Ⅱ-4-1 Everest Hotel Ⅷ
この物は何だろう、立方体(角柱)の上に穴が規則的に空いている箇所を持つ円柱、さらに上には先の円い平面状のものが幾重にも林立している…全体見渡しても具体的な表象に合致する印象はない。
つまり何を小型化したのか見当がつかないが、タイトルに《Everest》とあり、《Hotel》と続く。エベレストってあのエベレストだと思うが、ホテルって・・・。
若林奮は自分を起点に存在を考えている。存在の広がりは地球全体に及び、その振動(波長がもたらす地球の伸縮)をもって全体を把握しようと試みている。その象徴がエベレスト山であり、大地の呼吸(振動)、それを支える大地(地球はホテル?)の生命をモニュメントにしたのではないか。
地球が内包する爆発的なエネルギー(振動)、秘めた蘇生(エネルギー)の象徴をエベレスト山に震撼として体感する。
作品は巨大な振動の果てであるエベレストを静謐な形に置換したものではないか。
(写真は神奈川県立近代美術館〔若林奮『飛葉と振動』展・図録より〕
ところがおれはあんまりステツキをふりすぎた
こんなににはかに木がなくなつて
眩ゆい芝生がいつぱいいつぱいひらけるのは
さうとも 銀杏並木なら
もう二哩もうしろになり
野の緑青の縞のなかで
あさの練兵をやつてゐる
うらうら湧きあがる昧爽のよろこび
氷ひばりも啼いている
☆黙っている幻(まぼろし)の試み
照(あまねく光が当たる=平等)を吟ずる教(神仏のおしえ)
蔽(おおわれた)寿(命)は普く理(物事の筋道、道理)也
録(文字に書き記す)照(あっ招く光が当たる=平等)の講(話)を連ねて併(並べる)
幽(死者の世界)は毎(そのたびに)総て表(現れる)と定めている
これに反して、待合所を建てる問題のほうだけは、どうやら近々に都合よく解決するらしい。これは、もちろん、お内儀には大きな痛手で、みんなからすこし笑いぐさにされている。
☆これに対し、先祖の待合所の問題は近く有利に解決するらしいが、女主人には先祖の傷ついた罰に対し復讐心がある。