足裏の痛みを訴える人は多いものですが、場所によって原因となっている臓
腑が違いますので、きょうは、その話をしてみたいと思います。
まず、上図をご覧ください。
ここに書かれているのは、痛みやタコなどのできる場所と臓腑の関係を示し
てあるのですが、東洋医学を勉強したことのない人には、わかりにくいと思
いますので、文字の説明からしてみたいと思います。
東洋医学は、自然哲学が基礎となっていますので、人間の体も自然界の物質
になぞらえて臓腑が配置されています。
例えば、「木」というのはも自然界に生育する樹木のことですし、「火」と
いうのは燃える火のことで、「土」とは地面の土のこと、「金」とは金属の
こと、「水」とは雨や川や海にある水のことです。
そこに「地」とかいてありますのは、一般的な東洋医学では、「相火」とい
うものですが、上図は持論の「人体惑星試論」で配置してあり、「相火」を
「地面の表面」という意味で、「地」としてあります。
すなわち、
木=肝臓・胆嚢の関係
火=心臓・小腸の関係
土=脾臓・胃の関係(膵臓も含む)
金=肺臓・大腸の関係
水=腎臓・膀胱の関係
地=心包・三焦の関係
となるのですが、心包・三焦の意味は、
心包=心臓を包む臓器(心臓を護衛する臓器だが解剖しても無い)
三焦=上焦、中焦、下焦の三つを合わせた総称で、説は二つあるのですが、
主に使われるのが、上焦=口から胃の入り口まで、中焦=胃の入り口から出
口まで、下焦=胃の出口から肛門まで、という説のようです。
しかし、それでも「抽象臓器」というのは、解剖学から勉強を始めた我々に
は想像しにくいものですし、臨床をしているうちにわかったことが、心包も
三焦も筋肉の関係でしたので、私は、
心包=心筋
三焦=消化器系の筋肉
という表現をしています。
ですから、上図で「木」と書かれている時は、肝臓と胆嚢の関係で、火と書
かれている時は、心臓と小腸の関係と考えてください。
そして、肝と書かれている時は、肝臓だけの関係、脾と書かれている時は、
脾臓膵臓の関係と考えてください。
足の形やタコやひび割れなどを見て、内臓の異変を探るのを「観趾」(かん
し)と言いますが、観趾をする時に目立つのは、足額部と言われる「足の付
け根」で、そこにはタコや痛みが多く出るものです。
まず、親指(太趾と言います)の側からいきますと、「土」があり、そこに
は、脾臓膵臓や胃の異変が現れるわけで、激しいスポーツなどをしている人
にも多くみかけます。
それは、脾臓膵臓というのは、よっぽどでないと疲労(代謝障害)は出ない
のですが、激しいスポーツなどをしていると、ホルモンの分泌もさかんにな
るので、脾臓膵臓も疲れるものと考えられます。
しかし、激しいスポーツをしていなくても、ここにタコのできる人がいます。
その時は、脾臓膵臓・胃を傷める食生活が原因になっています。
例えば、マクロビィオティックで云う「陰性食品」の過剰です。
次に「木」が配置されていますが、これは肝臓・胆嚢の関係で、これも激し
いスポーツをする人や、ハイヒールを好む女性に多く見られます。
激しいスポーツは、激しい筋肉運動ですので、筋肉を支えているのは、肝臓
だからです。
ハイヒールが原因となる場合は、その部への連続刺激による皮膚の変性です。
次の「火」というのは、心臓や小腸の異常によるもので、この部にタコや痛
みを訴える人が、一番多いように思われます。
すなわち、心臓・小腸は、異常が発生しやすいと云うこともできるのですが、
心臓は、我々が生きている間、ずっと働き続けているのに、どうして異常が
発生するのでしょう。(答は下に書いてあります)
心臓に異常が発生したら、足裏に反応点としての痛みを作ってくれることで、
我々は歩くのを、運動を控えるようになりますのでありがたいのですが、その
箇所の近くに心臓の治療点もあるのはおもしろいところです。
そこには、激しい水下痢に効く「裏内庭」というのがあり、激しい水下痢の
時には、そこにお灸をすえても熱く感じませんので、熱くなるまでお灸をす
え続けると、下痢が止まります。(水下痢は心臓・小腸の不調)
また、その少し上の、趾と足本体の接点である横紋に、「第二生泉水穴」と
いうのがありますが、動悸が激しい時や、息切れのする時などは、そこへお
灸を、「アチッ!」というのを三壮ほどすえると治まってきます。
次の「地」というのは、心包・三焦の異常の現れるところで、心包、すなわ
ち心臓の筋肉である心筋に、或いは消化器系全般の筋肉に異常が発生したら、
そこに反応が現れます。
多くの場合は、「火」の部位に異常が出てから、この部に異常が現れるので
すが、時々、この「地」から反応の現れている人がいます。
すなわち、心臓の機能よりも先に、心筋や消化器系の筋肉に異常が出てくる
わけです。
何故でしょう。
それは、筋肉組織に害を与える砂糖を多く摂ったからです。(笑)
筋肉組織は、砂糖の量が多くなると、筋肉に溜めてあるビタミンB群を提供
しなければならず、筋肉自身の代謝ができなくなり、異常が発生してくるわ
けです。
次の「金」というのは、肺臓や大腸の異常と観るのですが、経絡学説では、
この第四趾に胆経が流れてきていますので、胆嚢の異常でも、ここに異変が
現れてきます。
次の「水」というのは、腎臓や膀胱、あるいは婦人科の異変の時に異常が現
れる部位で、ここにタコのできている人も多いものです。
すなわち、腎臓・膀胱・婦人科に異変の出ている人が多いということですが、
現代の食生活では、腎臓や膀胱や婦人科に異常が出ても「仕方がない」と考
えてしまいます。
理由は、穀物が少なく、腎臓に負担のかかりやすい副食が多いからです。
さて、治し方ですが、きょうは「火」「地」「金」について説明します。
「火」「地」「金」に共通する点と言えば、
火=心臓・小腸
地=心包・三焦(消化器系)
金=肺臓・大腸
ですので、三つとも臓器は胸腔内にあり、三つとも消化器系の関係であるこ
とがわかりますので、その三つを結びつけるのは何かと言いますと、東洋医
学の邪気(自然界の環境が人間に与える悪影響)という考えで、「夏の暑さ
が心臓に悪影響を与えている」と考えてもいいのですが、それでは引っ越し
でもしないと、解決策がなくなってしまいます。
では、その次に考えられる原因は何かと言いますと、病気は陽経(胃・腸・
胆嚢・膀胱等)から侵入してくるのが一般的ですので、まず「消化器系に負
担をかけるのは何か」と考えます。
この暑い季節だと、アイスクリームや冷たい飲料水が最初に頭に浮かぶので
すが、冷麺や冷や麦や冷やしソーメンも含めて考えたほうがいいと思います。
これらを食べ過ぎていると、お腹が冷えてきますし、「暑いから食欲がない」
と言って、主食を食べないことも原因になります。
(暑い季節は、熱い飲食物が環境とのバランスをとり、体を守ってくれます)
ですから、根本的な原因は毎日の食生活にあると考えたほうがいいのです。
ここで終わると、非難されるのは目に見えていますので(笑)、少し小手先
のテクニックを説明します。
痛いのは足でも、原因が胸腔内や腹腔内にあるのですから、胸腔内や腹腔内
の臓器を整える治療をすれば治るはずですので、お腹を温めてもいいのです
が、暑い季節には、お腹を温めるには時間がかかりますので、即効的に治す
方法を説明しておきます。
即効的に治す方法としては、五臓の臓を狙うのがいいので、心臓・心包・肺
臓を整えることを考えるのですが、一箇所のツボでそれらを整えようとする
時は、「だんちゅう」というツボが役立ちますので、そこにお灸をします。
足裏の「火」「地」「金」に痛みやタコのある方でしたら、その部位を押す
と痛みがあるはずです。
押し方は、正中線に沿って趾を当て、当てた指を上下に動かします。
足裏に異変かある人で、「押しても痛くない」という人は、他人に厳しく、
自分に優しい人かもしれませんので、もう一度「強く」押してみてください。
お灸の嫌いな人は、タバコかお線香の火を近づけて、
熱くなったら離して、指で押さえて冷やし、
再び火を近づけて、熱くなったら離して、指で押さえて冷やす。
ということを繰り返してください。
「だんちゅう」を押して痛みがなくなった時は、足裏の痛みも和らいでいる
はずです。
しかし、これで完全に治ったわけではありません。
お腹を冷やす飲食物や、砂糖を多く含んだ飲食物は避けるようにしてください。
そうすれば、痛みは出なくなります。
腑が違いますので、きょうは、その話をしてみたいと思います。
まず、上図をご覧ください。
ここに書かれているのは、痛みやタコなどのできる場所と臓腑の関係を示し
てあるのですが、東洋医学を勉強したことのない人には、わかりにくいと思
いますので、文字の説明からしてみたいと思います。
東洋医学は、自然哲学が基礎となっていますので、人間の体も自然界の物質
になぞらえて臓腑が配置されています。
例えば、「木」というのはも自然界に生育する樹木のことですし、「火」と
いうのは燃える火のことで、「土」とは地面の土のこと、「金」とは金属の
こと、「水」とは雨や川や海にある水のことです。
そこに「地」とかいてありますのは、一般的な東洋医学では、「相火」とい
うものですが、上図は持論の「人体惑星試論」で配置してあり、「相火」を
「地面の表面」という意味で、「地」としてあります。
すなわち、
木=肝臓・胆嚢の関係
火=心臓・小腸の関係
土=脾臓・胃の関係(膵臓も含む)
金=肺臓・大腸の関係
水=腎臓・膀胱の関係
地=心包・三焦の関係
となるのですが、心包・三焦の意味は、
心包=心臓を包む臓器(心臓を護衛する臓器だが解剖しても無い)
三焦=上焦、中焦、下焦の三つを合わせた総称で、説は二つあるのですが、
主に使われるのが、上焦=口から胃の入り口まで、中焦=胃の入り口から出
口まで、下焦=胃の出口から肛門まで、という説のようです。
しかし、それでも「抽象臓器」というのは、解剖学から勉強を始めた我々に
は想像しにくいものですし、臨床をしているうちにわかったことが、心包も
三焦も筋肉の関係でしたので、私は、
心包=心筋
三焦=消化器系の筋肉
という表現をしています。
ですから、上図で「木」と書かれている時は、肝臓と胆嚢の関係で、火と書
かれている時は、心臓と小腸の関係と考えてください。
そして、肝と書かれている時は、肝臓だけの関係、脾と書かれている時は、
脾臓膵臓の関係と考えてください。
足の形やタコやひび割れなどを見て、内臓の異変を探るのを「観趾」(かん
し)と言いますが、観趾をする時に目立つのは、足額部と言われる「足の付
け根」で、そこにはタコや痛みが多く出るものです。
まず、親指(太趾と言います)の側からいきますと、「土」があり、そこに
は、脾臓膵臓や胃の異変が現れるわけで、激しいスポーツなどをしている人
にも多くみかけます。
それは、脾臓膵臓というのは、よっぽどでないと疲労(代謝障害)は出ない
のですが、激しいスポーツなどをしていると、ホルモンの分泌もさかんにな
るので、脾臓膵臓も疲れるものと考えられます。
しかし、激しいスポーツをしていなくても、ここにタコのできる人がいます。
その時は、脾臓膵臓・胃を傷める食生活が原因になっています。
例えば、マクロビィオティックで云う「陰性食品」の過剰です。
次に「木」が配置されていますが、これは肝臓・胆嚢の関係で、これも激し
いスポーツをする人や、ハイヒールを好む女性に多く見られます。
激しいスポーツは、激しい筋肉運動ですので、筋肉を支えているのは、肝臓
だからです。
ハイヒールが原因となる場合は、その部への連続刺激による皮膚の変性です。
次の「火」というのは、心臓や小腸の異常によるもので、この部にタコや痛
みを訴える人が、一番多いように思われます。
すなわち、心臓・小腸は、異常が発生しやすいと云うこともできるのですが、
心臓は、我々が生きている間、ずっと働き続けているのに、どうして異常が
発生するのでしょう。(答は下に書いてあります)
心臓に異常が発生したら、足裏に反応点としての痛みを作ってくれることで、
我々は歩くのを、運動を控えるようになりますのでありがたいのですが、その
箇所の近くに心臓の治療点もあるのはおもしろいところです。
そこには、激しい水下痢に効く「裏内庭」というのがあり、激しい水下痢の
時には、そこにお灸をすえても熱く感じませんので、熱くなるまでお灸をす
え続けると、下痢が止まります。(水下痢は心臓・小腸の不調)
また、その少し上の、趾と足本体の接点である横紋に、「第二生泉水穴」と
いうのがありますが、動悸が激しい時や、息切れのする時などは、そこへお
灸を、「アチッ!」というのを三壮ほどすえると治まってきます。
次の「地」というのは、心包・三焦の異常の現れるところで、心包、すなわ
ち心臓の筋肉である心筋に、或いは消化器系全般の筋肉に異常が発生したら、
そこに反応が現れます。
多くの場合は、「火」の部位に異常が出てから、この部に異常が現れるので
すが、時々、この「地」から反応の現れている人がいます。
すなわち、心臓の機能よりも先に、心筋や消化器系の筋肉に異常が出てくる
わけです。
何故でしょう。
それは、筋肉組織に害を与える砂糖を多く摂ったからです。(笑)
筋肉組織は、砂糖の量が多くなると、筋肉に溜めてあるビタミンB群を提供
しなければならず、筋肉自身の代謝ができなくなり、異常が発生してくるわ
けです。
次の「金」というのは、肺臓や大腸の異常と観るのですが、経絡学説では、
この第四趾に胆経が流れてきていますので、胆嚢の異常でも、ここに異変が
現れてきます。
次の「水」というのは、腎臓や膀胱、あるいは婦人科の異変の時に異常が現
れる部位で、ここにタコのできている人も多いものです。
すなわち、腎臓・膀胱・婦人科に異変の出ている人が多いということですが、
現代の食生活では、腎臓や膀胱や婦人科に異常が出ても「仕方がない」と考
えてしまいます。
理由は、穀物が少なく、腎臓に負担のかかりやすい副食が多いからです。
さて、治し方ですが、きょうは「火」「地」「金」について説明します。
「火」「地」「金」に共通する点と言えば、
火=心臓・小腸
地=心包・三焦(消化器系)
金=肺臓・大腸
ですので、三つとも臓器は胸腔内にあり、三つとも消化器系の関係であるこ
とがわかりますので、その三つを結びつけるのは何かと言いますと、東洋医
学の邪気(自然界の環境が人間に与える悪影響)という考えで、「夏の暑さ
が心臓に悪影響を与えている」と考えてもいいのですが、それでは引っ越し
でもしないと、解決策がなくなってしまいます。
では、その次に考えられる原因は何かと言いますと、病気は陽経(胃・腸・
胆嚢・膀胱等)から侵入してくるのが一般的ですので、まず「消化器系に負
担をかけるのは何か」と考えます。
この暑い季節だと、アイスクリームや冷たい飲料水が最初に頭に浮かぶので
すが、冷麺や冷や麦や冷やしソーメンも含めて考えたほうがいいと思います。
これらを食べ過ぎていると、お腹が冷えてきますし、「暑いから食欲がない」
と言って、主食を食べないことも原因になります。
(暑い季節は、熱い飲食物が環境とのバランスをとり、体を守ってくれます)
ですから、根本的な原因は毎日の食生活にあると考えたほうがいいのです。
ここで終わると、非難されるのは目に見えていますので(笑)、少し小手先
のテクニックを説明します。
痛いのは足でも、原因が胸腔内や腹腔内にあるのですから、胸腔内や腹腔内
の臓器を整える治療をすれば治るはずですので、お腹を温めてもいいのです
が、暑い季節には、お腹を温めるには時間がかかりますので、即効的に治す
方法を説明しておきます。
即効的に治す方法としては、五臓の臓を狙うのがいいので、心臓・心包・肺
臓を整えることを考えるのですが、一箇所のツボでそれらを整えようとする
時は、「だんちゅう」というツボが役立ちますので、そこにお灸をします。
足裏の「火」「地」「金」に痛みやタコのある方でしたら、その部位を押す
と痛みがあるはずです。
押し方は、正中線に沿って趾を当て、当てた指を上下に動かします。
足裏に異変かある人で、「押しても痛くない」という人は、他人に厳しく、
自分に優しい人かもしれませんので、もう一度「強く」押してみてください。
お灸の嫌いな人は、タバコかお線香の火を近づけて、
熱くなったら離して、指で押さえて冷やし、
再び火を近づけて、熱くなったら離して、指で押さえて冷やす。
ということを繰り返してください。
「だんちゅう」を押して痛みがなくなった時は、足裏の痛みも和らいでいる
はずです。
しかし、これで完全に治ったわけではありません。
お腹を冷やす飲食物や、砂糖を多く含んだ飲食物は避けるようにしてください。
そうすれば、痛みは出なくなります。