小4の時の遠足、観音崎の灯台にただ一人上れなかった極度の高所恐怖症。今も三脚は二段目以上はダメなわたし。
でもメンバーのおかげで何とか凸凹道も歩けて嬉しい!
油壷のジオツアー、すっごく楽しかった。こんな年寄りを引率してくださった柴田先生、ありがとうございました。
『桟敷席』
劇場を見ている少女。対向の窓、さらに上の桟敷席があるようである。
席というより部屋のような場所は、幾重にも重ねられた構造なのかもしれない。
頭部が二つある手前の女性はこちら(少女と逆)を見ている。この世のものでない双頭…手や足先は華奢というより消え入りそうなくらい存在感がない。
劇場は《現世》だろうか、現世に背を向けた女性は、髪を失っている。つまり女であることを断っている。
頭部が二つあることは何を意味しているのだろう、二心…迷い、現世への未練が少女という形で現世という劇場を凝視させているのかもしれない。
床面は波打っている。不安定ゆえに彼女は両手をソファのへりに押さえつけているのか。そして足は床面に着いているというより、どこか浮いているような気がする。
床面が海を思わせるのに対し、天井は直線で仕切られているので天井に見えるが、曇天の空のようでもある。
死者が冥界に逝くまでの現世が見える桟敷席、未練と拒絶。
彼女の着衣、コートは男物、中のドレスは淡いブルー、白の靴下・・・誤解されたが、清廉潔白を証明しているという感じがする、あるいは上着は愛情だろうか。
この絵の中にある苦渋と諦念、現世への心残り、複雑な思いでこの絵を見ている。
(写真は新国立美術館『マグリット』展・図録より
そのすきとほつたきれいななみは
そらのぜんたいにさへ
かなりの影きやうをあたへるのだ
すなはち雲がだんだんあをい虚空に融けて
たうとういまは
ころころまるめられたパラフヰンの団子になつて
ぽつかりぽつかりしづかにうかぶ
地平線はしきりにゆすれ
むかふを鼻のあかい灰いろの紳士が
うまぐらゐあるまつ白な犬をつれて
あるいてゐることはじつに明らかだ
☆永(いつまでも続くこと)運(めぐらせている)
個(一つ一つ)の句(言葉)は幽(死者の世界)の談(話)の思いであり、質(内容)は蔽(おおわれている)。
千(たくさん)備(あらかじめ用意し)改(しらべる)。
審(正しいかどうかを明らかにし)視(気を付けてよく見て)顕(明らかにする)冥(死後の世界)である。
ほかでもない、待合所を建てる問題のためにたびたび相談することが必要になって、縉紳館の廊下に人気の絶えるときがほとんどないしまつだからである。
☆まさに事件は(死の)待合所にあり、たびたび話し合いを必要とし、その動きが絶えることがない。