続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『ハゲタカの公園』②

2018-03-16 07:02:00 | 美術ノート

 赤い地面、箱あるいは樹の背景である山々が、パノラマ状に広角に見えるということは、この二つの景には相当な距離があると考えられる。
 ずっと遠く、果てしないほどの遠隔、次元が異なるほどの差異ある場空間をあたかも至近にあるように描いている。

 ハゲタカの公園、箱の中の樹は根幹を失い、生育を拒否されている。つまり死ぬしかない処刑の場である。しかしここにはまだ時間という概念や箱(棺)の形がある。
 黒い連山は死の山であり、《虚無》の具象化である。そこへ至るまでの〈ハゲタカの公園〉には、赤黒い血が染みついている。
 背後(中間)のパイプ状のものは本当の死《虚無》に至るまでの関門ではないか。それらの拠点は不明であり、中空に浮上している(重力の否定)という選択も否定できない。

 ハゲタカの公園はマグリットの考えた《地獄絵図》の一端ではないか。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『真空溶媒』⑭

2018-03-16 06:43:27 | 宮沢賢治

   (さうですか
    今日なんかおつとめも大へんでせう)
   (ありがたう
    いま途中で行き倒れがありましてな)
   (どんなひとですか)
   (りつぱな紳士です)
   (はなのあかいひとでせう)
   (さうです)
   (犬はつかまつてゐましたか)
   (臨終にさういってゐましたがn
    犬hもう十五哩ももかうでせう
    じつにいゝ犬でした)
   (ではあのひとはもう死にましたか)
   (いゝえ露がおりればなほします
    まあちよつと黄いろな時間だけの仮死ですな
    ううひどい風だ まゐつちまふ)


☆経(常に)化(教え導くこと)は、題(テーマ)の図りごとであり、衷(心の中)の考えである。
 祷(神仏に祈る)の詞(言葉)を兼ねている。
 倫(人の行うべき道)を修(正すことの)研(道理を究める)
 等(平等)の語(言葉)の理(道理)を研(究める)
 死の路(すじみち)の考えである。
 弐(二つ)を換(入れ替え)、化(形、性質を変えて別のものになる)詞(言葉)を浮かべること。


『城』2904。

2018-03-16 06:30:26 | カフカ覚書

 そのとき、戸口があいて、灯りをもった従僕ふたりにはさまれてモームスがあらわれた。
「秘書のエルランガー氏が面会される最初の者は」と、モームスは言った。


☆一族の門があいたとき、ランプを持った従僕(死人)の間にモームスが現れた。大ぜいの秘書であるエルランガーが面会を許可されたのは、と彼は言った。