昔、まだチャウシェスク政権のころ、僕の務めていた会社がルーマニア・ワインを輸入していた。1989年のルーマニア革命により輸入が途絶えた。先日、久しぶりにルーマニア・ワインと出会った。ピノ・ノアールなのだが、本家フランス・ブルゴーニュに負けない濃縮感と果実味をもった中々のものだ。ブドウ自体の素質はかなりのものだと思う。後は、テクニックが加わるとシンデレラ・ワインになりそうだ。昔、入れていたルーマニア・ワインと比べると飛躍的な出来映えだ。政権が変わり、ワインの業界にもやっと新たな資本が入ってきたのかと思う。
ルーマニアはワインのメッカと云える土地で、お酒の神様バッカスの生誕の地とも云われる。ギリシャ神話の時代からワインは作られる程、その土地はワイン作りにむいた気候を持つ。国名はローマ人の国という意味だが、ローマ帝国の影響を受けさらにワイン作りは発展したようだ。近年は、チャウシェスク独裁政権の悪影響でワイン産業の発展がにぶった。現在、開かれた国となり、ワインも量から質の時代に変わろうとしている。どうやら、これから注目のワイン産地になるような気がする。クアトロでグラス・ワインに使ってみようかと思う。
ドラキュラが喜びそうな深紅のワイン。美味しいですよ。