続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

「林と思想」(『グランド電柱』より)

2018-07-02 07:23:04 | 宮沢賢治

     林と思想

  そら ね ごらん
  むかふに霧のぬれてゐる  
  蕈のかたちのちひさな林があるだらう
  あすこのとこへ
  わたしのかんがへが
  ずゐぶんはやく流れて行つて
  みんな
  溶け込んでゐるのだよ
    こゝいらはふきの花でいつぱいだ


☆倫(同類)の詞(ことば)は総て謀(はかりごと)である。
 腎(大切なところ)は倫(すじみち)を留める考えであり、要(かなめ)は個(一つ一つ)の化(形、性質を変えて別のものになる)である。  


🈞マグリット『新聞を読む男』

2018-07-02 06:46:46 | 美術ノート

   『新聞を読む男』

 男の視線は新聞にある。つまり世の中のこと、社会・経済に関心を注いでいるという光景である。
 四分割された画面は同じ空間(部屋)の景である。しかし男が登場しているのは四分の一、上方の一画面のみであり、不在である四分の三の空疎の領域に寂寥感が漂う。
 男がいる光景と男がいない光景は後者の印象が重く、男の不在が胸を衝く。存在すべき人の不在が色濃く反映されている。

 椅子は二つある。
 男の前にいるべき人が四画面とも不在であるのは、(母の死)を暗示しているのではないか。漠然と微かにではあるが、座ることのない椅子には不在の人の陰が漂う。
 壁に掛けてあるものは何だろう…(リボンのついた帽子と羽根飾り?のような)確定できないが、女性を感じるものである。
 その脇のフレームには何の絵(写真)が入っているのか。よく見えないが、おそらく家族写真のようなものではないかと思う。
 とすれば男は父である可能性がある。
 母亡きのちの不在がちな父の印象、結ばれるべき家族の絆の希薄。

 整理整頓、清潔、豊かな市民生活…欠けたところのない部屋。しかし流れる空漠、寂寥感。皮肉を交えた心象の部屋である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『小岩井農場』㊾

2018-07-02 06:36:07 | カフカ覚書

  みじかい素朴な電話ばしらが
  右にまがり左へ傾きひどく乱れて
  まがりかどには一本の青木
   (白樺だらう 楊ではない)


☆蘇(よみがえること)僕(わたくし)は伝えている。
 話は幽(死者の世界)の詐(作り事を言い)継(つないでいる)。
 覧(よく見ると)逸(隠れた)翻(形を変えてうつす/作り変える)がある。
 照(あまねく光が当たる=平等)を黙って吐く。
 化(形、性質をけて別のものになる)が要(かなめ)である。


『城』2976。

2018-07-02 06:28:22 | カフカ覚書

これに反して、きみと助手どもはどうなんだ!きみは、やつらに追いかけられていることを否定しなかったし、やつらに気持ちが惹かれると白状したこともある。


☆これに反して、きみと助手どもはどうなんだ。きみは迫害を否定しなかったし、彼らから脱したとも告白した。