続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

大きな家。

2014-08-05 06:39:32 | 日常
 わたしの住む地域の家の多くは元は農家だったらしい。緑成す田畑に風格ある城にも似た立派な家が点在していたけれど、多くは利便性を考慮し建て替えてしまったと聞いている。それでも古くからのたたずまいの家がまだ何軒か残っていて、思わず見とれてしまうことがある。(屋根は銅葺き三階建ての高さ)

 先日クリニックで隣り合わせた夫人も、そういう家の住人であるので聞いてみた。
「お掃除、大変ですね」
「いえ掃除なんかしませんよ、やりきれませんから。台所にしたって十畳もあるんですよ、冬は寒いんです。・・・わたしと娘はあの家とは離縁していたんですが、お祖父さんが亡くなって娘に譲られたものなんです。二階にはもう長いこと足を踏み入れていませんが、娘が猫を飼って猫部屋になっているらしいです。病気がちな娘を残して、わたしに、もしものことがあればと思うと眠れません。どなたかに後のことを相談したいんです。《Sさんに》と勧められているんですけど、わたしよりずっと年長ですからねぇ・・・」とこぼした。


 思いがけない愚痴に驚いてしまったけれど、、
「この辺りも高くなりましたねぇ、お寺の側に最近空き家になった家がありますけど(価格は)高いんでしょうねぇ」と、ため息をついたので、
「お宅はそんな心配しなくてもいいじゃありませんか」と言うと、
「そうですね・・」と、困ったように笑った。
 こじんまりした家に、(話の経由からして)近所との軋轢もなく静かに暮らしたいと切望しているようにも見えた。


「お互い、身体にだけは気をつけましょうね。」と言って別れたけれど、通るときには必ず見上げてしまう大きな家の意外な話に胸を衝かれてしまった。

『ポラーノの広場』414。

2014-08-05 06:32:32 | 宮沢賢治
すると重役会である重役がそれをあのまゝ醸造所にしようといふことを発議しました。


☆自由な訳(ある言語を言い換える)で解(わかる)。
 懲(あやまち)の厄(くるしみ)を浄(きれいにし)蔵(すべてのものを包み込む)。
 諸(もろもろ)の法(仏の教え)を発(明らかにする)議(はかりごと)である。

『城』1700。

2014-08-05 06:14:13 | カフカ覚書
彼女は、仕事を続けようとしてふたたび床にはいつくばったときに、やっとこうつけ足した。
「わたしたちの助手は、まるで子供みたいでね、もういい年をしているくせに、まだこの学校の椅子にすわらせていただきたいほどですわ。


☆彼女は禁錮の現場不在者にひざまづき言った。
「わたしたちの助手(脳、知覚/精神)はまるで子孫のようだわ、でも本当にそう思うわ、だって、ただこの罪過の不安を聞いているんですもの。