りんと立て立て青い槍の葉
たれを刺さうの槍ぢやなし
ひかりの底でいちにち日がな
泥にならべるくさの列
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がちぎれてまた夜があけて
☆留まる律は、照(あまねく光が当たる=平等)である。
総ての要は詞(言葉)に双(二つ)の様(かたち)がある。
詞(言葉)の総てを綴(綴り合わせ)化(形、性質を変えて別のものになる)に泥(こだわり)裂(バラバラに離す)運(めぐりあわせ)である。
道というものは地上にあるが、この作品では地上が描かれていない。もちろん精神的な道であれば、その条件は外され自由である。
集合住宅の均一化された窓はカーテンがかけられ少しばかり室内が見えるが、並べて暗く閉鎖的である。他の家々も屋根と壁、小さな窓が見えるだけで人影はない。背後は高く茂った木立、その向こうには漆黒の闇が見えるだけである。
World War 1~2へ、ファシズムの横行・・・この時代背景の中での『恋人たちの散歩道』である。
自由を抑圧された人々、とりわけ若者(恋人たち)たちは踏むべき大地の激震に『道』を塞がれていたのではないか。
平和への渇望、あるがままの自然、自由に開かれた未来は、フレームに納まった単なる象徴としての絵空事に過ぎない。それを描く口惜しさ。
静かなる抗議・・・深い哀しみ・・・マグリットは語らずして語る。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
みんなさくらの幽霊だ
内面はしだれやなぎで
鴇いろの花をつけてゐる
(空でひとむらの海面白金がちぎれる)
☆誘(いざなう)両(二つ)の題(テーマ)は綿(細く長く続く)法(神仏の教え)である。
化(教え導くこと)の句(言葉)を解るように、綿(細く長く続けて)吐くことを混ぜている。
「そうね、彼が部屋にいますもの」と、彼女は言った。
「そうじゃないと考えていらっしたの。彼はわたしのベットに寝ています。戸外にいて風をひいたのです。寒気がして、ろくすっぽ食事もとりませんでしたわ。
☆「彼は下にいます」と、彼女は言った。
「ほかのことを期待していたの?彼はわたしのことを祈っています。外で予告を聞き、(恐怖で)震えていたのです。エッセイも見ませんでした。