型掘りの作業に刃は欠かせない。
砥ぎを見れば、職人の腕のレベルは一目瞭然…まるっきりダメだったわたし。外注時代は何とか凌いだけれど、いまだに砥げない。
死ぬかと思うほど忙しかった毎日、納期に追われ、介護に追われ・・・。
『彼は語らない』
白いデスマスクには唇だけが赤く彩色されており、背後の彩色された顔は男女の確定が曖昧である。両者は円いカーブのある厚い板状のもので仕切られている。
白いマスクは、その板状のものに影を落としているが、正確に打たれた点描のある壁にはそれ(影)がないことから、同じ平面状(付着)しているものと思うが、丸いカーブのある板状のものは、点描の壁よりずっと手前にあるとも考えられる。
彩色のある顔は白いマスクや円い板状のものより背後にあることは確かだが、点描のある壁面と同次元にも見える。背後の板状の面や白(空白)の面は、彩色の顔の後ろとお前にあるとも考えられる。
つまり位置関係は微妙に動く仕掛けである。
点描(時間)は共通の領域を占めているが白いマスクより前に出ることはないのではないか。
カーブのある面にパイプが刺さっているが、この点を軸に回転はできない。このカーブのある面に影があるということは《光》があるということである。
はじめに神は天と地とを創造された(略)神は「光あれ」と言われた(『創世記』第一章より)
円形のものは地であり、背後の空白は天ではないか。
『彼は語らない』、語ることのない神の創造における構造の図解であるように思う。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
それと赤鼻紳士の金鎖
どうでもいゝ 実にいゝ空気だ
ほんたうに液体のやうな空気だ
☆釈(意味を解き明かす)、美しい真(まこと)の詞(言葉)は金(尊い)。
査(調べること)、昵(慣れ親しむこと)、空(根拠のない)記は易(取り替える)という他意がある。
空(根拠のない)記である。
そう話しかけられたので、Kが立ちどまろうとすると、「いやおはいりなさい、おはいりなさい。あのときはお返事が必要だったが、いまは要りませんから」
それにもかかわらず、モームスの言いぐさを腹にすえかねたKは「あんたたちは、自分のことばかり考えている。
☆そう話しかけられたので、Kはあちら(現世)でとどまろうとした。
「おはいりなさい!当時は返事が必要だったが、今は要りませんから」と、モームスは言った。
それにもかかわらずモームスの振る舞いに刺激されたKは「あなたたちは単にあなたたちのことを考えている、