続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

幸福な家。

2014-08-23 06:28:55 | 日常
 Tさんを見ていると、つくづく幸福な家というものはこうなんだと納得させられる。

「まだ結婚前の話だけど、わたしが彼の会社の前を通るときいつも見ていたんですって、それでね・・・」馴れ初めである。

「彼の家はお父様もお兄様もみんなお医者様なの。それで彼だけが会社勤めだったのだけど、何でもよく知っていて、今でも科学や医学の論文を読むのが趣味なの。わたしの家は早くに親をなくしたけれど、兄は裁判官だったから、その家に預けられて女学校を出たわ」
「・・・」
(なんか肌が合わない・・・「妹は看護師だったわ」なんて言いそびれてしまった)

 ところが三年四年と月イチの会食を続けている内、彼女自身も頭脳明晰、好奇心旺盛、手仕事も完璧にクリアーし、ステキなバックや着衣を披露してくれるし、衣食住全般にわたっての得得情報も眼から鱗の驚き。
 運転免許も必要に迫られたとはいえ50歳を過ぎての取得だったらしい。
 病がちのご主人の食事には細心の配慮、お二人とも八十を超えて深い信頼で結ばれている。三人のお子さん方もそれぞれ社会に貢献できる仕事に就き、何不自由ない生活を満喫している。

「TVで宣伝している部分カツラ、デパートで買ったものを持っていたんだけど、ちょっと魅かれて電話したの。そうしたらすぐに女の方が見えて・・・『買ってください』とは一言も言わないのよ。でも逆に購入してしまったわ。五十万円以上だったけど・・・後日『夏用もあります』って電話があったわ」と笑った。
「でも夫は、『買いなさい、買いなさい』って言うの」
「・・・」
「わたしは何でもカードで買い物をするでしょ、夫の通帳から引き落とされるから、わたしの年金は手付かずで貯まる一方だけど夫は『僕が先に死ぬからお金はあなたのほうに移しましょう』って言うのよ」

 何から何まで・・・ここでは書き切れないほどのゆとりある思いやり・・・。
 
 恋愛から結婚、子育てから熟年老後に到るまでの穏やかで愛情溢れる日常・・・《幸福》という言葉が脳裏を掠める。
 幸福は、短くも美しく燃え尽きたりしないんだと羨望の念に駆られてしまう。

 最近のTさんは「縫い物は手に支障が出て、今はもう・・・だから、コーラスとストレッチに励んでいるわ」とどこまでも前向き、幸福のおすそ分け、ありがとう。

『ポラーノの広場』431。

2014-08-23 06:15:55 | 宮沢賢治
「わたくしは何べんも瞳を定めてその顔を見ました。それはファゼーロでした。
「あっ、どうしたんだきみはずうっと前から居たのかい。」わたくしはびっくりして云ひました。

 何べんはカと読んで、化。
 瞳はトウと読んで、等。
 定めてはテイと読んで、底。
 顔/Face→Faith/信仰。
 見ましたはゲンと読んで、源。
 前はゼンと読んで、然。
 居たのかいはキョと読んで、許。
 云ひましたはウンと読んで薀。


☆化(教え導く)等(平等)の底(物事の元になるもの)は、信仰の源である。
 然(そのとおり)を許(聞き入れること)が、薀(奥義)である。

『城』1718。

2014-08-23 06:04:15 | カフカ覚書
しかし、村長さんがわたしにこの職をあたえられたのは、わたしをここでわたしの妻や助手もろともに凍死させるためではなく、これはあなたもおっしゃったことですが、わたしがやけになって無思慮なことをしでかすのを防止するためだったんですよ。


☆しかし、彼がこの場所を与えたのであれば、わたしはここでわたしの家族もろとも凍死などでなくーこれはあなた自身が言ったのですが、わたしが永遠に絶望的な気分になり、無思慮なことをしでかすことを、阻止するためだったんです。