続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『ハゲタカの公園』

2018-03-15 06:42:03 | 美術ノート

  『ハゲタカの公園』

 公園というのは仕切られた場を指すが、この不気味な場は果てしない拡がりを暗示している。
 黒い山肌は生物の生息を拒否し、黄緑色の空は非現実的である。黒い山と赤い地面の間には奇妙なパイプが立っている、接地面の不明な林立であるが、人工物の体である。

 手前に置かれた木箱の中には、葉の生い茂った樹がはめ込まれているが根もなく、成長も妨げられているという状況である、…これは、《死》生命の断絶である。

 この見たことのない光景は異世界(冥府)ではないか。箱の中の樹は(新しい死)であり、時間(等間隔の点描)を停止されたものである。

 ハゲタカの公園は無限に拡がりを持ち、生命の要素を奪いとる《場》である。換言すると、死の入口なのではないか。背後のパイプは死者の門かもしれない。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『真空溶媒』⑬

2018-03-15 06:25:24 | 宮沢賢治

  そらがせはしくひるがへる
  なんといふとげとげしたさびしさだ
   (どうなさいました 牧師さん)
  あんまりせいが高すぎるよ
   (ご病気ですか
    たいへんお顔いろがわるいやうです)
   (いやありがたう
    べうだんどうもありません
    あなたはどなたdすか)
   (わたくしは保安掛りです)
  いやに四かkな背嚢だ
  そのなかに苦味丁幾や硼酸や
  いろいろはひつてゐるんだな


☆僕(わたくし)の詞(言葉)で描く記である。
 信仰を補う案(考え)を解く詞(言葉)を配している。
 納める句(言葉)で魅きつけ、調(ととのえる)
 鬼(死者)は法(神仏の教え)の太陽である。