続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈) 狂人に。

2020-12-26 06:22:29 | 飯島晴子

   狂人に青柿いくつ落つれば済む

 狂人(わたくし)は、どれだけ青柿(未熟な)失敗を繰り返せばいいのだろう。

 狂人はキョウ・ジンと読んで、胸、訊。
 青柿はショウ・シと読んで、章、私。
 いくつ(幾)はキと読んで、記。
 落つれば済むラク・サイと読んで、落、細。
☆胸(心の中)を訊(問いただす)章である。
 私の記は、落(もの悲しく)細(取るに足らない)。

 狂人はキョウ・ジンと読んで、教、腎。
 青柿はセイ・シと読んで、精、思。
 いくつ(幾)はキと読んで、祈。
 落つれば済むはラク・サイと読んで、絡、済。
☆教(神仏の教え)は腎(重要)である。
 精(心)の思いを祈る絡(すじみち)は、済(救い)である。


『飯島晴子』(私的解釈) 桜鯎。

2020-12-25 07:17:09 | 飯島晴子

   桜鯎旅の時間の余りけり

 旅の時間に余裕があったので桜鯎の郷土料理を頂いた、あるいは桜鯎の投網による捕獲を見物(?)・・・炭火焼きの桜鯎を食べたという想い出だと思う。

 桜鯎はオウ・ウグと読んで、王、迂愚。
 旅の時間はリョ・ジ・カンと読んで、慮、治、官。
 余りけりはヨと読んで、興。
☆王(君主)は迂愚(世事に疎く愚かである)。
 慮(あれこれ考え)、治(おさめる)官(役人)の輿(担いで運ぶ乗り物)である。

 桜鯎はオウ・ウグと読んで、翁、迂愚。
 旅の時間はリョ・ジ・カンと読んで、侶、事、甘。
 余りけりはヨと読んで、誉。
☆翁は迂愚(世事に疎く愚かである)。
 侶(メンバー)の事を甘(あまやかし)、誉(褒めたたえる)。


R.M『絶対の声』

2020-12-25 06:51:58 | 美術ノート

 絶対とは何か、他の制約を一切受けず、比べるものがないこと…。
 そして《声》。声は一時的に存在するが、形象はなく消滅するものである。 しかし『絶対の声』とタイトルして描かれた具象画はそのままの状態を保ち続ける。時間の刹那と永遠、見える、あるいは感じる現象に持続はないが記録は残存する。

『絶対の声』とは《思考・主張》であり、他にないわたくし自身の考えを指している。必ず、何としても《わたくし》であり、決して《わたくし以外のものではない》という声明である。
 Une rose danes Luniners(宇宙の中の一輪の薔薇)、絶対無比のわたしの、わたしの中の考え(思い)であると。
 誰の考えも寄せ付けないし、聞く耳も持たないわたしの世界、わたしの一途な愛(薔薇)そのものであるという頑ななまでに守りたい貫く愛の主張は、まさに宇宙の中の一輪の薔薇である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3564。

2020-12-25 06:38:08 | カフカ覚書

わたしにもこういう才能があったら、わたしの人生は、もっとちがった行路をたどっていることでしょう。フリーダがもう一日か二日ほど学校にいてくれたら、わたしは、もはやここを追いだされるようなことはなく、酒場娘の地位を決定的なものにし、すべてのお客さまから愛され、大事にされ、お金もたっぷりかせいで、この一時しのぎの貧相な身支度を豪華なものに変えていたことでしょう。


☆ペーピに彼女のような技量があったら、他に生きる道もあったでしょう。フリーダがもう一日か二日長くとどまっていたなら、わたしは追いだされることなく酒場(死の入口付近)などという作り話を決定的なものにし、すべての愛すべき人たちからも十分に受け入れられたでしょう。この一時しのぎの装備を完全なものにしたことでしょう。


『飯島晴子』(私的解釈)冬たんぽぽ。

2020-12-24 07:10:32 | 飯島晴子

   冬たんぽぽ細き柱の家の建つ

 冬たんぽぽ、寒いので地面に這うように葉を広げ、茎も短く弱弱しい印象である。そんな冬たんぽぽのような細い(頼りない)柱(主人)が家を建てました。

 冬たんぽぽ(冬蒲公英)はトウ・ホ・コウ・エイと読んで、套、保、講、営。
 細き柱はサイ・チュウと読んで、再、注。
 家の建つはカ・ケンと読んで、荷、兼。
☆套(おおって)保つ講(話)を営(こしらえている)。
 再び注(意味を明らかに書き記す)と、荷(身に引き受けた)兼(二つ以上のもの)がある。

 冬たんぽぽ(冬蒲公英)はトウ・ホ・コウ・エイと読んで、党、歩、交、詠。
 細き柱はサイ・チュウと読んで、際、衷。
 家の建つはカ・ケンと読んで、歌、研。
☆党(仲間)と歩み、交わって詠む際(とき)も、衷(心の中)の歌を研(磨いている)。


R.M『心臓への一撃』②

2020-12-24 06:51:15 | 美術ノート

 心臓への一撃とは、必ずしも殺意を指すものではなく、愛を射止める求心力、要するに震撼させるような衝撃(ショック)という精神的なものかも知れない。
 全身全霊を撃ち抜く、それは何か。

 絵の中にあるいくつかの矛盾(不条理)、水平線は左右で異なり、左は明確、右は不鮮明である。
 
『心臓への一撃』には精神的あるいは物理的の二面があるが、必ずしも両面は離れたものではなく、競合することもあり一撃は矛盾を孕む一瞬である。薔薇の木から短剣が生えるわけもなく、短剣が薔薇を生むわけでもないが、薔薇に象徴される愛と短剣が意味する殺意とは同時性をもって共存している。
 精神の深淵、心象風景である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3563。

2020-12-24 06:31:03 | カフカ覚書

つまり、縉紳館にもどるけっしんをしたのです。それは、ほんとうにまたとない好機だったのです。あのずるいフリーダがこういうチャンスをうまく見定めて、それを利用する手並みは、驚嘆せずにはおられません。この観察と決断の力こそ、だれも真似ることのできないフリーダの手腕です。


☆それは、実際ギリギリの時間でした。あのフリーダがこれを知り、利用したのには驚いてしまいました。この観察の力こそ、だれも真似の出来ないフリーダの技量なのです。


『飯島晴子』(私的解釈)火葬夫に。

2020-12-23 11:02:00 | 飯島晴子

   火葬夫に脱帽されて秋の骨

 秋の骨・・・『泉の底に一本の匙夏了る』の夏、父への激しい決別を考えると距離があり冷めている。けれど脱帽されたとき、これは厳粛な儀式であり、お骨には尊厳があると・・・。

 火葬夫にはカ・ソウ・フと読んで、和、葬、父。
 脱帽はダツ・ボウと読んで、奪、貌。
 秋の骨はシュウ・コツと読んで、終、骨。
☆和(争いを治めた)葬(葬儀)、父を奪った貌(顔形)も終いには骨になってしまった。

 火葬夫はカ・ソウ・フと読んで、果、総、二。
 脱帽はダツ・ボウと読んで、脱、謀。
 秋の骨はシュウ・コツと読んで、執、骨。
☆果(物事の進んだ後に生じるもの)の二つは普く脱(ある状態から抜け出し自由になる)。
 謀(図りごと)の執(こだわり)は骨(何事をも貫き通そうとする意志)である。


R.M『心臓への一撃』

2020-12-23 10:34:41 | 美術ノート

   『心臓への一撃』

 荒地(岩)に唐突に一本の薔薇の木があり、薔薇の花、そして短剣が枝から突き出している。背景は海、水平線があり、空は曇天である。
 光の当たり方が全体微妙に違和感があり、木の影ははっきりしているのに枝葉は並べて暗緑色である。薔薇は左、短剣は右、全体の影は左に落ちている。
 全体のバランスからすると、薔薇は巨大であり、短剣も大きすぎるように感じる。薔薇と短剣だけを並べると釣り合いが取れているが、枝から突き出た短剣にしては大きく重すぎる。しかし、なぜか納得してしまう薔薇と短剣の関係である。

『心臓への一撃』、鋭く尖った短剣があるので一撃という言葉を受け入れてしまうが、因果関係は皆無である。薔薇の花咲く薔薇の木が短剣を持って攻撃に至るというのだろうか。

 言葉と物・・・この関係が引き起こすイメージが、周りの空気感まで巻き込んで、メッセージを発する。何も起きていない、ただ不条理な関係がタイトル(言葉)を誘引するのである。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3562。

2020-12-23 10:28:24 | カフカ覚書

.ほとんどあなたも、フリーダの三人目の助手であるかのようでした。そこで、フリーダは、ついに自分の観察にもとづいて大きな手を打つ決心をしたのです。


☆ほとんどあなたもフリーダの三人目の助手であるかのようでした。そこでフリーダは、とうとう自身への観察を理由にして大きな決断をしたのです。つまり、転じて戻ることにしたのです。