甲陽学院同窓会が8月27日、兵庫県西宮市にある
甲子園球場に近い甲子園ノボテルホテルで開かれ、
京都大学防災研究所、河田恵昭所長から、
「スマトラ沖地震と新潟県中越地震の教訓」を聞いた。
以下印象に残ったポイントを紹介する。
ご参考にしていただければ誠にありがたい。
同氏は年80回以上も日本政府の災害問関係の
会議打ち合わせで上京するが、その都度、駅弁を
買っているとの言葉が印象に残った。
自宅では懐中電灯を枕元にぶら下げており、ペットボトルには
水を常備しているという。スニーカーを手持ちしておくといいだろう。
新潟地震で死者が比較的少なく、阪神地区で死者ガ多かったのは
実質3畳とか4.5畳とかの狭い住居空間で家具の下敷きに
なったからだ。新潟では広い家、豪雪に備えた頑丈な家の
造りが命を救った。
やわい家では地震のまえに雪で家がつぶれる。阪神淡路大震災を
自ら体験して都市型で地震の備えのない家屋で多くの犠牲者が出た現場を
目のあたりにした。
「水は昔を覚えている」という言葉がある。
東京で子供を下宿させる場合でも、安くて便利ということだけで
選べば後悔する。最低限度、海抜ゼロメートル地域は避ける方が
いいとアドバイスしていた。
昔、海だったり、昔、川や湖だったところは危険性が高い。
東京の中心部は昔、海だった場所が多い。
日本列島には8,000個所も活断層が走っており、
21世紀初頭は丁度、サイクルとして地震発生の活動期に
あたり、地震がいつおこっても不思議でない状態にあると
言うことをまず認識することがもの事のスタートであると
話された。
こういう話をしてもほとんどの人は、へらへら笑って、自分には
関わりないことだと思い込んでいる。この思い込みをまず
取り除く必要がある。
阪神淡路大震災でも新潟中越地震でも、まさか自分の住んでいる
ところで地震が来るとは思っても見なかったと話していた。福岡沖の
地震でもそうだった。
神戸の人間でも、10年前、あれだけの地震があったから神戸には
自分の生きている間には地震はないと、勝手に思いこんでいるが
とんでもない。ノーテンキもほどがある。六甲山系は有数の活断層が
走っている。いつまた地震がおこっても不思議でない。
大阪でも高槻断層線が走っている。大阪市内の夕陽丘は断層線の切れ目にある。
南紀で地震が起これば海岸線をJRが走っているが津波で一たまりなく
飲み込まれてしまう。
スマトラ沖地震では列車が津波にのみこまれ多くの死者行方不明者を
出した。
災害には地震以外に風水害がある。阪神地区を東西に
走っている国道2号線の南一帯は江戸時代海だった。
「水は昔を覚えている」から、東海、東南海、南海地震が
発生すれば街全体が水没する可能性が高い。
同氏はスマトラ沖津波では日本政府調査団長として
米国、欧州など手分けして調査した。被害の実態は
衛星であらかじめつかんでいるという。現地では事前調査を
あくまでチエックすることが目的であった。
インドネシアだけで死者12万6千、行方不明3万7千、
地域全体の死者は24万を超えた。
各国政府は援助目当てに死者行方不明者を過大に
発表するが、対策はいまもって取られていない。インドネシアの
アチエ地区は現政権のライバルであり政府が助けるはずがない。
住民は悲惨な生活をいまも続けている。
JTBや日本の旅行代理店は、タイの避暑地やバリ島の
観光宣伝をさかんにやっているが、正直、避けたほうがいい。
自分の命は自分で守ることが大事である。
聖徳太子は、17ケ条憲法の第7条のなかで
「人おのおの任(よさし)あり掌ること宣しければ
濫ざるべし」と記しているとおりである。
いまベニスに着けばまず観光客全員に長靴が配られる。
日本人はぎょっとするらしい。最近ベニスは工業用水のくみ上げが
激しく、地盤沈下が一段と進んでいるからだ。
このような話は現地では日常であるが、日本では一切
報道されていない。
最近は台風が日本列島の近くで突然発生するようになった。
だから四国では一滴も雨がふらないが関東地区には大雨を
降らせた。
現在地球は炭酸ガスのベールでひろく厚く覆われているから
異常気象となっており台風の予測も難しくなっている。経済が引き起こした
結果だからここがあらたまない限り災害は今後益々起きるであろう。
予測がむつかしいのは台風も地震も同じである。
1944年に濃尾地震が発生したが、地震発生の3日前に
陸軍が地震情報であるプレスリップという地盤沈下現象を
観測していた。しかし地震を防げなかった。
ところが、現在、東海地震観測では、そのプレスリップ現象の
大部分が海底で発生しているため地震予知を非常にむつかしく
させている。
地震で一番怖いのは停電である。
家族と突然連絡がとれなくなる。とくに遠距離通学の学童は
携帯電話が使えなくなる事態を経験したことがない。
停電の怖さを日頃からこどもにもたたき込んでおく必要がある。
身近なことでは、一家の主の居所はいつでもわかるようにしておく
必要がある。日頃から考えていてもとっさの行動はとれないから
ひごろから備えがなくて瞬時に対応出きるはずがない。
先日の宮城沖地震で東北電力1,500万KWHの内
200万止まっている。止まっているというより止めている。
点検に手間取っているからだ。
東海、東南海、南海地震が同時発生する可能性が
高まっているが、中部電力、関西電力が操業に支障が出ると
当然、大規模停電が発生しライフラインは寸断され大混乱に
陥るだろう。
GDP世界第2の日本で大規模地震が発生すれば
ニュースは瞬時に報道され、現在時価総額400兆円の
日本株は投売りされるだろう。
日本経済の現在の台所は、1,200兆円の個人資産で
維持されているが、中身といえば、780兆円は国債などの
借金である。個人の手許は実質400兆円に過ぎない。
1707年(宝永4年)富士山が噴火して宝永山が生まれた。
俗にいう『石の座布団』が割れたからだ。今日本列島は「押されている」
プレートと「押している」プレートのはざ間にあり300年前の
状態に近い。
本震30秒で生き残っても、余震30秒で家は倒壊する。
さらに地震で怖いのは津波である。奥尻では31メートルを記録した。
最低限度20メートルの津波は想定しておく必要がある。
自分に限って地震に遭わないという思い込みを
なくすことが一番だろうと河田所長は話を結ばれた。
阪神淡路大震災の被災者の一人としても改めて
震撼とする思いに駆られた次第である。(了)
甲子園球場に近い甲子園ノボテルホテルで開かれ、
京都大学防災研究所、河田恵昭所長から、
「スマトラ沖地震と新潟県中越地震の教訓」を聞いた。
以下印象に残ったポイントを紹介する。
ご参考にしていただければ誠にありがたい。
同氏は年80回以上も日本政府の災害問関係の
会議打ち合わせで上京するが、その都度、駅弁を
買っているとの言葉が印象に残った。
自宅では懐中電灯を枕元にぶら下げており、ペットボトルには
水を常備しているという。スニーカーを手持ちしておくといいだろう。
新潟地震で死者が比較的少なく、阪神地区で死者ガ多かったのは
実質3畳とか4.5畳とかの狭い住居空間で家具の下敷きに
なったからだ。新潟では広い家、豪雪に備えた頑丈な家の
造りが命を救った。
やわい家では地震のまえに雪で家がつぶれる。阪神淡路大震災を
自ら体験して都市型で地震の備えのない家屋で多くの犠牲者が出た現場を
目のあたりにした。
「水は昔を覚えている」という言葉がある。
東京で子供を下宿させる場合でも、安くて便利ということだけで
選べば後悔する。最低限度、海抜ゼロメートル地域は避ける方が
いいとアドバイスしていた。
昔、海だったり、昔、川や湖だったところは危険性が高い。
東京の中心部は昔、海だった場所が多い。
日本列島には8,000個所も活断層が走っており、
21世紀初頭は丁度、サイクルとして地震発生の活動期に
あたり、地震がいつおこっても不思議でない状態にあると
言うことをまず認識することがもの事のスタートであると
話された。
こういう話をしてもほとんどの人は、へらへら笑って、自分には
関わりないことだと思い込んでいる。この思い込みをまず
取り除く必要がある。
阪神淡路大震災でも新潟中越地震でも、まさか自分の住んでいる
ところで地震が来るとは思っても見なかったと話していた。福岡沖の
地震でもそうだった。
神戸の人間でも、10年前、あれだけの地震があったから神戸には
自分の生きている間には地震はないと、勝手に思いこんでいるが
とんでもない。ノーテンキもほどがある。六甲山系は有数の活断層が
走っている。いつまた地震がおこっても不思議でない。
大阪でも高槻断層線が走っている。大阪市内の夕陽丘は断層線の切れ目にある。
南紀で地震が起これば海岸線をJRが走っているが津波で一たまりなく
飲み込まれてしまう。
スマトラ沖地震では列車が津波にのみこまれ多くの死者行方不明者を
出した。
災害には地震以外に風水害がある。阪神地区を東西に
走っている国道2号線の南一帯は江戸時代海だった。
「水は昔を覚えている」から、東海、東南海、南海地震が
発生すれば街全体が水没する可能性が高い。
同氏はスマトラ沖津波では日本政府調査団長として
米国、欧州など手分けして調査した。被害の実態は
衛星であらかじめつかんでいるという。現地では事前調査を
あくまでチエックすることが目的であった。
インドネシアだけで死者12万6千、行方不明3万7千、
地域全体の死者は24万を超えた。
各国政府は援助目当てに死者行方不明者を過大に
発表するが、対策はいまもって取られていない。インドネシアの
アチエ地区は現政権のライバルであり政府が助けるはずがない。
住民は悲惨な生活をいまも続けている。
JTBや日本の旅行代理店は、タイの避暑地やバリ島の
観光宣伝をさかんにやっているが、正直、避けたほうがいい。
自分の命は自分で守ることが大事である。
聖徳太子は、17ケ条憲法の第7条のなかで
「人おのおの任(よさし)あり掌ること宣しければ
濫ざるべし」と記しているとおりである。
いまベニスに着けばまず観光客全員に長靴が配られる。
日本人はぎょっとするらしい。最近ベニスは工業用水のくみ上げが
激しく、地盤沈下が一段と進んでいるからだ。
このような話は現地では日常であるが、日本では一切
報道されていない。
最近は台風が日本列島の近くで突然発生するようになった。
だから四国では一滴も雨がふらないが関東地区には大雨を
降らせた。
現在地球は炭酸ガスのベールでひろく厚く覆われているから
異常気象となっており台風の予測も難しくなっている。経済が引き起こした
結果だからここがあらたまない限り災害は今後益々起きるであろう。
予測がむつかしいのは台風も地震も同じである。
1944年に濃尾地震が発生したが、地震発生の3日前に
陸軍が地震情報であるプレスリップという地盤沈下現象を
観測していた。しかし地震を防げなかった。
ところが、現在、東海地震観測では、そのプレスリップ現象の
大部分が海底で発生しているため地震予知を非常にむつかしく
させている。
地震で一番怖いのは停電である。
家族と突然連絡がとれなくなる。とくに遠距離通学の学童は
携帯電話が使えなくなる事態を経験したことがない。
停電の怖さを日頃からこどもにもたたき込んでおく必要がある。
身近なことでは、一家の主の居所はいつでもわかるようにしておく
必要がある。日頃から考えていてもとっさの行動はとれないから
ひごろから備えがなくて瞬時に対応出きるはずがない。
先日の宮城沖地震で東北電力1,500万KWHの内
200万止まっている。止まっているというより止めている。
点検に手間取っているからだ。
東海、東南海、南海地震が同時発生する可能性が
高まっているが、中部電力、関西電力が操業に支障が出ると
当然、大規模停電が発生しライフラインは寸断され大混乱に
陥るだろう。
GDP世界第2の日本で大規模地震が発生すれば
ニュースは瞬時に報道され、現在時価総額400兆円の
日本株は投売りされるだろう。
日本経済の現在の台所は、1,200兆円の個人資産で
維持されているが、中身といえば、780兆円は国債などの
借金である。個人の手許は実質400兆円に過ぎない。
1707年(宝永4年)富士山が噴火して宝永山が生まれた。
俗にいう『石の座布団』が割れたからだ。今日本列島は「押されている」
プレートと「押している」プレートのはざ間にあり300年前の
状態に近い。
本震30秒で生き残っても、余震30秒で家は倒壊する。
さらに地震で怖いのは津波である。奥尻では31メートルを記録した。
最低限度20メートルの津波は想定しておく必要がある。
自分に限って地震に遭わないという思い込みを
なくすことが一番だろうと河田所長は話を結ばれた。
阪神淡路大震災の被災者の一人としても改めて
震撼とする思いに駆られた次第である。(了)