6年前に母が亡くなった時にお心遣いとして、千里山の友人の方達から頂いた黄色いシンビジウムが今年も咲きました。
頂いた時には豪華絢爛というほどに大きく広がっていた花勢も、基本的に観葉植物や花は好きであっても世話をすることがなかなか出来ない質なので、花好きの姪に頼んで株分けなどをして貰ったのですが、その後は年毎に葉や茎が傷んでいっているようです。いつも今年はもう咲かないのではないかと心配していると、少しですが花を付けてくれるという感じです。
匂いを嗅ぐと微かに良い薫りがしました。何かに似ているなと想い記憶をたどっていると、実家の果樹山に何本か植えられていた桃の、まだ熟し切っていない実の薫りだと想い出しました。田舎の方では白桃ではなく水密桃(すいみっとう)と呼んでいました。
お店で売られている白桃は多くは熟していますが、実際には桃は傷みやすいので少し固い内から収穫して、出荷して店頭に並ぶまでの間に熟していくというのが普通です。僕が子供の頃はまだ熟し切らない清冽な薫りのする水蜜桃が大好きでした。母と果樹山に行き収穫するのを手伝いながらも、どちらかと言うと食べる方を楽しみにしていたものです。そんな幼い僕を優しく見守ってくれていた母の姿が浮かびます。
これからも毎年花をつけ微かな水蜜桃の薫りと、懐かしい母の想い出を届けてくれることを願っています。
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