続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1940。

2015-04-17 06:21:25 | カフカ覚書
クラムがほしいと言えば、わたしを彼に渡しておしまいになるでしょうし、彼がわたしのそばにいてやれと言えば、きっといてくださるでしょうし、又、彼がわたしを棄ててしまえと言えば、わたしを棄てておしまいになるでしょう。


☆クラム(氏族)が望めば、彼にわたし(平和)を与えるでしょうし、彼(氏族)がわたし(平和)のそばにいてやれと言えば、きっと平和は留まるでしょう。

ステキ!嬉しい!

2015-04-16 07:19:43 | 日常
 毎朝愉しみにしている「楽しいスケッチ」さんのブログ。

 今朝見たら、個展のお知らせがありました。もちろん絶対見に行きます。四日間、毎日行きたいくらい(変なおばさんになってしまいそう)。

 ちなみに場所は、ブラフ18番館ホールギャラリー(5月22日~25日)石川町駅南口下車徒歩5分

 ブラフ18番館で開催するなんてステキ!
 是非行きたいし、絶対行くつもり!

ちょっと憂鬱。

2015-04-16 06:50:43 | 今日の一枚。
 水彩画の小さなサークル(5人)に参加している。主宰は他のサークルも担っていて、一年に一度、合同展なるものを催す。
 最初からだけど、年々自分の不出来にがっかりの態。

 不器用ながらも、絵を描くことは(意義がある!)とわたしの中の誰かが囁く。解読というほどでないにしても、作品の意味を見出す愉しみ、マグリットや金山康喜を読み解く快感は、ブツブツ言いながら下手なデッサンを描いていることで見出せるのかもしれない。だから・・・と、メリットを無理やり見つけて納得している。


 下手でもいつか道は開ける。試行錯誤・・・続ければ楽しい未来はあるか、否。もう68才だもの、未だ68才と思うことにしよう。(気分はね、♪伊代はまだ 16だから~♪って感じ。笑いたい人は笑ってください)

 (胸を張れ)わたしの中の誰かが叱咤する。自分のしていることを卑下してはならないと。

『冬のスケッチ』85。

2015-04-16 06:37:34 | 宮沢賢治
三〇          *
     用なき朝のシグナルの
     青めがね白きそらをすかせり
            *
     栗駒山あえかの雪をたゝえたり
     あえかの雲を流したり
     天末は銀のいらだち 白びかり


☆要(かなめ)は懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)の償(つぐない)のあると吐く(言う)。
 律(きまり)は句(ことば)を散(ばらばらにして)接(つなぐ)運(めぐりあわせ)にある。
 縷(細く連なる糸)のように転(回り)、末(果て)は吟(声に出してうたい)吐く(言う)。

『城』1939。

2015-04-16 06:07:46 | カフカ覚書
クラムとの話し合いも、要するに現金取引のビジネスだと考えていらっしゃるようね。あなたは、あらゆる可能性を計算していらっしゃる。望みの価格が手に入るとなれば、どんなことでもするつもりなんでしょう。


☆クラム(氏族)との話し合いも、要するに、北極星(生死の転換点)の傍を回る仕事だと考えているのですね。あなたは死の可能性を見積もっている。加えて、もし目的を遂げられるならば覚悟した死を為すことができるでしょう。

*ハロー(太陽や月の暈)は死の入口。くま座(bar/barの類似語)は北極星の至近を回るもの。北極星は現世と来世の転換点。そして、言葉という観念のもたらした氏族(先祖)の悲劇を言語(小説)のなかで詰問している。

高齢者として・・・。

2015-04-15 06:34:17 | 日常
 急に年取ったわけではない。日数を数え、年月を踏み越え、そうしてやっと辿り着いた世間で高齢者と呼ぶエリアに突入したわたし達。

 サークルの面々、すでに三十年近くを共にした仲間であれば当然同じように高齢者の冠を被っている。

 だから、話題は・・・お墓、お葬式etc・・・準備、心構えの侃侃諤諤。

「死んでまで夫の親族の近くに葬られるなんてごめんだわ」
「夫はね『妻の実家のお墓に並ぶなんて』って、お墓は別のところへ買ったわ」

「もう、年をとって職も離れたら、家族葬がいいわね」
「家族葬でいいのよ、見栄張る必要なんてないわ」

「長生き・・・元気で長生きはいいけど、寝たきりは辛いわね」
「ほんとうに・・・もう子供を当てにする時代では無いし、『その時はどこにでも入れて』って言ってあるの」
「お金があればね。特老なんて百人待ちだって聞いたわ」
「年金で入れるところ、扱いが雑だともきいているし・・・」
「回転が速いそうよ」「・・・」


 幸福な死というものはあるのだろうか。
 先日、この辺りのお金持ちの老婦人が亡くなった。近年はホームに入所していたとの事。旦那さんが亡くなった時には億単位の税金を払ったと聞いているけど、どうだったのだろう。生前「子供たちがさ、遺産分けをテープでも何でもいいから吹き込んでくれって言っているけど」と頭を悩ましていた。あの世に持っていかれるわけでもない財産、無くても困るけど、有っても大変だなぁと、つくづく。

 そうして、結論。
 大事なのは、呆けないうちに身辺整理。ゴミ同然の廃棄物の処理を怠ってはいけない。(分かっている)でもなかなか・・・永遠の明日に延ばしてる、けれどXデイは確実にやって来る。

 ああ・・・ため息は深いけど、「とりあえず、元気でいましょうね」
 サークルの講師は88才、昨日もお元気に姿を見せてくれた。

 頑張りましょう、(その日まで)

『冬のスケッチ』84。

2015-04-15 06:20:10 | 宮沢賢治
        *
  白きそらにて 電燈いま消えたり
  されば腐食のぬかるみをふみて
  ひとびとははたらきいでしなり。
        *
  電車のはしらはすなほなり
  白きそらに行かんとするをふみとまり


☆魄(たましい)に澱む討(問いただすべき)償いは普く拭(汚れをぬぐいとる)ように伝えている。
 赦(罪や過ちを許す)を吐く(言う)講(はなし)である。

『城』1938。

2015-04-15 06:09:16 | カフカ覚書
しかし、わたしにかんするかぎりでは、どんなことがあってもあなたの所有物であるということーあなたはこの点はつゆほども疑っていらっしゃらないのね。


☆わたし(フリーダ=平和)にかんするかぎりでは、どんなことがあってもあなたの所有物であるということ、あなたはこの点は信じているのですね。

金山康喜《聖ヘレニウスの時計》《静物〔湯沸しのある静物〕》

2015-04-14 06:29:09 | 美術ノート
 金山康喜は常に(冷静と情熱の狭間)を生きていたのではないか、そんな気がする。

 一般にタブー視されている画面を真ん中から二つに裂くということを平然と・・・否、それと隠してオブジェなどで線を引く傾向がある。左と右の空間に微妙な差異。
 揺れている、明らかに動揺している。烈しく力づくで、答えを肯定へと導き出そうと暗闇の中でもがいている、闘っていると換言してもいいかもしれない。

《聖ヘレニウスの時計》では、開いた窓の左右は上下別々の眼差しで見ているが、それは、右側の若干傾いた線が画面を切り、二つの心理空間を構成していることの暗示とも受け取れる。
 ヒーターの上の湯沸しの持ち手が見えない。(この形の場合、持ち手は過熱を避けるために上にあるべきなのだけれど)つまり触れることの難しい不可能な湯沸しなのである。右の画面では沸騰の湯気が上がっているが左は静かである(蓋が多少持ち上がってもおかしくないが・・)
 歪な鉄製のパン、パンの柄の下に描かれているのは、コーヒーミルの取っ手かもしれない。とすると手前には見えない奥ゆきがあるのかもしれない。微妙な触れ具合である。細く伸びた空ビン小さな椅子と左右にまたがる大きな椅子、そして長針のない時計。

 この時計、十二時を指しているのだろうか・・・長針が欠けているのだとしたら、無意味な長物であり、時空の不安定な非現実、あるいは自分の時間ではない時間。自身を束縛、抑えている静止の画面である。

 一方右の画面では湯は沸騰し、置かれた椅子は左画面に背を向けた方向にある。反逆、背いた心理である。空ビンは微妙に傾き(揺れ)、小さな黒いビン(不安)はピタリと寄り添っている。そして画面の彩色は左画面に比して明るい。

 時計は壊れている、あるいは止まっている、動かない。このままそっと・・・ずっとこのままでいたいという願望。歪な鉄のパン(自分)と秘かに隠れているコーヒーミル(彼女)との関係は、秘密の上にも秘密でなければならない。
 この作品は、金山作品全体を理解しない限り答えを導き出せない謎のような意味を内包した心理の揺れを描いている。

《静物〔湯沸しのある静物〕》をみると、強い炎の上の湯沸しは蒸気を出し切り、琺瑯の湯沸しにひびが入っている。限界である。床(テーブル)の黒色と、室内に充満した沸騰の湯気の白色。そして燃えるガスの火と沸き切って空になった湯沸しの疲弊。

 不可逆という絶対的な摂理の中の苦悩、燃え上がる情熱と抑え込まざるをえない冷静・・・。金山康喜のニヒルな心情は仮面を被ったまま、作品の中でそれと解らぬ秘密を忍ばせたのだと思う。『解っては困る、絶対に!』画面の中のブルーは華やかさの中に哀愁を漂わせて、鑑賞者を惑わせる。『覗くなよ、絶対に!』そう、言っている。(写真は神奈川県立近代美術館カタログより)

 

『冬のスケッチ』83。

2015-04-14 06:23:40 | 宮沢賢治
        *
  兄弟の馬喰にして
  一人はこげ茶
  一人は朝のうぐひすいろにいでたてり
  ひげをひねりてかたりたり。


☆教(神仏のおしえ)の題(テーマ)には、場(空間/場面)に嘱(ゆだねる)という逸(かくれた)図りごとがある。
 詐(つくりごと)が溢れる図りごとの帖(ノート)がある。