続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『一夜の博物館』②

2018-04-19 07:01:09 | 美術ノート

 箱と言ったが、内部は立体(箱状)に見えるが全体は平面である。疑似空間、本当は無いが、有るように見せている、つまり、いかにも現実(リアル)だけれども、実態はいかなるものかという疑問を打ち消せない。
 果実は期限切れ(死)であり、手は肉感的(生存)、石(岩/鉱物)は不変(限りなく永遠)である。要するに矛盾であり、不条理を暗示している。

 刻み込まれた平面(紙状)のものは、二度折り返したのちにハサミ(刻み)を入れている、つまり四方に等しく拡散していく図法であり、内部は隠されている。
 見ることを拒否している、実体の有無は決して覗いてはならない謎である。しかし、ここで重要なことは、その隠蔽は明らかに人為的な手法に因るものだということである。
 自然、宇宙的真理ではないということである。
 その光景を一括りにし、ほんの一夜の博物館として公開している。
 わたしたちが永遠と信じている信奉も、宇宙の時間の中では《一夜の博物館》として収められるほどのものに過ぎない。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『蠕虫舞手』⑦

2018-04-19 06:48:30 | 宮沢賢治

    (いゝえ あそこにおいでです おいでです
     ひいさま いらつしやいます
     エイト ガムマア イー シイツクス アルフア
     ことにもアラベスクの飾り文字
  ふん 水はおぼろで
  ひかりは惑ひ
  虫は エイト ガムマア イー スイツクス アルフア
     ことにもアラベスクの飾り文字かい
     ハツハツハ
   (はい まつたくそれにちがひません
     エイト ガムマア イー スイツクス アルフア
     ことにもアラベスクの飾り文字)


☆蝕(ふれて感じたこと)を問う辞(言葉)を推しはかり、注(書き記している)。
 蝕(ふれて感じること)を問う事。
 蝕(触れて感じたこと)を問う事である。


『城』2927。

2018-04-19 06:37:59 | カフカ覚書

こいつは、待つしか手がありませんな。目をさましたら、ベルを鳴らされるでしょう。もちろん、むらにいるあいだじゅう眠っておられて、目をさますなり城へお帰りにならなくてはならないようんことが、これまでにもありましたよ。


☆わたしたちは留まる必要がありました。目を覚ました時に鳴るでしょう。もちろん、すでに存在していれば、村(死の入口付近)にいるあいだじゅう、眠り続け、目を覚ませば再び城(本当の死)へと帰っていくのです。