8月29日、原油相場反落を好感して、NYダウは65ドル戻し、
10,463ドルで取引を終了した。
ハリケーンKatrinaはテキサス油田地帯に上陸したが、
石油精製設備に致命的な被害は回避出きるとの思惑から、
電子取引で週末バレル70.80ドルの新高値をつけていた
原油相場は、依然高値水準ながら67.20ドルまで落ちついた。
「ハリケーンは予測出来ない。予測できないということでは
テロと同じだ」、と8月29日付け電子版はある投資家の
コメントを紹介している。
先日、京都大学防災研究所長、河田恵昭教授の話を
聞く機会があったが、「自然との調和とか言っているが、
自然は冷たい。自然は優しくない。自然災害から
身を守るには自然と人間との知恵較べだ」と
話しておられた。
ハリケーンKatrnaは8月23日にフロリダ南部で
熱帯性低気圧として誕生、一端フロリダをかすめ、
メキシコ湾は左折後右折してテキサスのMoleに
上陸後、時速70マイルの強い勢力を保ちながら
北北東へ向かうと今朝の米CNNテレビは放送していた。
米経済誌Business Week最新版(9月5/12号)は、
巻頭ページで、原油高騰問題を分析している。
2004年春、バレル40ドル原油相場は米国経済を
ダメにするかと書いていた。それが昨年末、50ドル
原油は何を意味するかと書いた。それが今、65ドル
原油は米国景気に及ぼす新たな影響について
論じようとしているとなかばお手挙げの体である。
原油が30ドル、40ドル、50ドルと上げてきた。
その間米中央銀行のFRBは、金利を1%から3.5%まで
引き上げた。
ところが物価は落ち着いた動きで推移し、米GDPも
年率3%強の巡航速度を維持している。
先のBusiness Week誌は、その秘密を個人所得の
増加にあると分析した。今年6月の家計のエネルギー
支出580億ドル(約6.4兆円)に対して、家計所得は
4,000億ドル(約44兆円)へ増えたと紹介している。
米国の失業保険申請件数も増えていない。
この傾向はサービス部門で目立っていると
同誌は紹介している。
結論として同誌は、もし米企業が、
原油高によるコストアップのユーザー転嫁に
成功すれば、次は65ドル原油が米国経済に
障害をもたらす(cripple)かどうかではなく、
経済と政府がさらなるインフレ進行と
いかにうまく付き合っていけるかどうかで
あろうと結んでいる。
米FRBは、年末にも短期の目標金利を
年4.25%まで引き上げると見られている。
2006年、4.5%で利上げ打ち止めと
見るアナリストは多い。
事実上ゼロ金利のニッポンの異常さがますます
鮮明になってくるであろう。
地震でもからだの健康でも同じである。
歪みひずみがひどくなると病気になる。
エネルギーが一方方向に偏ると自然の
摂理によるねじれを元に戻そうとする力が働くようだ。
原油相場の歪みは中国の大量買いの結果である。
中国にインドを加えておかないと不公平かもしれない。
過去4年、中国の世界の原油需要のシエアは
6.3%から8%へ増加した。これはおよそ日量
200万バレルに相当する。
200万といえばイラクの生産量にほぼ見合う
大きな数量である。イラク一国分を中国一人で
飲み込んだ計算だ。
原油相場で悩ましいのは、インフレ率で換算すれば
1980年お44ドル原油は88ドルに相当する。
相場の世界で「まだはもうなり、もうはまだなり」
という格言がある。
70ドルの最高値更新も1980年の88ドルに
「まだ及ばない」と原油ディーラーは言い出しているから
始末が悪いのである。
ドルの目減り(インフレ進行)が原油相場を
引き上げた。ドルの目減りを減らそうとして
さまざまな画策をしたのがOPECであろう。
米国のガソリン相場はガロン2ドルを越えた。
店頭売りではガロン2.6ドルである。
Labor Day(労働祭休日)のドライブ予定
調査では昨年より0.9%増加とBusinessWeek誌は
紹介している。このデータは全てではないが、
「まだ安い」と米国人は現在のガソリン高騰を
吸収しているのかもしれない。
日本でもガソリン相場が上げてきた。リッター
130円が早晩当たり前になるかもしれない。
それでもいまのレベルではぶつぶついいながらも
車をやめられないだろう。
タイヤメーカーは値上げに踏み切った。
電力料金も値上げされる。合繊メーカーも
値上げしたいが踏みきれていないようだ。
値上げに耐えられる魅力ある商品を
提供し切れていないのか。いや、中国の影が
あまりにも大きいのかもしれない。
JALが国内線で200円から300円値上げすると
恥ずかしそうに値上げを打ち出した。経費節減も大事だが
墜落事故でも起こされたらとり返しがつかないだろう。
ちくわ、かまぼこを10%値上げするとあるメーカーが
発表していた。横並びの安売りに麻痺して、燃料代、
物流費急騰で経営がそろそろもたなくなってきて
いるからだろう。
原油反落、NYダウ戻す。
政治家もマスコミも国民一人一人も
原油、為替、金利にいま少しでいいから、
目を向けて欲しいと思うが
いかがなものであろうか。(了)
10,463ドルで取引を終了した。
ハリケーンKatrinaはテキサス油田地帯に上陸したが、
石油精製設備に致命的な被害は回避出きるとの思惑から、
電子取引で週末バレル70.80ドルの新高値をつけていた
原油相場は、依然高値水準ながら67.20ドルまで落ちついた。
「ハリケーンは予測出来ない。予測できないということでは
テロと同じだ」、と8月29日付け電子版はある投資家の
コメントを紹介している。
先日、京都大学防災研究所長、河田恵昭教授の話を
聞く機会があったが、「自然との調和とか言っているが、
自然は冷たい。自然は優しくない。自然災害から
身を守るには自然と人間との知恵較べだ」と
話しておられた。
ハリケーンKatrnaは8月23日にフロリダ南部で
熱帯性低気圧として誕生、一端フロリダをかすめ、
メキシコ湾は左折後右折してテキサスのMoleに
上陸後、時速70マイルの強い勢力を保ちながら
北北東へ向かうと今朝の米CNNテレビは放送していた。
米経済誌Business Week最新版(9月5/12号)は、
巻頭ページで、原油高騰問題を分析している。
2004年春、バレル40ドル原油相場は米国経済を
ダメにするかと書いていた。それが昨年末、50ドル
原油は何を意味するかと書いた。それが今、65ドル
原油は米国景気に及ぼす新たな影響について
論じようとしているとなかばお手挙げの体である。
原油が30ドル、40ドル、50ドルと上げてきた。
その間米中央銀行のFRBは、金利を1%から3.5%まで
引き上げた。
ところが物価は落ち着いた動きで推移し、米GDPも
年率3%強の巡航速度を維持している。
先のBusiness Week誌は、その秘密を個人所得の
増加にあると分析した。今年6月の家計のエネルギー
支出580億ドル(約6.4兆円)に対して、家計所得は
4,000億ドル(約44兆円)へ増えたと紹介している。
米国の失業保険申請件数も増えていない。
この傾向はサービス部門で目立っていると
同誌は紹介している。
結論として同誌は、もし米企業が、
原油高によるコストアップのユーザー転嫁に
成功すれば、次は65ドル原油が米国経済に
障害をもたらす(cripple)かどうかではなく、
経済と政府がさらなるインフレ進行と
いかにうまく付き合っていけるかどうかで
あろうと結んでいる。
米FRBは、年末にも短期の目標金利を
年4.25%まで引き上げると見られている。
2006年、4.5%で利上げ打ち止めと
見るアナリストは多い。
事実上ゼロ金利のニッポンの異常さがますます
鮮明になってくるであろう。
地震でもからだの健康でも同じである。
歪みひずみがひどくなると病気になる。
エネルギーが一方方向に偏ると自然の
摂理によるねじれを元に戻そうとする力が働くようだ。
原油相場の歪みは中国の大量買いの結果である。
中国にインドを加えておかないと不公平かもしれない。
過去4年、中国の世界の原油需要のシエアは
6.3%から8%へ増加した。これはおよそ日量
200万バレルに相当する。
200万といえばイラクの生産量にほぼ見合う
大きな数量である。イラク一国分を中国一人で
飲み込んだ計算だ。
原油相場で悩ましいのは、インフレ率で換算すれば
1980年お44ドル原油は88ドルに相当する。
相場の世界で「まだはもうなり、もうはまだなり」
という格言がある。
70ドルの最高値更新も1980年の88ドルに
「まだ及ばない」と原油ディーラーは言い出しているから
始末が悪いのである。
ドルの目減り(インフレ進行)が原油相場を
引き上げた。ドルの目減りを減らそうとして
さまざまな画策をしたのがOPECであろう。
米国のガソリン相場はガロン2ドルを越えた。
店頭売りではガロン2.6ドルである。
Labor Day(労働祭休日)のドライブ予定
調査では昨年より0.9%増加とBusinessWeek誌は
紹介している。このデータは全てではないが、
「まだ安い」と米国人は現在のガソリン高騰を
吸収しているのかもしれない。
日本でもガソリン相場が上げてきた。リッター
130円が早晩当たり前になるかもしれない。
それでもいまのレベルではぶつぶついいながらも
車をやめられないだろう。
タイヤメーカーは値上げに踏み切った。
電力料金も値上げされる。合繊メーカーも
値上げしたいが踏みきれていないようだ。
値上げに耐えられる魅力ある商品を
提供し切れていないのか。いや、中国の影が
あまりにも大きいのかもしれない。
JALが国内線で200円から300円値上げすると
恥ずかしそうに値上げを打ち出した。経費節減も大事だが
墜落事故でも起こされたらとり返しがつかないだろう。
ちくわ、かまぼこを10%値上げするとあるメーカーが
発表していた。横並びの安売りに麻痺して、燃料代、
物流費急騰で経営がそろそろもたなくなってきて
いるからだろう。
原油反落、NYダウ戻す。
政治家もマスコミも国民一人一人も
原油、為替、金利にいま少しでいいから、
目を向けて欲しいと思うが
いかがなものであろうか。(了)