続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『天才の顔』③

2018-04-02 07:02:04 | 美術ノート

 頭部というより(顔)である。白い石膏像、切り取られた目と頬の部分…透けて見える背後、空洞は何を意味しているのだろう。

 もしあなたの右の目が罪を犯させるなら、それを抜き出して捨てなさい。五体の一部を失っても、全身を地獄に投げ入れられない方が、あなたにとって益である(『マタイによる福音書』より)

 黒々とした木々、しかし木の幹はポール(死後)であり、繁る枝葉(生)との合体・共存はあり得ない景である。
 それらが暗澹たる漂流を暗示する波動の上にかけられた橋(細長い板)に乗っており、橋に見える板状のものには、凹みが任意に刻まれている。

 この橋に見えるものは空中に浮遊しているのでないとすれば、どこでどのように支えられているのだろう。この光景を成すすべての物は自然ではなく、人工的に造ったものの世界である。
 要するに疑似ワールドであり、それを『天才の顔』と称する世界観だとすれば、『天才の顔』とは《虚偽》であるという静かなる観察ではないか。
 敬意・信奉というより、皮肉を込めた感想という気がする。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『真空溶媒』㉔

2018-04-02 06:50:50 | 宮沢賢治

  あらゆる変幻の色彩を示し
  ……もうおそい ほめるひまなどない
  虹彩はあはく変化はゆるやか
  いまは一むらの軽い湯気になり
  零下二千度の真空溶媒のなかに
  すつととられて消えてしまふ


☆片(二つに分けたものの一方が現れる私記である。
 済(救い)は遍(もれなく)化(教え導くこと)に逸(隠れている)。
 経(常)に等(平等)の記である。
 霊(死者の魂)の科(とが)は辞(言葉)で詮(明らかにし)、託す。
 要(かなめ)の媒(なかだち)は、照(あまねく光が当たる=平等)にある。


『城』214。

2018-04-02 06:43:49 | カフカ覚書

従僕は、手にさげていたカンテラを消した。ここには明るい電燈がともっていたからである。ここは、すべてが小造りだが、しゃれていた、場所は、利用できるかぎり利用してあった。


☆従僕(死人)は灯りを消した。ここは電気の照明で明るかった。
 すべてここでの氏族は厳かだった。