ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

無言のプレッシャー作戦

2006年11月23日 | ワインの話

Photo_130 テイスティングでのテクニックの話はつづきます。
ボトルの形を見てのささやき作戦を終え、次はワインのコルクのチェックです。あまりささやいてばかりいると、気持ち悪く見られる危険があるので、次のささやき作戦の前にここでは、無言のプレッシャー作戦に出ます。ついにワインは抜栓されてしまったので、前にも書いたようにもう支払い義務が発生しています。強気でワインの品質チェックに臨みましょう。その姿勢が伝わると、上客扱いを受けるチャンスが広がります。
さて、抜栓されたコルクをテーブルの中央、またはテイスティングをお願いされるホストのところにソムリエはおもむろに置きます。開けたワインはもう全部飲むつもりなのだから、もう使わないであろう不要のコルク栓を置いていくなと思ってはいけません。このコルクには、色々と意味があります。
まず、コルクを置いたのは、上手に栓を抜けましたという係の喜びがあります。たまに失敗すると、持ってこないこともあります。その時は、少し大目にみる余裕も必要でしょう。ちゃんと開けたのに、持ってこない店は、ちょっとワインについては信頼できない可能性があります。
次に、このコルクに色々と焼き印で書かれているものを見てあげてください。ワインの名前と生産者名らしきものとビンテージ(年号)などが書かれています。たくさん書いてあると値段の高いワインの可能性が高くなります。特にビンテージがあるものは高級ワインの場合、必ず入っています。高いワインを注文してビンテージがなかったら、かなり心配な事態となります。
そして、コルクの長さも見てみましょう。長いコルクは、長期熟成させるワインのために長くなっているので、その間の金利も加わり価格の高いワインになります。コルクの長さは価格に反映するということです。普段飲んでいるワインより長いコルクをテーブルに置かれたら支払いの覚悟もしましょう。
さて、無言のプレッシャーの出番です。せっかく持ってきたコルクです。さわってみましょう。均一に湿り気があり弾力があるかをチェックします。ワインを横に寝かせてちゃんと保管してあるものは、均一に湿っているものです。立てて置いて暫く売れないワインはコルクが乾いてぽろぽろになっている可能性があります。その辺を無言でチェックするとかなりのプレッシャーを店側にかけることになります。
クンクンとコルクの臭いまでチェックするのは、やりすぎな気はします。もっと強気でチェックしたい時は、それも良いかもしれません。
今は、合成コルクも多く高級ワインには使われませんが、合成コルクがイコール悪いワインではありません。合成コルクでも美味しいものが多いものです。しかし合成コルクでは無言のプレッシャー作戦は使えません。まだまだ作戦があるので、合成コルクでもがっかりしないでください。次のブログを期待しましょう。

コメント
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