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植物生命体の反乱

2006-07-26 00:05:25 | 千里山トラスト
2006年○月×日辛うじて生き延びた人々はこの日を「植物の反乱に気付けなかった、人類滅亡の前ぶれ」として記憶するに違いない。それは無理のないことでもあった。というのも、多くの植物は生命体として大地に縛り付けられ、動物のように移動するという自由も持たず、生物の頂点に君臨する惑星の支配者にとっては、どこまでも従順で利用すべきものとしては認識しても、自らを脅かす存在としては想像すらできないものだったのだ。序章は千里山6丁目のこの一郭から秘かに始まっていた。
開発という名のもとに多くの生命体を絶滅の危機に陥らせ、今なお飽くなき異常な増殖を続けようとする人類を、これ以上許しておくべきではないという全惑星会議の結論が出たのだ。
確かに宇宙的な時間の概念の中では、植物の運動は極めて意志的なイメージとして捉えられてはいた。しかし植物の秘められた本来の運動能力を人類は見極めてはいなかったのだ。“文明の機器”や建造物そして人類の体内に一夜にして侵入し、全てを乗っ取ることは容易いことではないだろうが、植物生命体はそのゆっくりとした動きで慎重に準備を進め、舗装道路や床下など街のあらゆる地下伝いにそれぞれの根を張り巡らせて、今まさに人類に襲いかかろうとしていた‥‥‥。

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