれない。こんなに多岐にわたる映画を同一線上に並べるだけで、虚しくなるからだ。ただ . . . 本文を読む
ある映画監督の追悼上映会の1日を巡るドラマ。67歳で亡くなった今ではあまり顧みられることのない映画作家。夜にこだわり、自主映画からスタートして、キャリアをスタートさせた。夜を描く3部作が代表作、その後商業映画を数本撮ったが、この10年ほどは映画を撮ってなかった。そんな男の映画を1週間だけ、追悼企画として銀座のミニシアターで上映した。雨の降る夕暮れ時、6人の客だけを集めてその日の、その回の上映が始ま . . . 本文を読む
劇団ひとり監督の第2作はネットフリックスによる映画である。言わずと知れたビートたけしの自伝的小説の映画化に挑む。浅草フランス座を舞台にして、70年代ここで生きた若き日の北野たけし(柳楽優弥)の日々を描く。師匠である芸人・深見千三郎(大泉洋)との交流が中心となるセンチメンタルで懐古趣味の後ろ向きの映画で、あえて今これをやる意味がどこにあるのか、よくわからない。劇団ひとりはデビュー作『青天の霹靂』でも . . . 本文を読む
100パーセント見る気はなかったけど、徒に時間があまり、しかもそこにきちんと収まるのはこの映画しかなかったから、運命だと思いこれを見ることにした。難波なんかで3時間も時間をつぶすのは難しいし、しんどいから映画しかないと思ったのだが。朝の用事から次の用事まで実は7時間も時間が空いてしまい、そこにうまく見たかった映画を収めてもまだ3時間以上あったので、そこをこれで無理やり埋めることにしたのだ。
最悪 . . . 本文を読む
3週間ほど前に読んだ『山のふもとのブレイクタイム』の前作である。シリーズ2作から読んでしまったので、少し気になったからこれも読むことにした。作者の高森美由紀さんはきっととても真面目な人なんだろう。丁寧に書かなくては気が済まない。だからお話のテンポが悪く、読んでいてイライラさせられる。つまらないわけではないのだけど、何が書きたいのかがなかなか明確にならないのだ。
『山のふもとのブレイクタイム』を読 . . . 本文を読む
『ベイビー・ドライバー』で気を吐いたエドガー・ライト監督の最新作だ。あの作品でブレイクした後、満を持して挑む意欲作である。期待は膨らむ。前作であれだけ大暴れしたのだ。そんな彼が今度は何を見せるのか。楽しみでならない。ワクワクして劇場の闇に。
これはロンドンのソーホーを舞台にしたホラータッチの幻想譚である。洋裁学校に入学するために田舎から出てきたひとりの少女が体験する夢とも現実とも言えない出来事。 . . . 本文を読む
2年ぶりに見るオリゴ党。昨年の公演は(ぼんやりしていて)見逃してしまったが、旗揚げからこの29年間、ほぼすべての作品を見てきている。岩橋さんの作り上げる不思議な世界が好きだ。いつもと少し違う、でもいつも通りの不思議な世界を今回も見せてくれる。岩橋ワールドは快調である。1本目は男性による二人芝居を、2本目は女性による3人芝居を、2本立てで展開していくのだが、この2本は微妙なところで重なり合う。タッチ . . . 本文を読む